神奈川県議会がん撲滅をめざす議員連盟で
「神奈川県立がんセンター」を視察しました。
「重粒子線治療センター"i-ROCK"」は、120億円をかけ2015年12月に臨床を開始した
国内で5番目(世界で10番目、大阪に6番目が設立)の施設です。
他施設が病院と切り離した施設なのに対して、
がんセンターに敷設されている世界初の施設となっています。
骨軟部や前立腺、頭頸部のがん治療には保険適用となっていますが、
多くの治療は先進医療(肺、まもなく肝、膵、今後は子宮、直腸食道がん、転移性)
として行われています。
治療実績は今年度10月までに506名に達しました(29年度は目標340に対し実績209名)。
病院内緩和ケア病棟は20名程度患者さんが入ることができ、
屋外庭園や家族が宿泊出来るようになっています。
手術室には最新ロボットダビンチ"da Vinci Surgical System"が導入されました。腹腔手術を支援する、内視鏡下手術支援ロボットです
リハビリテーションセンターは、年間1,400例。
がん患者さんは他のリハビリ施設で受け入れられないこともあり、外来も受け付けています。
手術翌日にはリハビリに取り組み、早期退院を目指します。
化学療法は、個人に差があり、30分から5時間の治療時間がかかります。
一日70名程度年間2万件あり、年々増加傾向です。
「がんゲノム医療」は、遺伝子情報等に基づき、一人ひとりのがんの個性(原因)を明らかにし、
患者さんにより適した治療薬の情報を提供する次世代のがん治療です。
遺伝子レベルでがん情報を分析することは、治療薬など治療方針の選択に役立ち、また副作用の軽減や病状の緩和などが期待できます。
本病院は国立がん研究センター中央病院との連携病院に指定されていますが、
次年度以降、医療拠点病院を目指しています。
今年度閣議決定された「がん対策推進基本計画」に、ゲノム医療の充実が盛り込まれました。
ビックデータやAIを活用したがんゲノム医療を推進し、個人に最適化された患者本位のがん医療実現を目指します。
シークエンス検査によって、適切な薬が判明するのは、全患者の1割ということで
まだまだ新薬の開発が求められます。