四天付拝敷という、主に神社仏閣で使用する、特殊な敷物について説明します。
拝敷は、焼香台の前に敷くもので、薄縁で出来ている。上写真のものは四天付拝敷といって、四天とは四天王のことである。
四天王は※四方鎮護の四神をいい、東に持国天王(治安安民)、西に広目天王(千里眼)、南に増長天王(万物の生と知識を生み出す神)、北に毘沙門天王(北の仏の道場を守り、常に説法を聞いているので多門天王ともいう)が配されている(鎮座)。※鎮護=災いや戦乱をしずめ、国の平安をまもること。
拝敷も紋に合わせて作るが、代表的なものが上図の七五三紋である。七五三の数字は人生の厄年を表す数字で、それを払うための儀礼的なものであるが、框から見た場合縦が短く見えるのを補正する美観上の意味からも七五三紋の配列が取り入れられている。 (畳技術宝典より抜粋)
四天付拝敷は、有職畳の一つである。
有職畳とは古くから朝廷や武家などの儀式、作法などの定法に基づいて作られた畳です。
現在では主に寺院、仏閣で伝統的調達品として使われています。
作り方も定法があり、それらに基づいて作成しなければなりません。
茵(しとね)、八重畳(やえだたみ)、厚畳(あつじょう)、龍鬢(りゅうびん)、拝敷(はいしき)、鐘台などがあります。