引き続きエンジンの作業です
リークチェックをしている間に残ってる作業を行います
点火時期はダイヤルゲージを使用して規定値に合わせます
2サイクルエンジンでは重要なオイルポンプもしっかりオーバーホールします
このエンジンは腰上が350に変わってるのですが
オイルポンプは250のままになっていました
そのままでは高回転時に焼き付きの発生の可能性が高いので
当店のコンバートキットを使用して350用に変更します
ばらす前から分かっていましたが
プーリーのケーブルが嵌る部分が欠けていました
このままでもケーブルは外れることはないと思いますが
もしケーブルが外れるとめんどくさいことになるので
損傷が無い物に交換します
このプーリーだけの純正部品としての設定はありませんが
中古の部品を何個かストックしてあるので
そちらを使用して組みます
ポンプ自体はバラして清掃後シールを新品に交換して組みます
リングギアは350の物に変更します
内部のリングギアはこれだけピッチが違います
左側が350のリングギアです
ちょっと余談になりますが、
ごく稀に腰上を350に変更したエンジンでオイルポンプも350に変更してあるけど
ウオームシャフトを交換してない物があります
雑誌やネットなどで250と350はオイルポンプが異なるって情報は知ってるけど
何が違うのかわからないまま、ただ腰上を350に変更したらオイルポンプも350用に変更しないといけない
という浅い知識でオイルポンプのみ変更する人がいます
オイルポンプを変更するだけならネジ2本緩めるだけでいいのですが
ウオームシャフトを交換する場合はギアオイルやクーラントを抜いて
右側のクランクケースカバーを外しての作業になるのでそこそこめんどくさいです
ウオームシャフトが250のまま350のオイルポンプを組むとお互いのピッチが違うので
写真のようにリングギアの歯がボロボロに欠けてしまいます
逆の場合(350のウオームシャフトで250のオイルポンプを組む)は物理的にオイルポンプがウオームシャフトに
嵌らないので組めないのですが250のウオームシャフトに350のオイルポンプ(リングギア)は組めてしまいます
こうなるとウオームシャフトは回っていてもギアが駆動されずプランジャーがストロークしないので
オイルが供給されません
結果シリンダーは焼き付きを起こしますしクランクシャフト、コンロッドの大端ベアリングが潤滑されなくなるので
クランクシャフトが壊れます
オイルポンプを350に変更するときはウオームシャフトもセットで交換しましょう。
またヤフオクなどで腰上を350に変更してある4L3刻印のクランクケースのエンジンを購入された方は
オイルポンプを外して確認したほうがいいと思います。黄色ペイントのオイルポンプがついているからと
安心していたら痛い目に合うかもしれません
250と350のオイルポンプでは最小ストロークが違うので
350にコンバートしたときにはちゃんと調整します
ウオームシャフトも350の物に変更してあります
左側のケースカバーもウレタン塗装です
クラッチレリーズは清掃してグリスアップしています
リークチェックも無事終わりエンジンの組み立ては完了です
ちょっと車体の作業がストップしていますが
他の作業がまだいっぱいあるのでそちらを進めていきます