RZ250 エンジンオーバーホール&30年の眠りから再生 04 | 丸忠輪店 ブログ

丸忠輪店 ブログ

作業やレース活動の報告、新商品の情報など
できるだけ多くの情報を提供させていただきたいと思います

店舗HP → http://maruchu-r.chu.jp/

引き続きエンジンの作業です

 

リークチェックをしている間に残ってる作業を行います

 

点火時期はダイヤルゲージを使用して規定値に合わせます

 

 

2サイクルエンジンでは重要なオイルポンプもしっかりオーバーホールします

このエンジンは腰上が350に変わってるのですが

オイルポンプは250のままになっていました

 

そのままでは高回転時に焼き付きの発生の可能性が高いので

当店のコンバートキットを使用して350用に変更します

 

ばらす前から分かっていましたが

プーリーのケーブルが嵌る部分が欠けていました

 

 

このままでもケーブルは外れることはないと思いますが

もしケーブルが外れるとめんどくさいことになるので

損傷が無い物に交換します

 

このプーリーだけの純正部品としての設定はありませんが

中古の部品を何個かストックしてあるので

そちらを使用して組みます

 

ポンプ自体はバラして清掃後シールを新品に交換して組みます

リングギアは350の物に変更します

 

内部のリングギアはこれだけピッチが違います

左側が350のリングギアです

 

ちょっと余談になりますが、

ごく稀に腰上を350に変更したエンジンでオイルポンプも350に変更してあるけど

ウオームシャフトを交換してない物があります

 

雑誌やネットなどで250と350はオイルポンプが異なるって情報は知ってるけど

何が違うのかわからないまま、ただ腰上を350に変更したらオイルポンプも350用に変更しないといけない

という浅い知識でオイルポンプのみ変更する人がいます

 

オイルポンプを変更するだけならネジ2本緩めるだけでいいのですが

ウオームシャフトを交換する場合はギアオイルやクーラントを抜いて

右側のクランクケースカバーを外しての作業になるのでそこそこめんどくさいです

ウオームシャフトが250のまま350のオイルポンプを組むとお互いのピッチが違うので

写真のようにリングギアの歯がボロボロに欠けてしまいます

 

逆の場合(350のウオームシャフトで250のオイルポンプを組む)は物理的にオイルポンプがウオームシャフトに

嵌らないので組めないのですが250のウオームシャフトに350のオイルポンプ(リングギア)は組めてしまいます

 

こうなるとウオームシャフトは回っていてもギアが駆動されずプランジャーがストロークしないので

オイルが供給されません

 

結果シリンダーは焼き付きを起こしますしクランクシャフト、コンロッドの大端ベアリングが潤滑されなくなるので

クランクシャフトが壊れます

 

オイルポンプを350に変更するときはウオームシャフトもセットで交換しましょう。

 

またヤフオクなどで腰上を350に変更してある4L3刻印のクランクケースのエンジンを購入された方は

オイルポンプを外して確認したほうがいいと思います。黄色ペイントのオイルポンプがついているからと

安心していたら痛い目に合うかもしれません

 

250と350のオイルポンプでは最小ストロークが違うので

350にコンバートしたときにはちゃんと調整します

 

ウオームシャフトも350の物に変更してあります

 

左側のケースカバーもウレタン塗装です

クラッチレリーズは清掃してグリスアップしています

 

リークチェックも無事終わりエンジンの組み立ては完了です

 

 

ちょっと車体の作業がストップしていますが

他の作業がまだいっぱいあるのでそちらを進めていきます