マルカスト元帥とデラシーズ国軍、

 

三将軍率いるベェゼルド国軍にエルラッハ侯爵とソールト元帥率いるベェゼルド国軍

 

及び旧ドルタナ国軍の一部とチグリット国軍が結集して

 

デュカルト王の居城とも言うべき縮小された首都城を取り囲んではいるが

 

目の前の堀と火炎砲弾で近づくことすら出来ない状態で睨み合いが続いている

 

旧デッドランド国であるゴッドウィンドウ国の首都城で睨み合いが続いている間

 

 

旧ドルタナ国ではベェルフェス元帥が一向に動く気配のないまま

 

海洋地域領からはトルメキア国軍と一部の旧ドルタナ国軍による合同軍の攻撃と

 

北側からは、ベェゼルド国軍の攻撃に応戦していた

 

更に西からトルメキア国軍が攻め込みガルート地域領が陥落してしまう

 

そのことによってドルチェ城が孤立状態に陥る

 

メッカ地域領にいるベェルフェス元帥はそれでも防戦一方になっていた

 

それだけマルカスト元帥の奇策に警戒し過ぎて

 

彼本来の力を発揮できないままだ

 

彼の戦術は攻めて攻めて攻め崩すのが基本で

 

それは猪突猛進の猛者ではなく、まったく逆の性質を彼は持っていた

 

恐怖心に弱く、自分を守ろうとする性質が強いため

 

徹底的に相手を責め続けることで奮い立つことにしたようだが

 

一度恐怖心に支配されると一転して守り重視の戦いをしてしまう

 

マルカスト元帥は旧グランガザル国最終戦において包囲殲滅戦を仕掛けたとき

 

ベェルフェス元帥の心の弱さを見抜いて、徹底的な敗北感と

 

分析不可能なマルカスト元帥の不気味な印象を植え付けることに成功した

 

敗北感はマルカスト元帥への劣等感を生み出し

 

決して彼には勝てないという先入観を植え付けることで

 

ベェルフェス元帥は自分を守ることに徹しきる戦術に走らせていた

 

結果僅かな戦力でも少しずつ崩されて行く

 

それは自分の采配ミスなのだが、その結果がまたマルカスト元帥のマジックだと感じてしまい

 

スッカリ術中に嵌まり込んでいた

 

程なくドルチェ城もトルメキア国軍によって陥落する

 

トリメキア国軍を指揮しているのはトイ将軍だった

 

彼は途中までシラスター王と共にいたが体調を崩し、止む無くトイツ地域領へ戻って

 

少し体調を整えてから、トルメキア国のテーシー女王によって司令官に抜擢された

 

もちろんトイ将軍の妹の計らいだろうけれど

 

ベルフェス元帥率いるゴッドウィンドウ国軍は

 

ベェゼルド国のベッカー、デリカル地域領からゲリラ戦を仕掛けられ

 

旧ドルタナ国のガルート、ダルカ地域領からトルメキア国軍に攻め込まれ

 

トイツ地域領からトリメキア、旧ドルタナ国の合同軍によって攻められている

 

「これではかつての、グランガザル国攻防戦の再現ではないか」

 

ベェルフェス元帥の恐怖心は最高潮に達した

 

その時、信者たちの謀反を企てているという密偵からの知らせを受ける

 

四方に敵、内側からも敵が生まれた

 

ベルフェス元帥が疑心暗鬼に陥っても不思議ではない

 

実際信者たちは反旗を翻しダルソ、ガミュー地域領は白旗を揚げる

 

最早メッカ地域領のみベェルフェス元帥は孤立状態に陥る

 

メッカ地域領の中でも信者は少なくない、彼らがいつ裏切るかわからない

 

そんな時魔物の森から軍隊が現れる

 

魔物の森は亜魔王種によって自分たちの逃げ道と考えていた彼は驚愕する

 

まさか魔物の森から敵軍が攻めて来るなんてことはあるのだろうか

 

シラスター王にデラシーズ国軍が魔王と同盟を結んでいることを彼は知らない

 

見ればゴッドウィンドウ国軍である

 

援軍が来たのかと喜んだ次の瞬間その軍は突進してベルフェス元帥だけを狙って進軍する

 

信者たちは抵抗することなく素通りさせ

 

僅か彼に忠実な兵士のみが応戦するも多勢に無勢であっという間に壊滅する

 

取り囲まれた所に現れたのはムラッド元帥である

 

「お前が何故こんなことをする、謀反でも起こしたのか」

 

「すっかり馬鹿になったようだなベェルフェス元帥、信者たちがゴッドウィンドウ国を裏切るものか、お前が信者絶滅などを目論むからこんなことになるのだ」

 

確かに心当たりがある

 

意に沿わない信者を片っ端から暗殺していたのだ

 

「お前の悪行はバレている、ここに居る信者でお前が信者たちを暗殺していることを知らない者は一人も居ないぞ」

 

精神的打撃を与えた上で「お前の負けだ」と言いながらベェルフェス元帥の首を刎ねた

 

ところが、次の瞬間トリメキア国軍が雪崩れ込んできて

 

信者諸共にムラッド元帥軍は制圧された

 

寝返るチャンスだと手を上げた瞬間ムラッド元帥は旧ドルタナ国軍によってめった斬りになる

 

「ベェルフェス元帥を討ち取ったぞ」

 

薄れる意識の中で

 

人違いで殺されたことだけは認識できたムラッド元帥は「違う」の一言を残してこと切れた

 

サーティーン・キルの元帥にしてはあまりにも惨めで惨い死に様だった

 

後世の歴史家たちは、自業自得だとか

 

彼の生き様が彼に跳ね返ったと判断するものが多いことだろう

 

こうして旧ドルタナ国のゴッドウィンドウ国軍は

 

トリメキア国軍、旧ドルタナ国軍、そしてベェゼルド国軍によって敗戦を迎える

 

とは言え、ゴッドウィンドウ国の戦力は旧グランガザル国に温存されている

 

事実を知れば、各地域領に散らばっているサーティーン・キルの元帥たちが

 

首都城へ援軍に来るはずだとトリメキア国のテーシー女王は警戒した

 

警戒心の強い彼女はそんな局面を予測して、

 

タルメシア国の大臣と両国が一気に攻め込むことで釘付けにする作戦を謀っていた

 

ところが密偵の知らせによると、

 

ゴッドウィンドウ国に分が悪いと知るやサーティーン・キルの元帥たちは散り散りに逃げ出す

 

「心無い元帥はいざとなれば逃げだすものだな」

 

テーシー女王はそのことを笑えなかった

 

明日は我が身になるかもしれないからだ

 

トリメキア国の貴族たちは自分に心酔して国を維持しているのではない

 

商人気質の強いドルトエルン国の時代から王すら手玉に取るような連中だから

 

自分にもし国を運営する力量に陰りを少しでも見せれば簡単に見捨てるだろう

 

デラシーズ国に似たカタチをしているものの

 

性質はまるで違う

 

恐らくデラシーズ国軍の兵士はシラスター王の為なら命も惜しまないだろう

 

結局最後に残るのは心のつながりかもしれない

 

突然震えが彼女を襲う、恐怖心だろうか気丈な彼女でも恐怖心が無いわけではない

 

そんな時、そっとリーザは彼女の手を握り締めた

 

「あなたには私が付いています、私は最後まであなたと共にいますから」

 

何故か彼女はテーシー女王の心を感じ取ってしまうらしい

 

そしてテーシー女王の一番必要な言葉を投げかける

 

こんな心あるリーザを疑ったことをそのたびに彼女は悔いた

 

「私も変わらねばならない、王宮のカタチだけでなく、性質も変革すべきだ、だがまず私自身の心が変わらねば何事も変わらない」

 

明らかにシラスター王の影響だとリーザは思った

 

シラスター王とは一体何者だろうか

 

自分の心も軽くしてくれた、彼はいつも周りの人を生き生きとさせている

 

彼に関わる人は癒されて、生きる勇気を持つことができる

 

上から引っ張り上げるのではなく

 

傍に寄り添って優しく背中を押してくれる感じだ

 

従来の王とはまるで性質が違う

 

一人一人が自分の力で立って歩き出す勇気を与えてくれる

 

「デラシーズ国のケネス大臣が奇跡の王と言っていました」

 

「シラスター王のことか」

 

「はい」

 

「私はそういった表現を好まない、メシア思想なるものが横行しているが、それは危険な思想だ、彼がそのメシアだということになれば、デュカルト王と大差はなくなるでしょ」

 

「私は思うのです、シラスター王ならそのメシア思想すらまるっきり違うモノに変えてしまうのではないかと」

 

流石に理論的優位な性質のテーシー女王には

 

感覚的なそのリーザの言葉の意味が読み解けなかった

 

「リーザのいう言葉は感覚的すぎて意味がわからない、もっと具体的に示してくれないかしら」

 

「私にもよくわかりませんが、彼なら危険な思想すら危険ではなくなるような気がするのです」

 

更に漠然としてぼやけてしまう

 

不意にテーシー女王の心から笑いが込み上げてきて、抑えきれずに笑った

 

「一体何がおかしいのですか」

 

「実にお前らしいと思ってな」

 

リーザにはテーシー女王のその言葉は理解できず、きょとんとしている

 

でも今のテーシー女王には命懸けで従う者が必要だということは感覚で感じ取っている

 

そして自分がそうなると決めた

 

またそういう人をこれから増やして行く道を彼女が歩き出していることを感じている

 

「出来る限り手助けするまでだわ」

 

 

そのシラスター王はデュカルト王の居城というべき首都城の中を

 

見つからないように移動しながら、デュカルト王の居る部屋の近くまで辿り着く

 

五人の兵士がドアを守っている

 

部屋の中に一体何人の兵士がいるのかわからないが

 

恐らく12騎士団の団長たちが揃っていることだろう

 

「行くぞランド」

 

そう言うとシラスター王がドアの所まで走って行く

 

止む無くランドもついて行く形になったが、シラスター王を追い越して

 

5人の兵士をあっという間に気絶させた

 

そしてドアを開く

 

中は寝室だろうかベッドがあり、大きな窓が自然の森を映し出して綺麗だった

 

日差しが差し込む窓を背後にベッドの上でデュカルト王は座っていた

 

周りには12騎士団長のうち10人と世話係だろうか二人侍女がいる

 

突然ドアが開き、二人が入り込んだので、12騎士団は臨戦態勢になり

 

二人の侍女はデュカルト王を庇うように立ちはだかる

 

このままで一戦交えた場合惨劇になることは間違いない

 

シラスター王もランドも今では魔物の戦闘力を超えている

 

人数の上では不利でも、12騎士団長たちに勝ち目はないだろう

 

ところが、デュカルト王は立って12騎士団長たちを止めた

 

ランドが何事かと見れば、デュカルト王は驚きの顔になっていて

 

視線を移すとシラスター王も同じように驚いている

 

緊縛と不思議な空気に包まれる

 

「きみがどうしてここへ」

 

最初に空気を崩したのはデュカルト王だった

 

「あなたがデュカルト王なのですか」

 

「そうだが」

 

「私はデラシーズ国のシラスター王です」

 

どんな時も冷静沈着だったデュカルト王が未だに驚きの顔を崩さないのに

 

12騎士団長たちは不思議に思い、しかも宿敵であるシラスター王が単身乗り込んできた

 

いや単身ではないかもしれない、

 

一国の王が単身敵の城の中に入り込むなんてことは考えられない

 

となれば、既に城の中は敵軍だらけになっているか

 

最悪の場合占拠されている可能性は高い

 

12騎士団長たちの危惧をよそに、

 

少し落ち着きを取り戻したデュカルト王は優しい眼差しになる

 

「きみがシラスター王なのか、森で話したことを覚えているか」

 

「今でも忘れられません、私は心から共感できる友と出会えたと思ったから」

 

「それは私も同じだ」

 

どうやら二人は知り合いのようだ

 

はらり、はらりとシラスター王の頬を伝い涙が落ちて行く

 

「どうしてあなたがデュカルト王なのですか」

 

みればデュカルト王の頬を伝い一滴流れ落ちる

 

「それは私のセリフだ、どうしてきみがシラスター王なのだ、私はこの世で一番殺したくないきみを殺そうとしていたのか」

 

聡明なデュカルト王にはこの時全てを理解した

 

「私が守りたかったのは世界ではなく、きみだったのだな」

 

あの時世界を征服することを決意したのは

 

目の前の純粋無垢な少年を守るためだった

 

いや違う、自分はこの少年シラスター王を守るべき存在だ

 

一体どこで間違えたのだろう

 

どうしてこんなことになっているのだろう

 

デュカルト王はシラスター王が魂の友であること

 

そして共に人間の世界を平和にして行くべき相手だと心から感じた

 

シラスター王は革命児であり世界を変える力を持っているが

 

目の前の人の為にいつ命を落とすかもしれない危うさを持っている

 

慎重で熟慮するデュカルト王が彼を守り時には叱咤しても導いてやるべき役割を担えば

 

この二人なら人間の世界に戦を無くし平和な世界を築くことも可能だ

 

まるで啓示でも受けているように二人は互いの運命を理解した

 

デュカルト王は自分は間違えていることにこの時初めて気が付いた

 

間違えたのではなく、間違えさせられたのだ

 

彼の脳裏に亜魔王種たちの須賀だが浮かぶ、

 

暫くして亜魔王種たちの甲高い笑い声が聞こえた

 

「私は亜魔王種たちに近づき過ぎた、奴らを利用しているつもりだったが、最初から関わるべきではなかったのかもしれない」

 

「亜魔王種たちがあなたの道を狂わせたのだな」

 

「そうだ奴らは瀕死の私の命を救ってくれたが、今考えてみれば毒殺も解毒薬も奴らの差し金かも知れない」

 

恐らくデュカルト王とシラスター王が手を組むことを阻止するだけでなく

 

この二人を戦わせ、あわよくば相打ちになるか

 

少なくとも危険なシラスター王の命を奪い取ろうとしていたに違いない

 

「私は最早亜魔王種たちに近づき過ぎて影響を受け過ぎた、この手は血塗られている」

 

12騎士団長も、ランドですら二人が一体何を話しているのか理解できない

 

ただ二人だけは、互いの言葉をしっかり理解していた

 

「いまからでも遅くはない、共にこの世界に戦を無くそう」

 

デュカルト王は首を横に振る

 

「私は奴らに思考操作されているようだ、きみの足手纏いにしかならないだろう」

 

ところがシラスター王が手を差し伸べる

 

「きみが闇に塗れているなら、その罪過を私も背負う、だからそんな悲しいことを言わないでくれ、必ず亜魔王種たちは殲滅する、これは魔王たちと私が交わした契約なのだ」

 

「そうか、それで魔王と同盟を結んだのだな」

 

「私たちは出会ってしまった、あなたのことを知った私はあなたを失いたくない、たとえ幾多の禍を背負うことになってもデュカルト王、私はあなたと共に歩みたい、どうかこの手を握ってくれ」

 

暫く考えてからゆっくりとシラスター王に視線を移す

 

はらりと涙が床に落ちる

 

「それほどまでに私のことを」

 

ランドはこの時マルカスト元帥の顔が浮かんだ

 

今ではランドにとってなくてはならない存在になっていた

 

きっとシラスター王にとってデュカルト王はそういう存在なのだ

 

「12騎士団長、このことゴッドウィンドウ国の信者に伝えよ、これは勅命である」

 

12騎士団長たちはきりっと直立した

 

「信者たちが待ち望んだジランこそ、このシラスター王だった、彼こそがメシアに違いない、私は彼を助けるために生まれて来たのだと今知った」

 

「そんなことが」

 

俄かに12騎士団長たちは信じられなかった

 

あれほどまでに警戒し、その命を狙っていた相手だ

 

それを今更、ジランなどと

 

「疑われても仕方がないが、私は亜魔王種という魔物に騙されていたのだ、私は最も大切で守るべき彼を殺そうとしていた、信者たちは私に従ってくれたように今後は彼に信仰の基(もとい)として従って欲しい」

 

「あなたはどうされるのですかデュカルト王」

 

「私は、今後彼と共にある」

 

そう言うと差し伸べられたシラスター王の手を握り締めた

 

クールな気質のランドですらもらい泣きしてしまう

 

「不味い」「シラスター王とデュカルト王は手を結ばせてはならない」

 

「今こそシラスター王を」「殺せ」「シラスター王を」「殺せ」

 

ランドにもその声が聞こえた

 

途端に二人の侍女が短剣を持ちシラスター王を刺そうとする

 

この至近距離では交わしきれない

 

ぱんっとシラスター王を飛ばすと

 

二人の侍女の短剣の切っ先はデュカルト王の両わき腹に刺さる

 

そのまま短剣を抜くと血が噴き出し辺りは地の海になる

 

二人の侍女はそれを見て正気を取り戻したが、事の次第を理解して叫び声と共に自害した

 

シラスター王はデュカルト王を抱きとめる

 

「どうやらこれが報いのようだ、きみを殺そうとした因果応報とはこのことを言うのだろう」

 

喋るたびに血が噴き出す

 

「これは因果応報ではない、それをいうなら本当に罪過の報いを受けるべきは亜魔王種だ、あなたはこれ以上自分を責めないでくれ」

 

「今までのこと許してくれるのか」

 

「百万遍でも水に流す、我らは魂の友なのだからこんなケンカくらい」

 

「ケンカだと言ってくれるのか、きみと共に生きられたら、きっと楽しかっただろうな」

 

そのまま息を引き取った

 

彼の顔は安らかに見える

 

シラスター王は人目も憚らず号泣した

 

12騎士団長たちも泣き崩れたあと、シラスター王に跪いた

 

「デュカルト王の遺言に従い、今後我らはシラスター王あなたに従います」

 

突然狂気した侍女から命懸けでシラスター王を守ったデュカルト王の姿や

 

彼の死に号泣しているシラスター王の姿を見れば

 

12騎士団長たちもデュカルト王の言葉を信じざるを得ない

 

「泣いてばかりもいられないぞシラスター王」

 

ランドは、敢えて憎まれ口でシラスター王を叱咤した

 

この戦を終結させなければならない

 

実際ゴッドウィンドウ国の信者たちは混乱状態に陥っている

 

恐らくすべての信者がデュカルト王の言葉を信じることは限らないだろう

 

特に熱狂的な信者はデュカルト王こそジランでありメシアだと信じているのだから

 

「我らのメシア」と12騎士団長は口々に言う

 

「メシアとはなんだ」

 

「救世主でございます」

 

「そうか、ならばデュカルト王に成り代わり、私シラスター王が言う、メシアとはお前たちだと」

 

これには12騎士団長たちにも理解できない

 

「一体どういうことですか」

 

「メシアとは救世主なのだろう、ならば世界を救う者たちはみなメシアだ、お前たち一人一人がメシアになるのだ、この意味がわかるか」

 

「我々一人一人がメシアに」

 

「そうだ、一人残らずメシアになれば世界に戦は無くなるぞ」

 

「ああそうか、シラスター王はやはり革命児だ、デュカルト王が植え付けたメシア思想に見事革命を起こしたのだ」

 

ランドは心の中で言う

 

「メシアなど必要のない世界を、これから築いて行こうみんなで」

 

シラスター王の言葉に、

 

12騎士団長たちは奮い立ち歓声を上げた

 

つづく

 

 

第一話「二人の英雄」

 

第二話「出会い」

 

第三話「作られたモノ」

 

第四話「静寂の闇の門が開くとき」

 

第五話「理性と感情の間で」

 

第六話「裁判と判決の間」

 

第七話「境界線その1」

 

第八話「珍客とバルード将軍の日常」

 

第九話「ケネス・ブラッドリーの弟子」

 

第十話「これは最早、戦術と呼べない」

 

第十一話「人間たちの希望の砦」

 

第十二話「人間の勇者~謎~」

 

第十三話「人間の勇者~真相~」

 

第十四話「ケネスの考察ともう一人の弟子」

 

第十五話「魔物たちとケネスの古傷」

 

第十六話「魔物たちとの合戦・前日」

 

第十七話「シラスター王とマーリア」

 

第十八話「魔物たちとの合戦その①」

 

第十九話「ある魔物のこころ」

 

第二十話「ケネスとマーリアの時間稼ぎ」

 

第二十一話「闇の真相と森の勇者の生き様」

 

第二十二話「奇跡の王」

 

第二十三話「魔物たちとの合戦その②」

 

第二十四話「魔法使いと魔術師」

 

第二十五話「リュエラの予言」

 

第二十六話「禁忌の申し子」

 

第二十七話「険しき道を行く者たち」

 

第二十八話「南の森のへそ曲がり」

 

第二十九話「人間の勇者の謎」

 

第三十話「氷の魔女」

 

第三十一話「こころ」

 

第三十二話「こころ・その2」

 

第三十三話「岐路・その1」

 

第三十四話「岐路・その2」

 

外伝「デラシーズ国の異端児」「二人の数奇な出逢い」

 

第三十五話「デラシーズ国の奇跡の王・片鱗」

 

第三十六話「ネオホムンクルスの涙」

 

第三十七話「デラシーズ国の奇跡の王・片鱗その2」

 

第三十八話「百尺竿頭(ひゃくせきかんとう)」

 

人間たちの落日 落日の兆し 第三十九話「旅立ち」

 

第四十話「人間への道・はじめの一歩」

 

第四十一話「人間への道・慟哭」

 

第四十二話「サイコパス」

 

第四十三話「バーハス地域領戦線前夜・前編」

 

第四十四話「バーハス地域領戦線前夜・後編」

 

第四十五話「リュエラとラス」

 

第四十六話「ジランの足跡」

 

第四十七話「奇妙な出逢い」

 

第四十八話「思いと罪過」

 

第四十九話「リュエラとラス・結末」

 

第五十話「魔導師の行方」

 

第五十一話「バーハス地域領戦線」

 

第五十二話「バーハス地域領戦線その2」

 

第五十三話「わかれ道」

 

第五十四話「リーザ・師匠との出逢い」

 

第五十五話「リーザ・穏やかな日々」

 

第五十六話「リーザ・本当の強さ」

 

第五十七話「リーザ・師匠の心」

 

第五十八話「宿命の戦い」

 

第五十九話「魔王デスカラード」

 

第六十話「偵察」

 

第六十一話「新種覚醒」
 

第六十二話「握った手を」

 

第六十三話「カムイ将軍の出陣」

 

第六十四話「この壁の向こう側」

 

第六十五話「通わぬ心」

 

第六十六話「魔導師ナタル(毒薬)」

 

第六十七話「共感」

 

第六十八話「夕暮れの紫苑」

 

第六十九話「振り子が止まる瞬間」

 

第七十話「別れ道」

 

第七十一話「二人の魔導師と盟約」

 

第七十二話「異端児と内助の功」

 

第七十三話「人族への道」

 

第七十四話「Rain」

 

第七十五話「淘汰されゆく者たち」

 

第七十六話「剣如聖人」

 

第七十七話「Strangie」

 

第七十八話「混沌(カオス)が生まれる理由」

 

第七十九話「変革の兆し」

 

第八十話「青い炎の意味」

 

第八十一話「魔王世界の異変」

 

第八十二話「道を切り開く者たち」

 

第八十三話「将軍誘拐と革命の兆し」

 

第八十四話「試練の向こう側に」

 

第八十五話「12魔王一堂に会する」

 

第八十六話「魔王会議・竜族の正体」

 

第八十七話「ドルトエルン国・落日の兆し」

 

第八十八話「ドルトエルン国・膿(うみ)」

 

第八十九話「戦慄・ソールトの逆襲」

 

第九十話「芽生えた希望の光という名の国」

 

第九十一話「師弟の縁」

 

第九十二話「ラスティ」

 

第九十三話「神風という名の国」

 

第九十四話「風が世界に吹くとき・前編」

 

第九十五話「風が世界に吹くとき・後編」

 

第九十六話「ソールトの決意/晩秋の実り」

 

第九十七話「選択の向こう側/時を知る瞬間」

 

第九十八話「戦火のはじまり」

 

第九十九話「戦術と策略と見えない心」

 

第百話「ランドの実力」

 

第百一話「遠交近攻(えんこうきんこう)を逆手に・前編」

 

第百二話「遠交近攻(えんこうきんこう)を逆手に・後編」

 

第百三話「邂逅(かいこう)」

 

第百四話「電光石火」

 

第百五話「初志貫徹と生々流転」

 

第百六話「デュカルト王の逆襲とブラスト将軍の息子」

 

第百七話「赤い炎の城壁」

 

第百八話「カムイ元帥出撃とデラシーズ国軍の脅威」

 

第百九話「シラスター王の覚悟」

 

第百十話「世界大戦の予兆」

 

第百十一話「最初の奇跡」

 

第百十二話「トリメキア国誕生」

 

第百十三話「カムイ元帥の悪巧み」

 

第百十四話「メシア(救世主)とは」

 

第百十五話「丘上の同盟」

 

第百十六話「ゲリラ戦」

 

第百十七話「ロンギヌスの槍」

 

第百十八話「デラシーズ国軍兵士の性質」

 

第百十九話「Turning Point」

 

第百二十話「ラスティの選択」

 

第百二十一話「変革」

 

第百二十二話「運命を変える道」

 

第百二十三話「決別の真意」

 

第百二十四話「亜魔王種」

 

第百二十五話「魔王ロドリアス」

 

第百二十六話「生還と選択」

 

第百二十七話「ラスティの歩く道」

 

第百二十八話「待雪草が芽吹く場所」

 

第百二十九話「不思議な縁」

 

第百三十話「脱出と戦況」

 

第百三十一話「類似性と共感」

 

第百三十二話「革命児のこころ」

 

第百三十三話「混迷と伝わる心」

 

第百三十四話「革命的発想と違和感」

 

第百三十五話「何者にもなれない王」

 

第百三十六話「天賦」

 

第百三十七話「デラシーズ国軍の危険性」

 

第百三十八話「マルカスト元帥とチグリット国」

 

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あとがき

 

シラスター王の革命的発想で

 

デュカルト王が植え付けて来たメシア思想を別物へと変革させてしまいましたねΣ(@@;)

 

ただやり過ぎてしまったことは否めない

 

ゴッドウィンドウ国をどうするか、シラスター王の責任は更に大きくなって行きます

 

また他国にとってデラシーズ国が脅威に変わる可能性も出てきました

 

この章は悲劇が続きます(--。。

 

この先の話を描くのに気が重い(=◇=;)

 

ですが、幻の次の章を思いついたので

 

何とか頑張って書いてみますヾ(@^(∞)^@)ノ

 

まる☆