「見つけた」「見つかった」「竜族の骨」「竜族は実在した」

 

時系列を遡る

 

亜魔王種たちは、竜族の骨を見つけ出し

 

同時に魔王の骨も見つけ出した

 

調べれば何故か竜族の骨の方が新しい

 

これは魔王が先で、竜族は後から生まれた可能性を意味する

 

魔王たちが荒れて、魔王を淘汰するために竜族が生まれたのだろうか

 

魔王テチカの説では竜族と魔王の関係が逆転しているが

 

事実とはそういうものなのだろうか

 

亜魔王種たちは気が付いてしまった

 

魔王は一度淘汰されていることに

 

そして、魔王を淘汰した存在こそ、竜族なのだ

 

人間の魔法使いと、魔術師たちを離反させて、戦争を起こさせることで

 

科学者と魔術師を融合させ錬金術を生み出させた

 

その時錬金術師たちに協力してホムンクルスを作った

 

もちろん、魔王たちを滅ぼすためだ

 

その時プログラムに細工をして、暴走するように仕向けた

 

結局、魔王たちに滅ばされてしまった

 

ホムンクルスを作るための目的は他にもある

 

それは亜魔王種たちの器、子供のまま成長を止めるしか生きる術が無かったのは

 

魔力の器である自分たちの身体が貧弱なためだ

 

そこで、強靭な体を手に入れるため、ホムンクルスを作り魔王を絶滅させてから

 

亜魔王種たちはホムンクルスたちの身体を乗っ取るつもりだった

 

再びデッドランドに協力してネオホムンクルスを作った

 

目的は同じだったが

 

ホムンクルスのレプリカ、模造品でしかないネオホムンクルスは

 

ホムンクルスほどの力もなく、程度の悪いコピー商品でしかなかった

 

しかも寿命が短すぎるため

 

ネオホムンクルスは亜魔王種にとって無用の長物となった

 

そのノウハウを生かして今度は、竜族を作ることにした

 

魔物を母体として作っても上手く行かない恐らく魔力が反発し合うようだ

 

竜族は魔王や魔物とはまるで違う性質を持つ魔力を有している

 

魔王たちのマイナスの魔力に対してプラスの魔力が強いようなのだ

 

プラスの魔力が強いのは人間の魔法使いたちで

 

亜魔王種たちは人間の魔法使いたちを拉致して、それを母体に竜族を作った

 

何度も失敗し試行錯誤の末に完成したのが

 

12体の竜族だった、この竜族たちに魔王によって封印されたという記憶を植え付けた

 

恨み、憎しみ、憎悪を増長させ、魔王を殺すように仕向けたのだ

 

こうして、新たに生まれた竜族はホムンクルスよりも強大な力を持つことになった

 

これは元々備わっていた竜族の魔力を復活させたのに等しい

 

かつて、先代の魔王たちを滅ぼした魔力だ

 

次に亜魔王種たちは、この竜族を自分たちの器にしようとしたが結局、融合できなかった

 

竜族のプラスの魔力が魔王に匹敵する亜魔王種たちのマイナスの魔力を反発したのだろうか

 

いや反発ではなく、

 

中和してしまい魔力そのものが消滅してしまいそうになり離脱したというのが近いだろう

 

作った竜族の体は器にできたとしても、魔力そのものが消滅してしまえば本末転倒である

 

竜族を器にすることを諦めた亜魔王種たちは、

 

竜族は魔王を絶滅させるための使い捨ての道具としたようだ

 

シーランとナタルはラスティたちがいる森へ瞬間移動すると

 

ラスティたちは気がつき近寄ってシーランに跪いた

 

「師匠、突然結界に閉じ込められました、これは一体何が起こっているのでしょうか」

 

「竜族なる者が現れて、魔王と魔物たちを襲っているのじゃ」

 

「竜族とは何者ですか」

 

「恐らくお前たち同様に作られたものらしいのじゃ」

 

「我々と同じ存在なのですか」

 

「作った者も作られ方も違うかも知れないが、構造はお前たちに似ている可能性があるのじゃが、ラスティお前が仲間たちのプログラミングを解除したように、奴らに施されたプログラミングを解除することはできるかえ」

 

「やってみなければわかりません、相手の生態も構造も理解する必要があります」

 

言ってからラスティはナタルをちらりと見た

 

「そうじゃ、こちらはナタル殿、伝説の名医じゃ」

 

「お初にお目にかかります」

 

ラスティとネオホムンクルスたちはナタルに礼を尽くした

 

ナタルはラスティが他のネオホムンクルスとは違うことを見抜き驚いた

 

リーザもまた他のネオホムンクルスとは違っていたが

 

彼女とはまた違ったカタチに進化している可能性を感じているようだ

 

「お前は自力で自分のかけられたプログラミングを解除したのか」

 

「はい、魔術のことは魔導書を読み理解し、そのうち自分でも魔術が使えるようになりました、それから研究を重ね、命懸けで自分のプログラミングを解除して成功しました」

 

「本来ならあり得ない話だ、魔術でも自分に魔術を施すことは非常に難しいからな」

 

というのも、自分の生命エネルギーを呪文に変換して体内の魔力を制御する魔術師では

 

体内の魔力を自分に向けることは不可能に近いからだ

 

或いは体内の魔力と融合することで何か得体の知れない科学変化が起こり

 

何が起きるかわからない状態になる可能性が高い

 

これだけリスキーなことをする魔術師はいないため

 

結局全ての魔術師が自分に魔力をかけることは不可能かは明確にはわからない

 

ただ魔術師の底上げ魔術はあたかも自分に魔術をかけているように見えるが

 

決して自分に魔術をかけているのではない、

 

発動した魔力を増幅させているだけである

 

その分魔力消費は大きく、それに比例して生命エネルギーの消費も大きくなるため

 

場合によっては絶命する恐れがある

 

自分に魔術を施すことができるのは魔導師以外ありえないとナタルはみている

 

ラスティが本当に自分で自分に魔術を施したのであれば

 

彼は魔導師の性質を持つ存在ということになる

 

「シーラン殿、少しだけ時間を貰えぬか、少し調べたいことができた」

 

「それは面白そうじゃな、少しぐらいなら良いであろう」

 

「ラスティと言ったか」

 

「はい」

 

「今から私の言うように魔術を発動してみせてみよ」

 

ラスティはシーランを見たので、彼女は頷いた

 

「わかりました」

 

ナタルは木の枝を拾い、それを大地に突き立ててから

 

「この枝の先端に小さな気を灯してみよ」

 

「はい」

 

そういうと指を鳴らすことで、大地に突き立てた枝の先端に火が付いた

 

「それを風の魔術で炎に変えることができるか」

 

「はい」

 

ラスティは今度は手を叩いた

 

すると枝の先端の火が突然燃え上がり炎になった

 

「次にその枝に根を張らせ大きくしてみせよ」

 

「やったことがありませんが、やってみます」

 

今度は呪文を唱えた、

 

すると枝から根が生え大地に張って、みるみる枝は木へと変貌を遂げた

 

まるで炎の葉が生えている木のように見える

 

「では今度はこの炎を水の塊に変えて見せよ」

 

「これも初めてですが、やってみます」

 

ラスティは別の種類の呪文を区切って唱えた

 

燃え盛る炎は一瞬にして水に変わり、それが球体のように木を取り囲んでいる

 

「今度はこの水の球体を燃やすイメージの魔術をかけてみよ」

 

ラスティは戸惑った

 

「それでは爆発してしまいます」

 

「構わぬ」

 

「その爆発の規模も、これだけ大きければ甚大になります」

 

「心配はいらない、私が何とかするからお前は全力で燃やしてみせよ」

 

ラスティはシーランの顔を覗き込む

 

シーランが頷いたので、観念してナタルの言う通りにしてみた

 

途端に爆発するが、ナタルはその爆発を凍らせて

 

雪のように舞い落ちる

 

「これは凄い魔術です、こんなのは魔導書にも書いていなかった」

 

「そうだろうさ、これは私が作り出した魔術だからな」

 

水蒸気爆発を一瞬で凍らせ、雪に変えたのだ

 

水の魔力で水球を作って攻撃しようとした場合

 

火の属性魔術をその水球の内側から発動させると

 

何故か水蒸気爆発が起こってしまう

 

その失敗談は魔術書に書かれていたのをラスティは覚えていたようだ

 

「魔術を作り出すことが可能なのですか」

 

「魔術は人間が生まれた時から完成されていたわけではない、つまり何者かによって作られたのだ、当然ながら作ることも可能なはずだ」

 

「それはその通りですが」

 

「信じられぬようだな、確かに魔術師や魔法使いでは難しいだろう、新しい魔術を作り出せるのは魔導師くらいのものだ」

 

「魔導師とは魔導書を書かれた方たちですね」

 

「そうじゃ、そしてお前も紛れもなく魔導師としての素質を備えている」

 

「私が魔導師」

 

「いや魔導師ではなく、魔導師となり得る素質を備えている特異体質だとみた」

 

「私にはよくわかりません」

 

「ネオホムンクルスにも時々特異体質が現れるだろう、お前のように」

 

「はい」

 

「しかし特異体質が全て進化して新種となれるとは限らないように、魔導師としての素質である特異体質者であっても、全てが魔導師として進化できるとは限らないのだ」

 

「私に魔導師になれる可能性があると」

 

「そうだ、魔導師になれなくても、火風地水の全ての系統魔術を使えるとなれば、相当の力を持っていることになる」

 

ナタルは人間の魔術師ではなく、ネオホムンクルスに魔導師となれる資質があることに驚いた

 

彼の母体となっている人間は元々魔力体質でしかも、特異体質だった可能性が高いが

 

それを知る術はない

 

ネオホムンクルになってもその資質はそのまま受け継がれたようだ

 

本来あり得ない筈のネオホムンクルスが魔法を使える状態も

 

また自分自身に魔術を施せたのも、全ては彼が特異体質であることを証明している

 

「それで、ラスティをあなたの弟子にする気になったか」

 

シーランの言葉にラスティは驚いて「それはどういう意味ですか」と尋ねた

 

「私は剣技をお前に教えることは出来ても、その魔術を生かす術を持っておらぬ、お前のその力をお前自身で生かせる道を作り出すためには、お前に魔術を教える師が必要だと思うのじゃ」

 

「でも私はもうすでにシーラン師匠の弟子になっています」

 

するとシーランは笑い転げた

 

「お前は頭の良い奴だと思っていたが、時々間抜けたことを言うな、その生真面目な性質がお前の頭脳を遮っているのであろうが」

 

シーランが何故笑っているのか理解できない様子でラスティは師匠を見つめた

 

「一体誰が師匠を二人持ってはいけないと決めたのじゃ、師匠などはいくら持っても構わぬ」

 

「なるほど」

 

柔軟な思考をするラスティでも、彼の生真面目さがそれを阻むこともあるようで

 

シーランの自由な発想が、ラスティの思考に新たに道筋を見せた

 

「ちなみに私は師匠と呼べるものはいない、師匠を何人持っても、仮に持たなくても構わないのじゃ」

 

「それでは、弟子が師匠を決めるように思えますが」

 

「師が弟子だと認める、或いは弟子が師だと決める、どちらでも良いのじゃ、そんなことは縁(えにし)と呼ぶものに属することで、我らの意志を超えた力が働いておるのじゃ」

 

「では私がシーラン師匠と出会えたのも、巡り合わせということになりますね」

 

「だから最初からそう言っているであろう、もちろんそれだけではない、たとえどんな巡り合わせで出会った相手でも、人にはそれを拒否する権利はあるのじゃ」

 

それはただ巡り合わせで仕方なく弟子にしたのではないという隠語が含まれている

 

聡明なラスティは師匠の深い愛情を感じ取って涙が出そうになった

 

ネオホムンクルスとして生まれて来て

 

今まで誰一人自分をこれほど受け止めてくれた人はいなかった

 

どんなに人間に尽くしても受け入れられず、化け物扱いされ、追い出されて続けて来た

 

それでも未来を信じ、いつか受け入れてくれる人が現れることを

 

そんな居場所を探し続けて、絶望の淵でシーラン師匠と出会えた

 

既にほかのネオホムンクルスたちは泣き崩れていた

 

「なんじゃ、このネオホムンクルスたちは泣き虫の集まりか」

 

「この世界の辛酸を舐めて生き抜いて来たものは、すべからく涙を友とすることが多いのじゃ」

 

陽気の塊のようなシーランからそんな言葉が出るとは思えずナタルは驚いた

 

一滴シーランの頬から涙が零れ落ちるのが見えた

 

シーランは生まれ持った陽気な性質は確かに否めないが

 

彼女なりに辛い道を歩いて来たのだとナタルにも感じられた

 

「そういえば、お前の双子の姉が酷い死に方をしたと言っていたな」

 

「たった二人きりの仲の良い双子の姉じゃ」

 

「シーラン殿をそれほど悲しませるとはさぞかし辛い最期だったのだうな」

 

「私の大切な姉は、私が殺したのじゃ」

 

ナタルは大きく目を見開いてシーランを見た

 

「今でも魔王テチカ殿ともっと早く出会っていたならと悔やまれてならぬ」

 

「すまない、辛いことを思い出させてしまったようだ」

 

「気にするでない、長く生きていれば、多かれ少なかれ人は辛い思いを乗り越えなければならない場面に遭遇するものじゃ、ナタル殿あなたもそうであろう」

 

ナタルの胸は急に熱くなった

 

命を助けた患者たちの死を何度もナタルは乗り越えて来た

 

強大な魔力を持つ魔導師であるナタルでも救えない命もある

 

例え魔導師でも万能ではないのだ

 

435年友と呼べる存在もいないまま、自分が世界を滅ぼす存在になる可能性を抱えて

 

その道を回避できる道を探し続け、見つけられず結局自分を葬り去る存在を求めた

 

そして唯一自分を滅ぼすことのできる存在魔導師リュエラと巡り合った

 

予言は二つ、リュエラを殺して世界を滅ぼすか、

 

リュエラに殺されて世界を守るか

 

彼女が優しい魔導師だと知れば心が痛むが、やがて殺し合わねばならない

 

そんな時、シーランと出会った

 

何故だろう彼女といれば、不可能と思える第三の道が見えて来たように感じる

 

彼女が混沌(カオス)であるからかもしれないが、それは不可能を可能に変える存在でもある

 

長らく世界を滅ぼさない道を模索し続けて、初めてその可能性が見えて来たのは

 

シーランと出会えたからだ、これも巡り合わせだろうか

 

だとすれば、この巡り合わせに感謝せざるを得ない

 

次から次へと感謝の気持ちが溢れて来る

 

「ナタル殿も泣き虫ではないか」

 

「違うぞ、お前が悪いのだ」

 

「思い当たる節があるなら、このラスティに道を与えてやって欲しいのじゃ、こいつもまた辛い思いを乗り越えて来た、私はこ奴らに笑って暮らせる日常を与えてやりたいのじゃ」

 

ラスティたちは、シーラン師匠の深い愛情を感じ取る感受性を獲得していた

 

ナタルはラスティを見つめてから

 

「お前には強大な力が備わっている、力というものは持てば責任が伴なってくるのだ、あらゆるものを傷つけ破壊することもできれば、世の中のために役立つ道もあるだろう」

 

「はい、私もそのことをずっと考えています」

 

「お前の持つ魔力は尋常ではないが故に、いつかお前自身とお前が大切にしているものに災いをもたらす可能性が高い」

 

「私は誰も傷つけたくありません、私は常にみんなを生かす道を探しています」

 

ナタルはとても優しい眼差しになった

 

「ならば、お前にその力の使い道を教えてやろう、私を師と思えるか」

 

「はい、その言葉でたった今、私のもう一人の師匠だと決めました」

 

ラスティはナタルに礼を尽くした

 

「さて話は決まった、では竜族との所へ行くとするか」

 

「まったくあなたという人はどうしてそう頭の切り替えが早いのだ、私の心はそう簡単に切り替えられないぞ」

 

ナタルが感動に浸っている間にシーランはすっかり陽気ないつもの感覚に戻っていた

 

「何を言っておる、空間が歪むあれを心待ちにしておるのじゃ、あと二回は体験できるのじゃろう」

 

子供のようにはしゃいでいるその姿を見て、ラスティたちは笑った

 

「師匠はまるで子供みたいですね、いつものことですが」

 

「何を言っておる、お前もこれを体験すれば楽しくて仕方がなくなるぞ」

 

「やれやれ、すっかり頭が冷えたぞ、ラスティ移動魔術をお前もしっかり見ておけ」

 

「はい」

 

ついに自分にも弟子を持つことになった、ナタルは不思議な気持ちだ

 

基本的に魔導師に弟子など不可能なのだ

 

魔導師は自発的に魔術を身に着けまた作り出す性質を持っているため師匠を必要としない

 

魔導師の作り出す魔術を使いこなせる魔術師は恐らくいないだろう

 

特異体質なら辛うじて体得することはできるが、それでもすべてを使えるわけではない

 

その前に生命エネルギーが燃え尽きてしまうからだ

 

結局、魔導師は弟子を持つことが出来ない、ただ自分が作り出した魔術を書に認めるだけ

 

その魔導書の全てを体得できるものは現れないことも知っていながら

 

それでも魔導師たちは魔導書を書き残していた

 

魔導師たちはどんな思いで、魔導書を書き残したのだろうか

 

恐らくシーランの剣技をすべて会得することのできる弟子は現れないだろう

 

その点では、魔導師とかなり近い存在ということになる

 

自分の全てをかけて作り出した魔術は一代限りで終わってしまうのだ

 

その道を極めた者にとって、それがどんなに残酷なことか想像できるだろうか

 

シーランが何千人弟子を持っても、結局シーランの全てを受け継ぐものは現れない

 

シーランの姉が絶望の淵で、奥義書を書き残したのに似ているのかもしれない

 

それでもシーランは弟子に失望しない

 

何千年も修業し続けた魔王テチカと互角に戦える剣技を持っていても

 

弟子の中でたった一人も未だ奥義にすら辿り着いていないというのに

 

シーランは双子の姉とはすでに違う道を歩き出しているようだ

 

奥義書があれば、いつか才ある者が現れ会得することもあるだろう

 

いつしかシーランは弟子の幸せを思うようになって行く

 

この世界で生き抜いて行けるように鍛えることにしたようだ

 

それでもその大切な弟子をデッドランド国のネオホムンクルスと化学兵器にによって殺された

 

ところが、仇と呼んでも仕方がないそのネオホムンクルスを弟子としている

 

一見無茶苦茶に見える

 

シーランにとって、相手が人間であろうと魔王や、魔物であろうとも

 

いやネオホムンクルスであったとしても、弟子とすることに何の抵抗もないようだ

 

そして、弟子としたものの幸せを願わずにはいられない

 

いつの世でも師匠とは弟子の幸せを願わざるを得ない生き物なのだろうか

 

ナタルもいつかラスティにたいして、そのようになる日が来るのだろうか

 

三人は突然姿を消した

 

その先に待っている竜族たちを通して

 

亜魔王種たちの恐ろしさを身をもって体験することになろうとは

 

今の二人に知る由もない

 

つづく →第九十二話「ラスティ」

 

第一話「二人の英雄」

 

第二話「出会い」

 

第三話「作られたモノ」

 

第四話「静寂の闇の門が開くとき」

 

第五話「理性と感情の間で」

 

第六話「裁判と判決の間」

 

第七話「境界線その1」

 

第八話「珍客とバルード将軍の日常」

 

第九話「ケネス・ブラッドリーの弟子」

 

第十話「これは最早、戦術と呼べない」

 

第十一話「人間たちの希望の砦」

 

第十二話「人間の勇者~謎~」

 

第十三話「人間の勇者~真相~」

 

第十四話「ケネスの考察ともう一人の弟子」

 

第十五話「魔物たちとケネスの古傷」

 

第十六話「魔物たちとの合戦・前日」

 

第十七話「シラスター王とマーリア」

 

第十八話「魔物たちとの合戦その①」

 

第十九話「ある魔物のこころ」

 

第二十話「ケネスとマーリアの時間稼ぎ」

 

第二十一話「闇の真相と森の勇者の生き様」

 

第二十二話「奇跡の王」

 

第二十三話「魔物たちとの合戦その②」

 

第二十四話「魔法使いと魔術師」

 

第二十五話「リュエラの予言」

 

第二十六話「禁忌の申し子」

 

第二十七話「険しき道を行く者たち」

 

第二十八話「南の森のへそ曲がり」

 

第二十九話「人間の勇者の謎」

 

第三十話「氷の魔女」

 

第三十一話「こころ」

 

第三十二話「こころ・その2」

 

第三十三話「岐路・その1」

 

第三十四話「岐路・その2」

 

外伝「デラシーズ国の異端児」「二人の数奇な出逢い」

 

第三十五話「デラシーズ国の奇跡の王・片鱗」

 

第三十六話「ネオホムンクルスの涙」

 

第三十七話「デラシーズ国の奇跡の王・片鱗その2」

 

第三十八話「百尺竿頭(ひゃくせきかんとう)」

 

人間たちの落日 落日の兆し 第三十九話「旅立ち」

 

第四十話「人間への道・はじめの一歩」

 

第四十一話「人間への道・慟哭」

 

第四十二話「サイコパス」

 

第四十三話「バーハス地域領戦線前夜・前編」

 

第四十四話「バーハス地域領戦線前夜・後編」

 

第四十五話「リュエラとラス」

 

第四十六話「ジランの足跡」

 

第四十七話「奇妙な出逢い」

 

第四十八話「思いと罪過」

 

第四十九話「リュエラとラス・結末」

 

第五十話「魔導師の行方」

 

第五十一話「バーハス地域領戦線」

 

第五十二話「バーハス地域領戦線その2」

 

第五十三話「わかれ道」

 

第五十四話「リーザ・師匠との出逢い」

 

第五十五話「リーザ・穏やかな日々」

 

第五十六話「リーザ・本当の強さ」

 

第五十七話「リーザ・師匠の心」

 

第五十八話「宿命の戦い」

 

第五十九話「魔王デスカラード」

 

第六十話「偵察」

 

第六十一話「新種覚醒」
 

第六十二話「握った手を」

 

第六十三話「カムイ将軍の出陣」

 

第六十四話「この壁の向こう側」

 

第六十五話「通わぬ心」

 

第六十六話「魔導師ナタル(毒薬)」

 

第六十七話「共感」

 

第六十八話「夕暮れの紫苑」

 

第六十九話「振り子が止まる瞬間」

 

第七十話「別れ道」

 

第七十一話「二人の魔導師と盟約」

 

第七十二話「異端児と内助の功」

 

第七十三話「人族への道」

 

第七十四話「Rain」

 

第七十五話「淘汰されゆく者たち」

 

第七十六話「剣如聖人」

 

第七十七話「Strangie」

 

第七十八話「混沌(カオス)が生まれる理由」

 

第七十九話「変革の兆し」

 

第八十話「青い炎の意味」

 

第八十一話「魔王世界の異変」

 

第八十二話「道を切り開く者たち」

 

第八十三話「将軍誘拐と革命の兆し」

 

第八十四話「試練の向こう側に」

 

第八十五話「12魔王一堂に会する」

 

第八十六話「魔王会議・竜族の正体」

 

第八十七話「ドルトエルン国・落日の兆し」

 

第八十八話「ドルトエルン国・膿(うみ)」

 

第八十九話「戦慄・ソールトの逆襲」

 

第九十話「芽生えた希望の光という名の国」

 

関連記事 ガッパの消息 12魔王ラフ画

 

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あとがき

 

この先、ラスティという特異な存在もまたキーマンとなって行きます

 

ランドでも、リーザでもなく

 

また今は亡きホルンやカムイとも違う

 

魔法を使えるネオホムンクルス

 

またそれに特化するように進化している

 

ただ私が注目しているのは、彼の心の使い方です

 

彼は人のために生きようとしている、私はあまり好きではないのですが

 

自己犠牲に近い献身的な心で、報われることも無いのに直向きに

 

自分の母体の為に生きようとしたネオホムンクルスは殆どいない

 

母体が果たせなかったことを果たしてあげたり

 

母体の少年が愛した人たちのために尽くしぬいたり

 

結局拒絶されむしろ仇として追われることになっても相手を恨まない

 

目の中にいれても痛くない程大切にしている弟子を殺した憎きネオホムンクルスでも

 

ラスティたちのそのまっすぐな心にシーランの心も揺さぶられ弟子としたのでしょうか

 

ネオホムンクルスはホムンクルスよりかなり劣化していますが

 

新種となった者たちは、かつてのホムンクルスに匹敵する存在へとなりつつあるようです

 

亜魔王種たちにとって、後々利用できる存在になる可能性でもあり

 

危険とは常に背中合わせで物語は進んで行くようです(=◇=;)あせる私の意図とは関係なく汗

 

少なくともホムンクルスもネオホムンクルスを作るに際しても

 

亜魔王種が関与、協力しているとすれば、

 

当然ながら何らかの仕掛けを密かに組み込ませている可能性はあるからです

 

何れそれを発動させる可能性はあるし

 

その仕掛けはナタルですら未だ見抜いてはいない

 

二重三重、幾重にも張り巡らせた緻密な亜魔王種の罠、策略

 

マーリアは子供の頃からこの亜魔王種と戦ってきた

 

彼女と同等の知略を持っていても、シーランはまた亜魔王種のことをあまり知らない

 

危険な香りがします(((゜д゜;)))

 

まる☆

 

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