European Rail Timetable のNewsLetter (ヨーロッパ鉄道時刻表、以下ERTと略)THE FRIDAY FLYER 21.June.2024 の日本語抄訳です。
【イタリア】
フランス国有の鉄道事業者SNCFは、2026年からイタリアでオープンアクセスの高速列車サービスOuigo(ウィゴー)を運行する予定。提案されている路線は、トリノ〜ミラノ〜ローマ〜ナポリ、トリノ〜ミラノ〜ヴェネツィアなど。SNCFは2030年までに市場シェア15%を目指している。
ブログ筆者補足
本件、オンラインの鉄道情報サイト Railwaygazetteでも記事化されていました。
この記事を下に少し深堀りすると、6月12日に発表された計画内容では年間5,600万人が高速鉄道を利用するイタリア市場は大変魅力的であり、ヨーロッパ9カ国にサービスを展開する
SNCF Voyageursは、Ouigoの運行をスペインでは2021年から開始し、現在年間1000万人が利用しているとのこと。イタリア展開にあたってのOuigoブランドが使用されるかなど、詳細は未定のようです。
イタリアでは、イタリア国有のトレニタリアによる高速列車をはじめ、ヌオーヴォ・トラスポルト・ヴィアッジャトーリ(NTV)によるitalo(イタロ)も2012年から運行を開始、徐々に運行区間を広げています。
SNCF Voyageursがイタリアに進出していくこと自体はニュースではあるが、驚きとまではいかず、当然の流れと受け止めました。各国の国鉄(あえてこういいます)が国内利用者数の増加だけでは頭打ちになっている現状では、単に国際列車で相互乗入れを増やすだけでなく、他国内の「国内シェア」を獲りにいくことで生き残りをかけている状況は各国国鉄が共通で考えていることのようです。トレニタリアがフランス国内線であるパリ〜リヨン間を手始めに、パリ〜ミラノ間の高速列車運行を始めたのも同様な理由でしょう(なお、イタリア・フランス国境付近での地すべりの影響でリヨン〜ミラノ間のフレッチャロッサは2024年夏時点では運休)。
イタリアの高速鉄道の歴史について、私のブログでもまとめております。ご興味あれば御覧ください。
本日は以上です。
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参考文献 European Rail Timetable Summer Edition 2024
写真はFrickrのリンクより