2024年3月28日に、European Rail Timetable(ヨーロッパ鉄道時刻表、以下ERTと略)のApril 2024 DIGITAL EDITIONがリリースされました。なお、再掲と明記されているものは、過去のFRIDAY FLYERで取り上げたものとなります(内容は多少詳しくなっているものがあります)。

 

  4月号の主な改訂点

 

【国際列車】

  • EN443/406/407/442 ショパン号(プラハ〜ワルシャワ間)は、従来通年連結してきたクシェット車を春、夏、秋の繁忙期のみ連結に変更される(Table99)。
  • ミュンヘン〜インスブルック〜ヴェローナ間のユーロシティ列車は、2024年4月8日よりオーストリア鉄道のレイルジェット車両に置き換えられる(Table70)。また、同年10月1日からは、Table70の夏期先行版の通り、さらに変更が発生する予定だ。
  • ヨーロピアン・スリーパー 453/452列車(ブリュッセル〜ベルリン間)がプラハへの乗り入れ開始に伴い、4人部屋のクシェット車は5人部屋のエアコン付クシェット車に置き換えられた。

ブログ筆者補足

直近の私のブログでも本件取り上げております。

 

 

【イギリス】 

  • ライドとシャンクリンを結ぶワイト島鉄道の運行ダイヤは、車両不足の影響で、しばらくの間1時間1本の運転頻度のなる。学校の休暇期間中は、需要が高いため臨時便が運行される可能性がある(Table106)。
  • フェスティニオグ鉄道とウェールズ・ハイランド鉄道は、2024年の運行スケジュールを公表した。詳細はTable135を参照のこと。

 

【フランス】

  • 再掲 パリ〜レンヌ間のOuigoClassiqueが2024年4月5日に新設されるため、それをTable295にまとめた。このTableは、2024年12月運行開始予定のパリ発ボルドー行の新設を想定したレイアウトになっている。既出記事はこちら

 

【スペイン】

再掲 マドリッド・チャマルティン駅で行われる改修工事の影響で、2024年4月8日よりTable680、681、682、684、689の一部便の運行ダイヤが以下のように変更される

1)IC4088列車 ポンフェラダ〜マドリッド間はバリャドリード発着に変更される。

2)Avlo5178 マドリッド〜アリカンテ間はバリャドリード発着となる。

3)Alvia4142/4193 サンタンデール〜マドリッド間は、変更後の時刻でバリャドリード発着とする(同時に列車番号が4342/4393に改番)。

4)AVE5101/5210 アリカンテ〜マドリッド間はレオンまで延長運転される。

5)AVE4178/4149 レオン〜マドリッド間は廃止される。

6)Alvia4275/4484 マドリッド〜ビーゴ間とAlvia4095/4064 マドリッド〜フェロル間の列車が1列車に統合される。

7)Alvia4114/4325 マドリッド〜ルーゴ間が廃止される。

既出記事はこちら

 

・スペイン鉄道は、AVE3052列車 バルセロナ発5:40〜マドリッド着8:20で途中停車駅がサラゴサとなる列車を新設した(Table650)。

・ハエン〜コルドバ間の軌道工事に伴い、中距離列車MDの所要時間が従来よりも延びることになった(Table661)。このため、コルドバ経由ハエン〜カディス間の直通列車と、コルドバ〜カディス間の一部のMD列車の時刻にも影響が出ている(Table671)。

・アルメリア駅の改修工事によって列車の発着ができないため、現在、アルメリアに代わって、そこから6キロ離れたウエルカル・ヴィアトル駅発着で運行が継続されている。ウエルカル・ヴィアトル駅〜アルメリア間は代行バスのため所要時間は約20分延びる(Table661、673)。

再掲 週3便のウエルバ発サフラ行中距離列車MD13087列車は、発車時刻が78分繰り上がりめ、所要時間を55分が延びている。反対方向のMD13086列車の所要時間は62分延長された(Table677)。既出記事はこちら

・Ouigo6504列車 マドリッド〜アリカンテ間は、バリャドリード発着と延長される(運転日は追って発表)(Table679a)。

・マドリッド〜ビルバオ/イルン間で運転されるAlvia列車2往復が、マドリード〜ミランダ・デ・エブロ間で併結運転される(Table689)。

・AVE5763/5792列車 ムルシア〜マドリッド間がブルゴス発着に延長された(Table689)。

 

 

【ドイツ】

  • カッセル〜ゲッティンゲン間の高速新線工事が2024年2月29日に終了予定だったため、3月号に掲載した時刻表は3月1日から通常ダイヤに戻る前提で反映した。しかし、その後トンネル内で追加の補修工事が発生したため、迂回運転は2024年5月末まで続くことになった。その延長期間中の変更ダイヤについて詳細を提示できていないので、この区間を経由する場合、現地で最新情報確認されたい(影響を受けるすべてのページに警告を追加した)。
  • ドイツ鉄道では、2024年6月1日から9月1日(同日を含む)の夏季期間中、ドイツ発着となるほとんどの長距離国際列車(ICE、RJX、RJ、EC、IC)について、乗車前の予約が義務化される。ただし、ザルツブルクとクーフシュタイン(オーストリア)への旅と、バーゼルまたはシンゲンを経由するスイス発着便は例外となる。とはいえ、長距離国境列車をドイツ国内のみで利用する場合には対象外となる。なお、この場合でもインターレイルパスやユーレイルパスをお持ちの方は、(国内移動のみでも)追加予約が必要になる場合がある。ただし、国境を越えるローカル列車は予約不要で利用可能だ。
  • 掲載しているドイツの時刻表はおおむね2024年6月8日(場合によっては7月15日)まで有効。6月9日〜7月15日については若干の変更がある可能性があるため、この間の旅行計画を確認することをお勧めする。また、2024年サッカー欧州選手権が6月14日から7月14日まで開催される。大会期間中は通常よりも混雑が予想されるため、臨時列車が運行される予定である。
  • 7月16日から12月14日までの間、フランクフルトとマンハイムを結ぶ重要な路線は、大規模なインフラ改修工事のため、一時的に運休となる。これにより、多くの長距離路線で所要時間が延長され、列車のルートも変更される。これらの変更の詳細については、2024年夏号でお知らせします。7月15日までにご旅行の方は、春号、4月号、5月号の時刻表を利用されたい。

 

【ポーランド】

2024年3月10日より、センジスラフ(Sędzisław)~クラロヴェツ間の2往復がトルトノフまで延長された。4月27日からはさらに2往復が同様に延長される(Table1082)。

 

 

【チェコ】

レギオジェットの1021/1020列車 プラハ〜コシツェ間が延長運転され、ウクライナのチョープ発着となった(Table1195)。

ブログ筆者補足

直近の私のブログでも本件取り上げております。

 

 

【ハンガリー】

再掲 レギオジェット社は、ウィーン〜ブダペスト間に増便した(Table1250)。

既出記事はこちら 

ブログ筆者補足

既出記事では2往復設定であることをレギオジェット公式ページでも確認した旨を明記しましたが、4月号の紙面では1往復の設定にとどまっている模様。差分となっている列車はRJ1065/1066。理由は不明です。下記は4月号のTable1250です。

 

 

【エストニア】

軌道工事に伴い、Table1870と1876に掲載されている便には火曜日、水曜日、木曜日に変更される場合がある。加えて、タリン〜タルトゥ間(Table1870)の全便の時刻が変更され、タパ〜キルツィ間は代行バスに置き換えられる。残念ながら、変更後の時刻を掲載するスペースがないため、最新時刻は現地で確認されたい。

 

 

  2024年夏ダイヤにおける国際列車運行速報

  • (3月号の続報として)アムステルダムからロンドンへの直通列車は一時的に運行を取りやめる件でブリュッセルでの乗り継ぎにあたって必要な時間は通常45分程度で、国境での手続きには十分な時間となる。
  • (3月号の続報として)ブダペスト発クロアチア方面への列車について、1205/1204 列車 アドリア号 ブダペスト〜スプリット間で週3日運行される。
  • 再掲 法人ベルギー国際鉄道は夏の間、パリとブリュッセルを結ぶ機関車牽引のユーロシティ列車の運行を開始する。サン・カンタンとモンス経由で1日2往復の運行が予定されている。既出記事はこちら
 
 

(参考:下記は3月号掲載)

  • 再掲 Table18:2024年6月15日よりアムステルダム中央駅で行われる大規模改修工事の影響で、ユーロスター専用出発エリアが一時閉鎖される。この期間、ロンドン発アムステルダム行は、平日の4便から3便に減便され、ロンドン・セントパンクラス駅発8:16の9114列車が一時的に運休となる。アムステルダム発ロンドン行の時刻は、国境手続きが行われるブリュッセルでの最適な接続時間を提供するため、現在も最終調整中である。既出記事はこちら
  • Table89:247/246列車 Citadella(チッタデッラ)号 ブダペスト〜リュブリャナ間は、2024年6月16日から8月24日の間、スロベニアの都市、コペルへの直通列車併結を再開する。そのほか夏期に運転されるブダペスト発コペル、スプリット、リエカへの他の直通列車の情報は、まだ確認中だ。

 

今回は以上です。

 

ERTのTable 番号と突合する形で景勝ルートを紹介している鉄道旅行者向けガイドブックです。全文英語ではありますが、表現は平易なので安心して使えます。かつての地球の歩き方のヨーロッパ鉄道の旅シリーズが乗り方中心の構成でしたが、こちらは沿線紹介が中心の構成なので、現地の観光ガイドとしても有効です。

 

★ERT4月号(デジタル版)が発行されました。★

 

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参考文献 European Rail Timetable April 2024(Digital Edition)