Thomascook European Timetable 1995年夏号(日本語解説版)号(原本は1995年7月号)の NewsLines のまとめです。

ブログ筆者の研究用のデータベースの公開という位置づけです。ご興味あればご参照ください。

 

※日本語版からの転記なので、原文ママとなりますが、地名、列車名、都市名については、私のブログで平時使用している表現に修正している箇所があります。あらかじめご承知おきください。

 


 

1995年5月28日、ヨーロッパ全土で夏ダイヤが開始された。ほとんどの国の鉄道は、本書のためにまえもって情報を提供してくれたが、国によっては情報が不完全あるいは不確定なこともある。たとえばスペインについては、国際列車、セビーリャ行きのAVE、ほとんどのタルゴ列車のダイヤは得られたが、このほかは校了時に情報を得ることができなかった。ポルトガルの主要ダイヤも改正されたが、ローカル線については、英語版7月号を参照いただきたい。国際列車のダイヤのみが改正されたのは、ポーランド、ロシア、ウクライナ、ベラルーシモルドバの5カ国である。スウェーデンは、従来通りヨーロッパの他諸国より遅く夏ダイヤを開始する。今年は6月12日が開始日となる。

 

ほとんどの国は広範囲にわたるダイヤ改正を行っているので、冬ダイヤの時刻表で旅程をたてられた方は、本号で再確認することをおすすめする。本書の時刻表の多くは改正予定時刻表によって編集されたもので、印刷前に各国の鉄道によってあらたに改正がなされることもある。最新の時刻表を必要とされる方は、英語版をご購入ください。

 

新しい時刻表のトピックスとして挙げられるのは、DACH Hotelzug A.G.運営による、新しいホテル列車の車両を使った優等夜行列車の登場だろう。列車は寝台Sleeperetteと呼ばれるリクライニングシートの車両からなり、通称はシティーナイトライン(CNL)となる。当初はケルン〜ウィーン間を結ぶドナウ・クーリエ(ドナウの宅配便)号とチューリッヒ〜ウィーン間のウィンナー・ワルツァー号が運行され、第3号として1995年9月24日よりハンブルク〜チューリッヒ間でコメート号が運転される。

 

 

  国際列車のダイヤ改正について

 

Table 10/12

ロンドン〜パリ、ロンドン〜ブリュッセル間を結ぶユーロスターは1995年5月28日より増便され、パリ便は7月2日よりさらに増便される。平日はマンチェスターよりバーミンガム経由ロンドン・ウォータールー駅行きの連絡列車が運転し、また7月3日よりニューキャッスルとヨーク経由でエディンバラ〜ロンドン・ウォータールー駅間を結ぶ連絡列車も加わる。詳細はTable10の下に示されている。プローニュ・マリタイム駅は1月に閉鎖されていたが、再開され、フォークストンから出航するシーキャットに連絡する列車が毎日1便運行する。

 

Table 11.

リール・ヨーロッパ駅に停車するユーロスターの数が増え、この新しい時刻表は、ロンドンを発車しパリでの乗り換えを避けシャルル・ド・ゴール空港経由リール・ヨーロッパ駅発のTGVを利用して南フランスに向かう便を示している。

 

Table 18

パリ〜ブリュッセル間を結ぶTGVが4便運行し、うち3便はパリ〜リール間の高速専用路線を走る。 

 

Table 22

アムステルダム〜ベルリン間を結ぶ列車は30〜50分スピードアップされているが、電化工事が終了すればさらに改善されることだろう。アムステルダム発ハノーファー行きの早朝列車はベルリンまで運転区間が延長されるが、ベルリン・ツォー駅の収容能力に限界があるため、この列車と遅い便はベルリン・シャルロッテンブルク駅止まりとなる。

 

Table 33/34

オーステンデ〜ミュンヘン/ウィーン間を結ぶ夜行列車は9月3日までオーステンデまで運転するが、9月4日以降はプリュッセル発着となる。

 

Table 40

ブリークとクールに向かう498/499列車はオーステンデではなくブリュッセル南駅より発車する。

 

Table 76

ブレンナー・ルートのダイヤが再編され、ミュンヘン~ベネチア間を結ぶユーロシティー ティエポロ号が新しく運転される。これはミラノ行きとなったEC12/13(※補足:レオナルド・ダ・ヴィンチ号)に代わるものとなる。ミュンヘン~アンコーナ間を結ぶ昼行の488/489列車は廃止された。

 

以上