「日本のイベントと臨時列車(80、90年代)」をひたすら取り上げてみようという長期企画です。手元の時刻表はもとより、当時の鉄道ダイヤ情報やインターネット上の情報を参照しつつまとめてみました。

 

第10回目は、長崎県佐世保市のハウステンボス(以下、HTB)で毎年開催されている、年末年始のカウントダウン(パーティー)に関する臨時列車の運転履歴を追っていきます。HTBの開業は1992年のため、この企画が追う20年の半分に満たない期間を取り上げるのですが、年を追うごとに設定列車の種別、本数が増えていくのを見るのは、臨時列車ウォッチャーとしては大変楽しいものです!

 

 

  お祭り、催事の概要

ハウステンボス カウントダウン

会 期

毎年12月31日〜1月1日 ※年越し

会 場 長崎県佐世保市 ハウステンボス
お祭り、催事の概要

文字通り新しい年を来場者みんなで楽しもう!というイベント。はじまりなど詳細な歴史は分かりません。近年では全国最大規模のカウンダウンパーティーという呼び声も高く。九州一円から集客する一大イベントです。

 
 

2014年の大晦日にハウステンボスに行った時にブログ筆者が撮影した園内写真。イルミネーションが大変美しい。確かこの後花火も打ち上げされていた(かすかな)記憶が。。。

 

 

  臨時列車の運行概要

 

ハウステンボス カウントダウン関連の臨時列車(1980〜99年)

 

年末年始のHTBには日中にも特急列車の増発が見られますが、ここでは深夜帯にHTB発着する列車に限って取り上げることにしました。ざっと手元の時刻表で過去に遡りましたが、1992、93年の年末は設定自体が確認できませでした。その理由が、カウントダウンイベントが存在していないと理解してよいかは資料が乏しく断定できません。

 

【凡例、備考】

「  」は前後年との違いがある箇所

1980  *未開業
1981  *未開業
1982

 *未開業

1983  *未開業
1984  *未開業
1985  *未開業
1986  *未開業
1987

 *未開業

1988  *未開業
1989

 *未開業

1990

 *未開業

1991

 *未開業

1992

 *未開業(この年の3月25日開業)

1993  臨時列車の設定はなし *カウントダウンイベントがあったか定かではない
1994

 臨時列車の設定はなし *カウントダウンイベントがあったか定かではない

1995

 【HTB発(かえり)】 1995年1月1日運転、記載時刻はすべて発車時間

 特急 ハウステンボス号 84号 1:30発 博多行 ※グリーン車連結

 

 快速 長崎行1本(1:30) 途中停車駅:川棚、彼杵、大村、諫早、浦上 

 

1996

 【HTB発(かえり)】 1996年1月1日運転、記載時刻はすべて発車時間

 特急 ハウステンボス号 すべて博多行

    80号(1:12)、84号(1:30)、86号(2:06)、88号(2:20) なお、88号はモノクラス編成、それ以外はグリーン車連結

 

 普通 長崎行3本(1:05、1:30、2:30)

    佐世保行3本(0:50、1:52、2:45)   

 

1997

 【HTB着(ゆき)】 1996年12月31日運転

 普通 早岐→ハウステンボス 1本

 

 【HTB発(かえり)】 1997年1月1日運転、記載時刻はすべて発車時間

 特急 ハウステンボス号 すべて博多行

    80号(1:12)、84号(1:30)、86号(2:00)、88号(2:20) なお、80号、84号はグリーン車連結、それ以外はモノクラス編成

 

 普通 長崎行3本(1:05、1:40、2:25)

    佐世保行3本(0:50、1:52、2:45)   

 

1998

 【HTB着(ゆき)】 1997年12月31日運転

 普通 早岐→ハウステンボス 1本

 

 【HTB発(かえり)】 1998年1月1日運転、記載時刻はすべて発車時間

 特急 ハウステンボス号 すべて博多行

    80号(1:12)、84号(1:30)、86号(2:00)、88号(2:20)、90号(3:00) なお、80号、84号はグリーン車連結、それ以外はモノクラス編成

 

 普通 長崎行3本(1:05、1:40、2:25)

    佐世保行3本(0:50、1:52、2:45)   

 

1999

 【HTB着(ゆき)】 1998年12月31日運転

 普通 早岐→ハウステンボス 1本

 

 【HTB発(かえり)】 1999年1月1日運転、記載時刻はすべて発車時間

 特急 ハウステンボス号 すべて博多行

    80号(1:12)、84号(1:30)、86号(2:00)、88号(2:20)、90号(2:38) なお、80号、84号はグリーン車連結、それ以外はモノクラス編成

 

 普通 長崎行3本(1:05、1:40、2:25)

    佐世保行3本(0:50、1:52、2:45)   

 

※1979年以前、および2000年以降の調査は行っておりません。
 
対象年からわずかにずれますが、2001年以降3シーズン(’00〜’01,’01〜02,’02〜’03)運転された、HTBカウントダウン臨である、特急 カウントダウンシーボルト号についても過去の私のブログでまとめていますので、よろしかったらご覧ください。

 

  使用された車両について(推察含む)

 

 まず、特急ハウステンボス号の編成ついて。1995年〜99年については、もっぱら南福岡電車区の485系が使用されていたようです。ハウステンボス号の編成の推移ですが、1992年3両編成(モノクラス)でスタート、1994年4両編成と1両増車され、引き続きモノクラス編成です。なお、485系から783系に入れ替えされたのは2000年春のダイヤ改正でした。

 

 その上で年表を見ると、モノクラス編成のほか、グリーン車連結の編成も運用に入っているので、ハウステンボス号編成だけでなく、みどり号編成(4両)も運用にはいっていたと推察します。

 

 

  当時の時刻表紙面での臨時列車

 

 ハウステンボス号がはじめて設定された1995年1月1日運転の84号が掲載された紙面です。ハウステンボスを1:30発で博多着3:14という異例の深夜運転なわけですが、停車駅が昼行のハウステンボス号・みどり号と同じであり、一見すると「途中乗り降りはないのでは??」と邪推してしまったのですが、それ以降も停車駅パターンが変わっていないことから、需要があったという証左でしょうか。ちなみに当時の長崎本線かもめ号は485系、783系、787系の3形式が走っていた貴重な時代です。

JTB時刻表 1994年12月号より

 

本日は以上です。

 

まとめページはこちらから

 

参考資料 1980年〜1999年の交通公社時刻表、JTB時刻表、JR時刻表、列車名編成大事典(ネコパブリッシング)

参考ページ:ハウステンボス(Wikipedia)