始発・終着が同じとなる「循環・環状で運転された臨時列車」を取り上げる企画。
環状、循環の厳密な定義は設けていませんが、同一駅に戻ってくるという点を軸に全国津々浦々で活躍した列車を、手元の時刻表から追ってみたいと思います。
20回目は、JR東日本の新潟・会津エリアで運転された、磐西・只見ぐるり一周号を取り上げます。
この列車は2003〜2010年の8シーズン、いづれも秋の紅葉シーズンに運転されていました。運用車両は全シーズン、意図的に国鉄型気動車を充当させていたところ、鉄道ファン受けにも相当配慮した列車だったのだと推察します。
以前このシリーズ12回目で取り上げた「春らんまん号、秋いろどり号」と運転区間は同一、かつ列車番号、時刻も類似している点は、新潟支社が循環臨時列車の好パターンとして選択していた証左ですね。
循環臨時列車の運行概要
快速 磐西・只見ぐるり一周号
起終点駅と経由線 | 新潟(一部新津) 信越本線(新潟発のみ)→磐越西線→只見線→上越線→信越本線 ※列車番号が行程内で2回変更される |
備 考 |
2004年10月23日、新潟県中越地震の影響は調査できず |
以下、年度ごとの運転区間、編成など
(オレンジ塗り)は、同一列車が2度目の停車となる駅
(ライトグリーン)は、前後年との相違箇所
2001 |
9224D 新潟発8:45 → 会津若松着11:34
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2002 |
列車名がお座敷磐西・只見ぐるり一周号 9224D 新潟発8:31 → 会津若松着11:36 途中停車駅:亀田、新津、五泉、津川、喜多方
9425D 会津若松発12:03 → 小出着15:33
9743D 小出発15:58 → 新潟着17:45
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2003 |
9224D 新潟発8:33 → 会津若松着11:51
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2004 | 9224D 新潟発8:26 → 会津若松着11:51 途中停車駅:亀田、新津、五泉、津川、喜多方、塩川 9427D 会津若松発12:02 → 小出着15:53 途中停車駅:西若松、会津坂下、会津宮下、会津川口、只見、大白川 9743D 小出発16:34 → 新潟着18:13 途中停車駅:長岡、東三条、新津、亀田
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2005 |
手元に時刻表がないため詳細不明
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2006 |
手元に時刻表がないため詳細不明
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2007 |
9222D 新潟発7:44 → 会津若松着10:30
途中停車駅:亀田、新津、五泉、五十島、津川、喜多方、塩川
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2008 |
9222D 新潟発7:44 → 会津若松着10:30
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2009 |
新潟発7:44 → 新潟着17:11 JR東日本プレスリリースを参照、手元に時刻表がないため詳細不明
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2010 |
9222D 新津発8:05 → 会津若松着10:30 途中停車駅:五泉、五十島、津川、喜多方、塩川
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使用される編成が魅力的な国鉄型DCである「磐西・只見ぐるり一周号」。2009年運転の動画があがっていましたのでシェアさせていただきます。
運行ルートを図示すると
以前紹介した、春らんまん号、秋いろどり号と同じ経路で運転されています。
当時の時刻表紙面での臨時列車
2004年10月号の北陸本線・信越本線下り誌面より。この年の10月23日17時56分に新潟県中越地震が発生しました。磐西・只見ぐるり一周号は運転初日だったのですが、
発生当時新津を出発直後で、新潟駅まであと一歩というところでした。当時運転抑止がどのような形で発生したのかは定かではありませんが、Wikipediaでは、地震当日、信越本線の運転見合わせは柏崎〜東三条間だったようで、終点まで運転され、翌日以降は運休となったのだと推察します。
JTB時刻表 2004年10月号より
本日は以上です。
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参考資料 JTB時刻表、JR時刻表
参考サイト 急行ハニー様サイト、Dear my hobby life!様サイト、新潟の鉄道新館様、鉄道コム、鉄道ファン公式サイト、JR東日本公式サイト