始発・終着が同じとなる「循環・環状で運転された臨時列車」を取り上げる企画。
環状、循環の厳密な定義は設けていませんが、同一駅に戻ってくるという点を軸に全国津々浦々で活躍した列車を、手元の時刻表から追ってみたいと思います。
15回目は、JR北海道で運行された臨時列車「くるくる駒ケ岳 遊・遊トレイン号」を取り上げます。
インターネットで情報を掘っていたらオレンジカードの写真が。出どころを確認したら「過去の私が書いた「別のブログ」がヒット!書架を当たると下記の現物が出てきました。みなさんのイメージを喚起するお手伝いになれば。
循環臨時列車の運行概要
くるくる駒ケ岳 遊・遊トレイン号
国鉄民営化直前から運転されている列車だったようですが、とても乗客からは好評だったようですね。これ以降の誕生する、JR北海道のジョイフルトレイン、リゾート列車の胎動を感じさせる列車です。
起終点駅と経由線 | 函館 函館本線(藤城支線、砂原支線) ※詳細は下記別欄の「運行ルート」を参照してください |
|
|
1986年 運転日詳細不明 1987年 7月25日〜8月30日の毎日(8月15日は運休) 1988年 7月20日〜9月18日の毎日 |
|
使用車両・編成 |
1986年 ※情報がないが、1987年と同じと推察
1987年 スハ3両+ヨ1両+トラ1両 5連 ※鉄道ダイヤ情報記載から
1988年 DE15+スハフ42 3両+トラ71422※1+スハフ42 1両+ヨ4350(車掌車) 機関車除く6連 ※1 無蓋車(トロッコ車両への改造)
※1987年、1988年で編成両数が1両異なるのですが、増結対応されたなどの情報は未確認です。 |
|
列車番号など |
1986年 情報なし
1987年 ※鉄道ダイヤ情報より 9141レ 函館発9:40 → 大沼公園着10:53 9143レ 大沼公園発14:17 → 森着14:50 9146レ 森発14:59 → 大沼着15:54 9947レ 大沼発15:58 → 大沼公園着16:02 9148レ 大沼公園発16:06 →函館着17:12 途中停車駅:詳細不明(時刻表がないため)
1988年 は、同一列車が2度目の停車となる駅 9627レ 大沼公園発14:04 → 森着14:55 9624レ 森発15:13 → 大沼着? 9929レ 大沼発16:26 → 大沼公園着? 9626レ 大沼公園発16:35 →函館着17:22 途中停車駅:五稜郭、桔梗、大中山、七飯、大沼、大沼公園、駒ケ岳、森、銚子口、大沼、大沼公園、大沼(3度目)、七飯、大中山、桔梗、五稜郭 |
|
備 考 |
(以下は1988年時刻表掲載情報より)
|
貴重な写真を上げておられる方がいましたので紹介いたします。森駅での撮影とのことです。
~懐かしい写真~
— 上野東京ライン 高槻行き (@tamachan16sai) February 25, 2020
・くるくる駒ヶ岳 遊・遊トレイン
森にて
昔々、道南で臨時列車が走りましたね。 pic.twitter.com/thDSwOGjwO
またこの列車の経緯については、この列車のNゲージ販売サイトできっちりまとまっていました。
http://www.microace-arii.co.jp/release/pdf/A1473.pdf
1989年は運転されていませんが、どうやら釧網本線の「ノロッコ号」に転用されるために栄転が要因だったようです(国鉄時代 vol.68 道南異色の客車列車を参照)。
運行ルートを図示すると
以前このブログで紹介した、サイクル駒ケ岳号と同じコースです。
索引地図から。地図下側に函館があります。そこから森にむかって函館本線を北上するのですが、途中駅七飯(ななえ)から藤城支線と呼ばれる線に入り(東側)大沼公園に到着。その後森から内浦湾沿いの「砂原支線」を経由して銚子口までほぼ無停車で運行されたあと、銚子口→大沼→大沼公園とやや変則的なコースを取り、その後大沼公園から仁山経由で函館に向かうという「変則的な8の字ルート」で運行されています。
当時の時刻表紙面での臨時列車
函館発着のダイヤですが、大沼公園駅で2時間強の停車時間が設定されています。この列車は専用きっぷを使うことで途中駅乗り降り自由でしたので、いろいろな楽しみ方ができる列車だったようです。各種資料をあたっていますが、とても好評な企画だったようで、私のブログで先に紹介してしまったサイクル駒ケ岳号が登場したのも不思議ではなかったのですね。
JR時刻表 1988年8月号より
本日は以上です。
まとめページはこちらから
参考資料 JR時刻表、国鉄時代 vol.68 道南異色の客車列車を参照
参考サイト マイクロエース公式サイト(PDF資料)