始発・終着が同じとなる「循環・環状で運転された臨時列車」を取り上げる企画。

環状、循環の厳密な定義は設けていませんが、同一駅に戻ってくるという点を軸に全国津々浦々で活躍した列車を、手元の時刻表から追ってみたいと思います。

 

11回目は、JR北海道が道南エリアで運行した臨時列車「サイクル駒ケ岳号」です。列車名から、サイクリングを楽しむ方向けの行楽列車だと直感的にわかりますが、ルート的に列車と自転車がどのようにリンクするんだろう、という興味がわきましたので、そのあたりもまとめます。

 

 

  循環臨時列車の運行概要 

 

快速 サイクル駒ケ岳号

起終点駅と経由線 函館 函館本線(藤城支線、砂原支線)
※詳細は下記別欄の「運行ルート」を参照してください
運転日
(始発駅基準)
 1997年7月19日 〜 9月15日の土・休日
 ※ブログ執筆時点ではこの日程のみ。他年度で発生しているか調査中。
使用車両・編成

キハ40・27 4連 ※ネット上にアップされている写真から

写真から判断する限りですが、普通列車のキハ40のほか、快速ミッドナイト号に使用されているキハ27も連結された4連での運行だったようですね。

列車番号など 9141D 函館発9:24→大沼公園着10:03 ※各駅停車
9143D 大沼公園発12:44→森着13:20 途中無停車
9142D 森発13:50→大沼着14:36 途中停車駅 銚子口
9145D 大沼発14:36→大沼公園着14:38
9146D 大沼公園発14:54→函館着15:40 
途中停車駅 大沼、七飯、大中山、桔梗、五稜郭
備 考
  • 全車自由席、乗車券のほか自転車積み込み料金270円
  • 自転車の積み込み可。往路は函館→大沼公園、復路は銚子口・大沼公園→函館、最大22台積み込み)

 

 

  運行ルートを図示すると

 

索引地図から。地図下側に函館があります。そこから森にむかって函館本線を北上するのですが、途中駅七飯(ななえ)から藤城支線と呼ばれる線に入り(東側)大沼公園に到着。その後森から内浦湾沿いの「砂原支線」を経由して銚子口までほぼ無停車で運行されたあと、銚子口→大沼→大沼公園とやや変則的なコースを取り、その後大沼公園から仁山経由で函館に向かうという「変則的な8の字ルート」で運行されています。

JTB時刻表 1997年8月号より
 
 

  当時の時刻表紙面での臨時列車

 

 前項の索引地図と照らし合わせて見ていただかないと、どこを走っているのかわからなくなるルートです。

 

 この列車はあくまで大沼公園を中心とした周辺をサイクリングするためのサポート列車であるので、大沼公園→森→銚子口の快速運転は仕方ないのです。むしろサイクリングで疲れた乗客を【復路】でしっかりと拾うことができるダイヤである点が興味深いですね。

 

 ちなみに大沼公園にある大沼は一周15キロ程度とのこと。今で言うポタリングでなら充分楽しめるコースですね。

JTB時刻表 1997年8月号より

 

本日は以上です。

 

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参考資料 JTB時刻表 1997年8月号