Trans Europ Express(TEE)を、当時のトーマス・クック鉄道時刻表の紙面から振り返る企画です。
57回目は、イタリア国内TEEのコロッセウム(Colosseum)号です。
実は、この列車の誕生には切ってもきれない列車として、TEEセッテベロ号が挙げられますが、これは次の58回目に取り上げます。
各種資料をあたっても、TEEセッテベロ号とセットで語られることが多く、やや地味な存在にも映るのですが、TEE列車としては、他のミラン〜ローマ間を走るヴェスヴィオ号、アンブロシアーノ号同様に堂々11連の長編成で運行されています。
なお、ユーロシティとしても活躍していますが、その記事は下記からご覧になれます。
列車名の由来は?
イタリアのローマにある「コロッセオ」として有名なフラウィウス円形競技場(the Amphitheatrum Flavium)にちなんでつけられています。
運行されていた国 イタリア
運転時期と区間
セッテベロ号の後継列車として誕生
1984年6月3日 〜 1987年5月30日
ミラノ − ローマ
2等車連結のインターシティーに格下げ
使用された車両、編成
客車列車
イタリア国鉄の国内線向けグランコンフォルト車両が運用に入っていました。
編成内容は、ミラノからWR+Ap+3A+Ds(座席食事サービス供給用)+4A+Ap という11連でした。
※Dsは荷物・電源車、Aは1等コンパートメント車、Apは1等オープン座席車、WRは食堂車。数字は両数
これまで紹介したTEEヴェスヴィオ号、アンブロシアーノ号は食堂車を2両連結していたのですが、運行時間の影響したのか、食堂車は1両のみ(これが普通なのですがw)。加えて、機内食タイプの食事を提供するための荷物車を編成中央に併結していたのは特筆点です。
牽引機
写真はE444形直流電気機関車。「かめ」の愛称が付けられていました。
※写真はアンブロシアーノ号ですが、機関車、客車形式は同じです
実際の時刻表紙面
参考資料:
・Cook Continental Timetable、Thomascook International Timetable
・Das Grosse TEE-Buch 40 Jahre Trans-Europ-Express /Jörg Hajt/HEEL 1997年
・Die Geschhichte Des Trans Europe Express /Maurice Mertens、Jean-Pierre Malaspina 2009
参考サイト:TEE、Colosseum (train)(ともにWikipedia)
ページ内写真:Flickr の各リンク