シュプール号名鑑と銘打って、意外にも情報の少ないシュプール号各列車のダイヤや使用車両を可能な限り追ってみたいと思います。

 

第5回目はシュプール盛岡号を取り上げます。この列車がターゲットにしていたスキー場(エリア)は、シュプール号到着後に盛岡駅から運転された連絡バス(シュプールバス)の行き先から、安比(あっぴ)高原、雫石各スキー場だったようです。

 

 

シュプール盛岡号

 

  運転された年(シーズン) 

シュプール盛岡号 1990年〜1992年(3シーズン)

 

  年ごとの運転概要 

1990  上野〜盛岡間 1往復
  • 【ゆき】は座席(G、普通席)に加え、寝台販売あり、【かえり】は座席販売のみ
  • 弁当販売による停車 【かえり】の仙台、福島で行われる
1991  【ゆき】横浜→盛岡 1本、【かえり】盛岡→上野 1本
  • 【ゆき】、【かえり】とも夜行運転化で、往復で寝台販売される
  • 弁当販売による停車 かえりの夜行運転化で、弁当販売が取りやめ
1992  【ゆき】横浜→盛岡 1本、【かえり】盛岡→上野 1本
  • 【かえり】が、再び昼行運転化(ゆきは変わらず寝台販売あり)
  • 弁当販売による停車 【かえり】の仙台のみで行われ復活する。

 

 

  使用車輌

  • 青森運転所の583系9連

シュプール蔵王号と同じく、青森運転所々属の583系が使用されています。ちなみに1993年からシュプール上越号で583系9連の運用が復活したのは、まさにこの盛岡号の運転終了と符号しますが、手元資料がなく、明快な理由はわかりません。

 

 

  運転ダイヤ(各年時刻表より)

 

【ゆき】

初年度である1990年のみ上野発となっていますが、’91、’92は横浜発に「延長運転」されています。各シーズンごと2本のダイヤが存在しているのは3月に実施されたダイヤ改正前後の時刻調整の結果です(帰りも同様)。


 

 

【かえり】

終着駅は3シーズンとも上野で変更なし。1991年のみ夜行運転となっているのが特筆点です。

【凡例】「弁」は弁当販売のため停車、寝台(B3段式)は、寝台販売されていた列車を指す

 

【回送を含む運転時刻表】

当時の鉄道ダイヤ情報に掲載されていた運転表を簡略する形でまとめました。

1990年シーズン 

ゆき 【回送】東大宮操車場→上野
上野→(S盛岡号)→盛岡
【回送】盛岡→青森
(運転所)
かえり 【回送】青森(運転所)→盛岡
盛岡→(S盛岡号)→上野
【回送】上野→東大宮操車場

 

1991年シーズン 

ゆき 【回送】青森(運転所)→上野→東大宮操(泊)→品川→鎌倉(時間調整)→逗子(折返し)→横浜
横浜→(S盛岡号)→盛岡
【回送】盛岡→青森(運転所)
かえり 【回送】青森→盛岡
盛岡→(S盛岡号)→上野
【回送】上野→東大宮操→大宮→青森(運転所)

 

1992年シーズン 

ゆき 【回送】東大宮操(泊)→品川→鎌倉(時間調整)→逗子(折返し)→横浜
横浜→(S盛岡号)→盛岡
【回送】盛岡→青森(運転所)
かえり 【回送】青森→盛岡
横浜→(S盛岡号)→盛岡
【回送】上野→東大宮操

 

 

過去のシュプール号はじめ、日本のスキー列車の歴史をまとめた一連のブログはこちらからご覧になれます。あわせてよろしくお願いいたします。

 

参考資料 1986年〜2000年のJR時刻表、交通公社時刻表、JTB時刻表、鉄道ダイヤ情報(シュプール号運転情報)