2020年暮れから個人的キャンペーンとして、私の時刻表コレクションを元にスキー列車の歴史を、実物の時刻表とあわせて、紐解いています。

 

なお、過去分のまとめページがありますので、過年度比較にお使いください。

 

現在【5】全国各地のスキー列車についてまとめております。

今回は、その第3章として、宮城県鳴子温泉を通る陸羽東線、秋田田沢湖線で運行されてスキー列車を取り上げます。

 

なお、私のコレクションで追えるもので構成していますので、一部抜け漏れございましたら、ぜひご指摘ください。

 


■田沢湖沿線のスキー場は?

田沢湖にスキー場のイメージがなかったのですが、秋田県仙北市に有名なスキー場があるようです。1969年に秋田県が開設したスキー場があり、現在も開設中。過去には国体や全日本のスキー大会も開催されていました。
 

■田沢銀嶺号

【運転期間】運転開始〜終了の具体的な時期は調査中
【列車種別】普通
【運転区間】秋田〜(大曲)〜田沢湖(1往復) 田沢湖発のみ、大曲から上野発の急行おが1号に併結 ※1972年1月号の時刻表情報
【使用列車、編成】ディーゼル列車
 
 
前述の通り、秋田行のみ大曲駅で、上野始発の急行おが1号に併結されて、秋田を目指すという運用がなされていました。
いうてもこの田沢銀嶺号は普通列車扱いなわけですが、普通列車+急行列車という異色な組み合わせがあったのですね。
2点とも、交通公社の時刻表 1972年 1月号より
 
 

■たざわスキー号

【運転期間】1976年、1977年の2シーズンのみ
【列車種別】快速
【運転区間】秋田〜(大曲)〜田沢湖(1往復) ※1976年1月号の時刻表情報
【使用列車、編成】ディーゼル列車
 
秋田発については、大曲から田沢湖間では定期列車826Dとの併結となって、実質普通列車として運転されています。
田沢湖発は、単独運転として秋田まで運行されています。
 
2点とも、交通公社の時刻表 1976年1月号より
 

■鳴子温泉付近(陸羽東線沿線)のスキー場は?

下記は宮城県・山形県境の時刻表索引用地図から。スキー場名は記載されていませんが、駅名でいうと、鳴子(現:鳴子温泉)周辺には上野々スキー場、鳴子スキー場(現在は廃止)、赤倉スキー場、少し離れてオニコウベスキー場(鬼首温泉のところ)など現在も存在しています。
 
 

■なるごスキー(鳴子スキー、陸東銀嶺)号

【運転期間】運転開始〜終了の具体的な時期は調査中
【列車種別】普通
【運転区間】
  • 女川〜(石巻線)〜小牛田〜(陸羽東線)〜鳴子(現:鳴子温泉)(1往復) ※1971年2月号の時刻表情報
  • 女川〜(石巻線)〜小牛田〜(陸羽東線)〜羽前赤倉(現:赤倉温泉)(1往復) ※1972年1月号の時刻表情報
  • 女川〜(石巻線)〜小牛田〜(陸羽東線)〜瀬見(現:瀬見温泉)(1往復) ※1973年1月号の時刻表情報
【使用列車、編成】ディーゼル列車
 
この列車の運転区間がなかなかユニークで、一般的なスキー列車って、大都市からの運行が多い中、この「なるごスキー」は石巻線の女川駅始発というローカル線からローカル線をつなぐスキー列車。詳しい事情は追えていません。
 
なお、列車名ですが、1971年には「なるごスキー」でしたが、1972年には「鳴子スキー」、1973年には「陸東銀嶺(りくとうぎんれい)」と、ほぼ同じスジで運行され、名称のみ変更されています。
交通公社の時刻表 1971年 2月号より
 
今回は以上となります。

 

参考資料:交通公社の時刻表 1971年2月号、1972年1月号、1976年1月号、12月号

参考サイト:たざわ湖スキー場(Wikipedia)