2020年暮れから個人的キャンペーンとして、私の時刻表コレクションを元にスキー列車の歴史を、実物の時刻表とあわせて、紐解いています。

 

なお、過去分のまとめページがありますので、過年度比較にお使いください。

 

現在【5】全国各地のスキー列車についてまとめております。

今回は、その第2章として、宮城県〜山形県を結ぶ仙山線のスキー列車を取り上げます。

 

なお、私のコレクションで追えるもので構成していますので、一部抜け漏れございましたら、ぜひご指摘ください。

 


■仙山線沿線のスキー場最寄り駅とは?

面白山高原駅はご存知でしょうか?
JR時刻表 1987年12月号より
 
1937年(昭和12年)に面白山仮乗降場として開業。その後民営化の1987年4月1日で面白山駅(臨時)となり、現在の常設駅となり、同時に名称が、現在の面白山高原駅に変更されたのは1988年3月13日でした。
 
面白山高原自体は山形市にある高原。ここにあったスノーパーク面白山というスキー場がこのスキー列車と密接に関係するのですが、2009年シーズンに営業休止しています。
 
そして、このスキー場ですが、スキー場周辺の道路が冬期閉鎖となるため、電車でしか到達できないスキー場だったとのこと。初めて知りましたw
 
そんな面白山高原駅へのアクセスで設定されたスキー列車の数々を調べてみました。
 

■仙山銀嶺号

【運転期間】運転開始〜終了の具体的な時期は調査中
【列車種別】普通
【運転区間】仙台〜山寺(2往復)、奥新川→仙台(0.5往復) ※1966年2月号の時刻表情報
【使用列車、編成】客車とディーゼル列車、詳細不明
この仙山銀嶺号はスキー列車ではありますが、特に目的地直行という運行形態では有りません。
仙台〜面白山仮乗降駅経由〜山寺駅という設定に加えて、帰りのみ、奥新川駅発仙台行という列車もあったんですね。八ツ森仮乗降場にもスキー場があったんでしょうか。
交通公社の時刻表 1966年 2月号より
 
 

■仙山スキー号

【運転期間】開始時期調査中〜1974年3月
【列車種別】普通
【運転区間】仙台〜山寺(2往復) ※1971年 2月号時刻表情報
【使用列車、編成】客車とディーゼル列車、詳細不明
運転区間は従来踏襲(仙台〜山寺間)ながら、列車種別は普通ながら、途中駅は通過していた列車もありました。
車両も、ディーゼル列車と客車のほか、1968年の全線交流電化後は電車も存在していました。
当時は優等列車として、急行仙山号、急行あさひ号、月山号も運行されていましたが、面白山にはどの列車も停車していませんでした。
交通公社の時刻表 1971年 2月号より
 
 

■面白山スキー号・シーハイル面白山号

【運転期間】面白山スキー号:1975年1月〜1991年3月、シーハイル面白山号は1987年のみ
【列車種別】普通
【運転区間】面白山スキー号  仙台〜山寺(2往復)※1975年1月号時刻表情報から
               仙台〜山寺(1往復)、岩沼〜(仙台)〜山寺(1往復) ※1986年2月号時刻表情報から
                   仙台〜山寺(1往復)、大河原〜(仙台)〜面白山(1往復) ※1987年2月号時刻表情報から
                   仙台〜山形(2往復)、大河原〜(仙台)〜面白山(1往復) ※1987年12月号時刻表情報から
      シーハイル面白山号 山形→面白山(0.5往復)※1987年 2月号時刻表情報から
【使用列車、編成】電車(1970年代ではディーゼル列車もあり)
 
1975年1月からは「面白山スキー号」の名称で引き続き仙台〜山寺間で運行されていました。使用列車はこれまでのディーゼル、客車から、時代が下ってくると下記の通り電車での運用となっています。
交通公社の時刻表 1986年 2月号より
 
 
つづいては、1987年2月号の時刻表紙面より。
面白山スキー号について。帰りに面白山始発が確認できます。また、この1987年のみしか設定されなかった「シーハイル面白山号」が、山形→面白山間で運行されていた記録です。ちなみに「シーハイル」という言葉の意味ですが、スキーヤーの間で用いられた挨拶のことばとのこと。ドイツ語で「スキー万歳」。しらんがなw
 
さて、この頃は急行から格下げされた仙山号が、一部の列車が面白山駅に臨時停車していますね。
交通公社の時刻表 1987年 2月号より
 
 
1987年1月からは、これまでの岩沼からさらに延伸して、大河原発の列車も設定されています。
大河原〜面白山(1、6号)、仙台〜山形(2、3、4、5号)という設定でした。
JR時刻表 1987年 12月号より
 
 

■ゲレンデ面白山号

【運転期間】1992年1月〜2001年3月
【列車種別】普通、快速(1996年1月から)
【運転区間】仙台→山形、面白山高原→仙台 ※1996年1月号の情報 、仙台〜面白山高原駅(1往復) ※1996年12月号の情報
【使用列車、編成】電車
 
1992年1月からは、列車名がゲレンデ面白山号に改名されています。愛子(あやし)駅以西の途中駅は面白山高原駅のみというダイヤで運行(往復とも)。話は横道にそれますが、この時期は山形新幹線工事にともない特急つばさ号が仙台発着で運行されていました。

JR時刻表 1992年 2月号より
 
 
1997年1月からは、従来よりも停車駅が増えたのに、列車種別が「快速」となっている、逆転現象が発生しています。おそらく快速仙山号も面白山高原駅に停車するようになっていることからも、仙山号にあわせた対応だったのでしょうか。
JR時刻表 1996年 12月号より

 

今回は以上となります。

 

参考資料:

交通公社の時刻表 1966年2月号、1971年2月号、1986年2月号、1987年2月号

JR時刻表 1987年12月号、1992年2月号、1996年12月号

参考サイト:スノーパーク面白山(Wikipedia)