2020年暮れから個人的キャンペーンとして、私の時刻表コレクションを元にスキー列車の歴史を、実物の時刻表とあわせて、紐解いています。
なお、過去分のまとめページがありますので、過年度比較にお使いください。
今回の第5章以降は、全国各地のスキー列車について、だらだらとw。
各地の「スキー場」を軸に、そのスキー場に向けて運行されたスキー列車を当時の時刻表紙面とあわせて紹介していこうと思います。
今回取り上げるのは、岩手県の「安比(あっぴ)高原」周辺のスキー場です。
安比高原スキー場、竜ヶ森スキー場がある(あった)場所(周辺)をGoogleマップでも提示します。花輪線沿線に安比高原スキー場、八幡平田山スキー場がありますが、かつては竜ヶ森スキー場もあり、列車名でこの痕跡を確認することができます。
私のコレクションで追えるもので構成していますので、一部抜け漏れございましたら、ぜひご指摘ください。
花輪線内の普通・快速列車
普通 竜ヶ森・田山スキー号、竜ヶ森スキー号、安比・竜ヶ森スキー号
一番歴史のある列車名ですが、いつ登場したかは定かでは有りません。1983年の春までの毎シーズンと、1986年に1年だけでてきます。
一日1往復の普通列車が、盛岡〜田山駅まで設定されていました。1973年当時は期間中の日曜日運転、82年当時は指定日の運転でした。
交通公社1973年 3月号より
交通公社の時刻表 1982年 1月号より
普通 みちのくシュプール
- 1987年1シーズンのみの運転を確認。
- 東北本線一ノ関始発となって荒屋新町駅まで設定された普通列車です。。
交通公社の時刻表 1987年 2月号より
普通 パラダイス安比
- 1992年1シーズンのみ
- 期間中の土・日運転との記事あり
- ジョイフルトレイン「グラシア」を使用。全車グリーン車指定席ながら列車種別は「普通」のようです。
- 仙台から安比高原まで一部駅のみ停車でアクセスする列車。
- 行き 仙台 7:00→安比高原 10:35、帰り 安比高原 16:20→仙台 19:40
JR時刻表 1992年 2月号より
普通 APPIシャトル
- 1993年の1シーズンのみ運転。
- 盛岡から松尾八幡平までの定期列車を荒屋新町まで延長運転するケースと、盛岡から荒屋新町まで直通する列車が2種設定
- 盛岡からの直通は期間中毎日運転の記事あり。
JR時刻表 1993年 2月号より
快速 ウィンターリゾートトレイン
- 1999年、2000年の2シーズンのみの運転を確認しています。
- 東北本線の一ノ関から盛岡経由で荒屋新町まで往復で運転された快速列車がありました。
- 期間中の土・休日運転。
- 使用車両ですが、Kenji または エーデルワイス(キハ28・58の欧風列車) というリゾート列車が使用されたようです。
- 行き 一ノ関発7:57→荒屋新町着10:56、帰り 安比高原発16:53→一ノ関着19:55(1999年1月号)
JTB時刻表 1999年 1月号より
■シュプール号→シュプールバスの連携でのアクセス
シュプール盛岡号
- 1990年から1992年の3シーズンのみ運行
- 横浜→盛岡、盛岡→上野の設定。
- 電車三段式B寝台が入っていることから583系が使用されています。
- 終点の盛岡から、安比高原、雫石まで、シュプールバスによって接続されていました。
■シュプール以外の都市圏からのスキー客臨時列車
急行 ホワイトスノー安比号、ホワイトスノー安比・盛岡号
- 前述の竜ヶ森スキー号、安比・竜ヶ森スキー号に次いで歴史を有する列車です(1997年から2002年の7シーズン)。
- シュプール盛岡がなくなってしばらくしてから首都圏からのスキー列車として設定。上野から安比高原駅まで片道のみ設定された寝台急行列車。この紙面は「〜安比・盛岡号」のもの。
- 使用車両については、尾久客車区の24系5連。牽引機は上野〜盛岡はEF81、盛岡〜安比高原はDE10(重連)とのことでした。
特急 フレッシュスノー盛岡号
- 1999年1シーズンのみの運転。
- 常磐線佐貫から盛岡で往復設定。行きは夜行、帰りは日着するダイヤ。茨城県の常磐線沿線の主要都市のスキー客向けに設定されたようです。
- 座席車のみの編成。勝田電車区のE653系が使用されたようです。
今回は以上となります。
参考資料:
交通公社の時刻表 1973年3月号、1982年1月号、1987年2月号、JTB時刻表 1990年12月号、1999年1月号
JR時刻表 1992年2月号、1993年2月号
鉄道ダイヤ情報 1992年2月号(No.94)、1999年1月号(No.177)