when is our closet built? | 周研のゲイ術的生活

周研のゲイ術的生活

周研の平凡なゲイ的生活を(ときおりは赤裸々に)語るブログ。

台湾で「カムアウト、カミングアウト」は、「出櫃」(ㄔㄨㄍㄨㄟˋ chūguì )という。

衣装ケース、クローゼットから出る、という意味。

それなら、いつ、ゲイはその 「櫃子」に入ったのか?

生まれたとき、初めから入っていた/入れられていた、のだろうか。

気づいたら、タンスのなか。

(暗い、出してくれ!)と叫んだのであるか。

たぶん、社会性を求められる小学校あたりで、好きな女の子誰?とか聞かれ、あれ、そういえば、好きなのは男の子だな、と気づく。

ここで、あ、僕、好きなのは男の子、と即答し、ふーん、男なんだ、でおさまれば、クローゼットは存在しない。

好きでもない女子の名を言い、自分と他人の両方へウソをつかざるを得ない。

そんな社会だから、その瞬間、周りにクローゼット成立、となってしまい、後年、そこから出なくてはならない。

もちろん、日本では、出ないまま死ぬ人の方が多い。

さぞつらいだろうと思う(私も出ていない)。

日本は、日本語しかない。多様性がない社会だ。

同調圧力も異様に強い。外国に行けばすぐに気づくことである。

地下鉄のアナウンスでさえ、台北の中心では、台灣語、北京語、客家語、英語、日本語と5カ国語である。

加えて、原住民の言葉が何十とある。

台湾国民も、本省人、後から来た中国人(=外省人)、原住民、インドネシア、ヴェトナムなどからの新移民、と多様だ。

これだから、多様性は認めないと、国としてたちいかない。

同性婚を認めたのもそういう経緯なのではないか。

最近は、台灣人同士だけでなく、外国人と台灣人カップルにも認められるようになっている。

台湾に行って結婚する日本人、韓国人がたくさんいる。

義務教育で、LGBTQ+ にについて教えることも法律で定められている。

偏見も減ってゆくだろう。

あ、僕、好きなのは男の子、と小中学生が、平気で言える日は近いかもしれない。

台湾ではクローゼットがなくなるのだ。

女の子(なぜか女子だけだ)が、パパは2人です!なんて平気で言う台湾のBLドラマはいまやいくらでもある。

翻って、日本は絶望しかない。

何千年も、異分子を排除してきたこの陰湿なムラ社会が消えるはずがない。

跳ね返り者、変わり者は、迫害され、追い出される。

英語、華語を学んで、海外へ!

というのが、この10年、若者に与えるアドヴァイスだ。

ゲイに限らない。

出過ぎたクギはうたれない、の社会である。大谷翔平ぐらい出ないとダメだ。

出過ぎるぐらいでないと、上から打たれ、つぶされてしまう。

大学院でも、指導教官からのイヤガラセ、意地悪、雑用の押し付けで潰される院生を見てきた。

欧米に留学し、博士号でもとってしまえば、教官も手が出せない。

やはり、海外なのだ。

できればもう帰らない方が良い。

保険料、税金、国民の負担率は、一揆を起こした江戸時代並みの50%、世界一苦しいのである。