昔、味噌ラーメンだったラーメンマンの話! | 何でもアル牢屋

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ラーメンマンは何故、素敵なのか。
キン肉マンと言う有名な漫画の脇役として出て来るキャラなのだが、余りの人気と個性が際立って、ラーメンマンを主人公にした「闘将・拉麺男」と言う作品まで作られた。漫画のサブキャラを主人公に仕立てるのは、今時、珍しくなくなったが、キン肉マンが連載されていた79年から87年と言う時代背景を考えれば、異例の事だったに違いない。
ラーメンマンと言うキャラは、とにかく一々カッコいい。登場の仕方、台詞、技、雰囲気、作品の中でラーメンマンが登場するとワクワクしてくる。そのワクワクは何処から来るのかと言うと、彼が現れる所、乱ありって感じなのである。何か大きなドラマが起きるに違いないと読者は思う。こう言う流れを変えるキャラ設定を<作者のゆでたまご>が意識してるのかどうかは不明。テリーマンやロビンマスクもカッコいいが、そう言うオーラは感じられない。凄いキャラを作ったモンだと今更ながらに思う。

ラーメンマンへの愛情を書くにあたって、ウィキペディアに書いてない事を書いていこうと思うんだけど、まず、ラーメンマンのモデルになった人物が居る。ジャイアント馬場である。ジャイアント馬場はアントニオ猪木と並ぶ有名過ぎるプロレスラー。ジャイアント馬場って言う人は、見た目の鈍重感に反して頭の切れる頭脳派の人で、理論と知性を兼ね揃えている秀才だった。
ラーメンマンは、超人オリンピックでブロッケンマンをキャメルクラッチで殺し、ロビンマスクと戦って反則負けをした時の顔と、ウォーズマンやブロッケンマンの息子・ブロッケン・ジュニアと戦った時の顔が違う。初期の頃の顔はジャイアント馬場そっくりで、途中からドンドン顔がスマートにツルっとした感じになって見た目がカッコ良くなった。
これだけ時が流れても、ラーメンマン創作の秘話と言うのを見掛けないのだが、作者のゆでたまごが過去に語ったのかも知らない。仮説と言う事で書かせて貰うと、おそらく日本にやってきた少林寺ブームに乗せて作られた感じがする。と言うのも、キン肉マンの連載が始まった79年から87年の終了まで、テレビ映画などでクンフー映画が度々流されていた背景がある。

前にも書いた事があるが、少林寺ブームの火付け役はブルース・リーではなくジャッキーチェンだった。ブルース・リーが起こしたブームは、あくまでもブルース・リーと言う役者本人に起きたブームであって、それだけで一般大衆が少林寺そのものに興味を持つと言う現象までには至らなかった。その役目を担ったのは明らかにジャッキーチェンだった。
強いんだけど陰気なブルース・リーよりも、馬鹿で明るくて最後には悪をやっつけるジャッキーのキャラの方が日本人には判り易く、ジャッキーへの好奇心が少林寺と言う媒体に連鎖的に興味を持たせたと言ってもいい。
ゆでたまごと言う作家が、本格的にクンフー映画が好きなんだなと思わせたのが闘将・拉麺男であり、この作品に出て来るネタの殆どが70年代中期から80年代中期に作られたB級クンフー映画からであり、通な人が見れば「このシーン、あった、あった」と喜んだ人が確実に居たはず。

ラーメンマンがカッコいいと感じる、もう一つの要素は、アニメ版の声である。

キン肉マンでは、最終的に5人の声優が拭き替えたのだが、圧倒的にカッコいい声は最初に吹き替えた蟹江栄司(かにえ えいじ)だろう。残念な事に85年に43歳と言う若さで世を去った。
蟹江の声は独特な低さで、低さの中に知性と艶がある。ラーメンマンと言うキャラは、他の超人と比べると大人びていて達観している。出て来る台詞や落ち着きぶりが見事に描写されていると思う。そんなラーメンマンの個性と、蟹江の低い声と知性を感じさせる喋り方がピッタリとマッチした。
おそらく私の世代は、荻昌弘が司会をしていた月曜ロードショーの予告ナレーションや、ジャッキーチェンの「スネーキーモンキー蛇拳」の師範代とか、リー・リンチェイの「少林寺」など、クンフー映画などで聴いていた筈である。聞いたら忘れないタイプの声優で、こう言う人を唯一無二と言うのだろう。
同じくアニメ化された「闘将・拉麺男」では、森功至(もり かつじ)が吹き替えていた。この人の代表作は、私の中ではタイガーマスクの伊達直人や、北斗の拳の南斗白鷺拳のシュウだと思っているが、ラーメンマンの声とは意外だった。ラーメンマン役の違和感は殆どなく、流石、一流の声優だなと感心する。何気に忘れていたのは魁男塾のアニメ版で、二号生筆頭の明石剛次も当てている。

キン肉マンと言う作品が大したモンだと思わせるのは、超人ごとにテーマソングが設けられている事で、当然、ラーメンマンにも存在する。それが今回の動画。
主役のキン肉マンのテーマはアニメの主題歌そのまんまで、串田アキラさんのイメージが強い。このラーメンマンのテーマソングはアニメ版の導入歌で流されていて、フルで聴いた事は無かった。こうして容易に聴ける様になったネットは凄い。蟹江さんの声も入ってて、これは素晴らしい!