今こそ新世代に伝えたいジャッキー映画の名曲達! | 何でもアル牢屋

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今となっては信じられない事だが、80年代初期から中期にかけて、日本に少林寺ブームが巻き起こっていた。ブームを起こした火付け役はブルース・リーではなくジャッキーチェンだった。
ブルース・リーのキャラは禁欲的で冗談が通じず、何処か近づき難い雰囲気があったせいか敬遠されがちだった。だから今でもクンフー俳優と言う位置づけではなく、アクション俳優と言う括られ方をする。だがジャッキーチェンは良い意味でアクション俳優と言う扱われ方をされなかった。イケメンなんだけど馬鹿っぽいキャラで、キワモノの中国俳優と言う認識が強かった。

ジャッキーはインタビューで「自分が成功したのはブルースリーの逆をやったからだ」と言う。ジャッキーの意識ではそうかもしれないが、世の中の認識は違うと思う。映画の中のジャッキーはチャラチャラと変な奴で、最後には強い奴と戦って勝つ。世間は、そんなジャッキーが宇宙人の様に見えていたのではないか?そんなジャッキーのキャラを愛したのではなかろうか?
 

日本の映画界は、この少林寺ブームに乗った。

テレビ映画の評論家の貢献度も高い。月曜ロードショーの荻昌弘や、日曜洋画劇場の淀川長治が、70年代に香港で何やら流行っているアクション映画に目を付け、日本のテレビ映画で放送した事がブームに繋がっていった。決定的な人気になったのはジャッキーチェンの「ドランクモンキー酔拳」で、多くの人がジャッキーチェンと言う香港俳優を初めて意識する事になる。
知られてくるとルーツを追いたくなるのが人の性。良作、駄作に限らず、ドランクモンキー酔拳の前後に公開された多くの作品も次々に公開されていく。日本公開では、その殆どが東映から配給された。日本公開にあたって東映は、ジャッキーのクンフー映画に主題歌を付け加えた。これはオリジナル版には入っておらず、日本公開版のみ入っているバージョンで、日本のテレビ映画で放送されたのも、この東映バージョン。
20年ほど前、私は個人サイトを運営していて、その時に知り合った知人から昔のジャッキー映画の主題歌を編集したCDを頂いた事がある。当時、ジャッキー映画のサントラCDなんて無かった筈だから、その知人はわざわざレコードから落としてくれたのだろう。今となっては貴重な自作CDとなって今でも手元に置いて聴いたりする。
 

紹介している「カンニングモンキー天中拳」と言う映画の主題歌も、何処かで聴いた事のある歌声だ。ゴダイゴのタケカワユキヒデに似ている。だが歌っているのはSHI(シャイ)と言う人で、沖縄出身の歌手である。サラッと経歴を見ると79年にハートビーツと言うバンドを結成。SHIは、そのボーカルである。83年には後藤次利のプロデュースでシングルとアルバムをリリースしている。その翌年の84年9月にカンニングモンキーをリリース。87年にはサザンオールスターズの桑田佳祐と共に活動し、88年には渡米し、俳優の石橋凌と映画出演。テレビ活動が目立たない為、知る人ぞ知るって感じだが、経歴を見る限り中々の人脈を持っている。

 

 

 

もう一つは同じくSHIの「モンキー・オン・ザ・ルース」と言う曲で、この歌は劇中の導入歌でイントロの部分だけチョロッと流れる程度なのだが、全部聴くと中々良い曲である。何と言うかSHIの歌声には哀愁がある。静かな部屋で、この歌を聴くとユッタリとした安息感に浸れる。

 

 

 

それにしても、どう聴いてもゴダイゴっぽい。それもその筈で作曲がタケカワユキヒデで編曲がミッキー吉野である。もう聴いた感じで西遊記っぽい。西洋と中国が混ざった様な音楽で、今聴いても新しいなと感じる。

個人的な想いだが、国内でブラディオって言うバンドが居るんだけど、ボーカルの真行寺・貴秋君なら、これらの歌のリメイクを歌えるかもしれない。
私の想いとして懐かしむのは勿論だが、今時の若い子が聴くと、どう感じるんだろう?と言う素朴な興味がある。若手のミュージシャンなんかは、どんな風な印象を持つんだろう。古さを感じさせないのも、これらの歌の特徴だろう。

 

もう一本は番外編な動画。
昔のジャッキー映画の「拳シリーズ」で日本人の歌手が主題歌を歌った事については先ほど書いたが、その中でも最多で歌ったのが小清水ミツルと言う人で、蛇鶴八拳とドラゴンフィスト龍拳の二作で主題歌を歌っている。で、この動画の何が凄いのか?と言うと、まず本人が蛇鶴八拳のデンジャラス・アイズを歌ってくれたと言う一点に尽きる。私の様なコアファンからすると衝撃度が半端ない。時を超えて小清水ミツルが降臨したって感じで、思わず魅入った。御覧の通り、もう完全体では無くなっているが、ファンとしては素直に嬉しい。有難う小清水ミツルさん
誰かが言っていたが、音楽に古い新しいは関係ない。良いモノは良い。なるほど!それに尽きる。