赤色巨星・あまつみかぼしの爆発 | まーりんのまりんエッセンス

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・・・昔は 白鳥座の心臓にあたるところに

朱銅色の巨大な星が座っていた。

 

これを先祖は

酸漿(ほおずき)星

別名あかかがち

と呼んでいた。

 

あまつみか星がこれである。

伽香知(かかち)は星の総称であった。

 

 

真鍋大覚著 「儺の国の星」 御中星 p86

 

 

 

 

 

きょうのお題は、超新星爆発について。

オリオン座の赤色巨星ベテルギウスが

これまでになく暗くなり、

そろそろ超新星爆発するんでは、といわれています。

 

ベテルギウスが爆発すると、どうなるか。

 

一時的に満月よりも明るくなり、

やがて消えてしまって

オリオン座のカタチが変わることに。

 

 

 

星が爆発して最期を迎える

というのは、じつは1006年に観測されていた

とされています。

 

「西暦1006年の4月に明るい星が突然現れ、徐々に暗くなり、数カ月後に見えなくなった。この天体は地球から7200光年も離れたところにあるにもかかわらず、ピーク時には金星より明るくなったという記録もある。」

 

「目撃証言は、アジア、中東、ヨーロッパの文書のほか、おそらく北米の岩絵にも残された。日本でも藤原定家が『明月記』にこの「客星」のことを書いている。こうした記録のおかげで、今日の天文学者はこの天体の正体がSN1006という超新星だったことを知っている。」

 

 

NASAのX線観測衛星チャンドラが捉えた超新星SN1006の残骸。

西暦1006年には地上から肉眼で見えるほど明るかった。

(PHOTOGRAPH BY NASA/CXC/MIDDLEBURY COLLEGE/F.WINKLER)

 

 

超新星残骸のガス

「歴史上最も明るい超新星爆発の記録を新たに発見」ナショナルジオグラフィック日本版

 

 

 

 

 

ところで、

まだぜんぜん天文学者が知らない、手を付けてない

赤色巨星、超新星爆発の物語が

日本に残されています。

 

 

 

それが、冒頭の、白鳥座のやつ。

 

 

 

 

白鳥座の心臓にあたるところ

朱銅色の巨大な星が座っていた。

 

 

 

真鍋大覚は、著書「儺の国の星」において

何度もこの星の話をしています。

 

彼は航空工学の専門家である一方、地震雲や屋久杉の樹齢推定などで知られているのですが、鹿島神宮の宮司家藤原南家の家系(さらにたどると物部氏)であり、暦法を伝える家系の人間でした。

その星読みの膨大な知識の一部を、晩年になって口述したものを(失明していた)、夫人が書き取ったのが「儺の国の星」です。

 

 

 

SN1006は、その超新星爆発の記録が残る稀有な天体といわれていますが

真鍋が云う白鳥座のあかかがち、

別の赤色巨星の伝承ではないだろうか・・・!?

 

もしかしたら

世界の古文書には載っていないけれど、

暦法の家系の口伝でのみ伝わってきた出来事だったりして

・・・・

 

 

そして、もうひとつのおどろきは

 

この白鳥座の赤色巨星がなんと

あの「天津甍星(あまつみかぼし)」と!?

 

 

 

 

倭人は

酸漿(ほおずき)の苞(はう)を四方に開いたかの如き

シャンデリアが

夏の夜空を飾っているものとして

これを見守っていたものと思はれる。

 

 

日本書紀巻二神代紀第二に曰く

天に悪しき神有り。名を天津甍星(あまつみかほし)と曰ふ。

亦の名は天香香(あまのかか)背男。

 

”みかつち”とは水底に沈殿した赤橙色の埴土のことである。

したがってみかぼしとは、天の川に沈む暗赤色の星であって、

同じ白鳥座の主星たるデネブ(Deneb)の如く、

内に原子核反応の終極のヘリウムが充満して爆発寸前の巨星を

よく表現していることになるのである。

 

真鍋大覚著 「儺の国の星」 御中星 p86

 

 

 

つまり

 

白鳥座にはデネブ以外にもうひとつ赤色巨星があった、と。

 

それは「あまつみかぼし」と呼ばれていた

(まじか!)

 

白鳥座の中心のあたりに座しており

大きく赤いさまを

神功皇后の時代には観ることができた、と。

 

(うーん、日本書紀を引用してるが「観ることができた」とは書かれてないので、その頃観れたというのは言い伝えかもしれん)

 

 

みかぼしのみかは

埴土の赤い色

 

またほおずき星の名からは、

その星は

四方に赤い光を拡げるようにみえたのかも、と。

 

どちらも

赤色巨星の特徴をよく表している。

 

 

 

続けて、こう書いてあります。

 

 

 

三代実録

清和帝貞観十二(870)年五月二十九日庚辰の条

詔して筑前国正六位上背布利神に従五位下を授玉ふ

としるせり。

 

これは、「あまつみかぼし」が

ついに大爆発を起こして

人間の目から姿を消した頃にあたる。

 

 

 

んんん―でもね

このころに爆発した星の話、ネットではみつからないのよ。

 

 

 

この日は太陽暦で七月五日であり、

歳差による十五日を加算すれば、今の七月二十日の土用にあたり

背振山山頂には無数の里人が参集して

有史以来の天変を案じ、天下の泰平を祈ること連日連夜に及んで尽きることをしらなかった、と語られていた。

 

 

「語られていた」かあ。

誰が?

これは口伝の部分だろうか。

 

 

 

昭和四十一(1966)年、

米国の人工衛星が宇宙空間のX線照射密度分布を観測して、

白鳥座の中にかすかに青く光る天体の存在を発見した。

 

そのスペクトルは、

藤原定家(1162~1241)が明月記 寛喜二(1230)年

十一月八日(12月20日)の条に

客星出現の例(ためし)は、天喜二(1054)年四月中旬以後

丑時客星觜参(しさん)の度に出ず、東方に見る。

かたちは孛(ほつ)、

天関星にして

大いに歳星の如し。

 

*客星は、彗星や超新星爆発などによって一時的に見える星

*孛(ほつ)は彗星、ほうきぼし

 

と誌した星雲の光の成分よりやや時代が古いと観測されているから、

このCYG-Xなる存在は「あまつみかぼし」の末路と推定される。

 

 

*ネットでCYG-Xをみると、ブラックホールだといわれている

これが「あまつみかぼし」なら、けた外れの大爆発だったと・・・

 

 

 

三代実録 貞観九年七月二十四日(867年8月31日)

星、昼見(あらは)る

 

同 貞観十七年六月三日(875年7月13日)

星月並びて昼見(あらは)る

 

新唐書天文誌 宗乾符三年七月(876年8月27日~9月25日)

常に星昼見ゆ

 

 

赤色巨星の最後の姿は、白昼の蒼天に眩しく輝く客星であった。

かつて遠い祖先には、

いつも銀河の中に 赤く凝った妖星として仰がれてきた

「あまつみかぼし」であった。

 

無数の星を全天の石位闔廬(いわくらかふりょ)にならべて

その居に安んぜしめていた存在であった。

 

鸛(こふのとり)の緋卵の如く

次々と

無数の星を燃え尽きることなく生み落とした存在でもあった。

 

古人はやがて

星を生む力がつきて

暗黒の夜空の果てしなき恐怖をみるを

懼れ畏んで

背振の山頂に祈ったのである。

 

 

 

 

この白鳥座にかつてはあった赤色巨星のことを、

言葉を変え 表現を変えて

真鍋は「儺の国の星」で何度も何度も

言及しています。

 

 

 

古今和歌集巻九 羇旅 在原業平

名にしおはば いざこととはむ みやこどり

わが思ふ人は有りやなしやと

 

都鳥は嘴と脚が赤い鴎(かもめ)である。

空飛ぶ姿をみあげると、頭と腹に各々紅一点があり

これが昔の白鳥座の在りし日の姿であった。

 

眼光の位置にはいまも赤色巨星Denebが輝いているが

十文字の交点に

もっと赤く淀んでいた高津星は今はない。

 

真鍋大覚著 「儺の国の星」 高津星 p91

 

 

 

晉人は白鳥Cygnus(チグナス)を中宮と誌した。

倭人はこれを遠い昔に天上と書いた。

 

白鳥座には星雲が妖光をただよはせていた。

これを経世済民の帝王の誕生を告示する胎盤とみる時代があった。

日本書紀巻二神代紀にみえる

真床追衾(まとこおふすま)がこれである。

 

真鍋大覚著 「儺の国の星」 天上星 p96

 

 

 

みかのほしの又の名を柑子星(かうじぼし)という。

白鳥の腰にありて

その色と形、赤卵のごとしと誌された所以であった。

平安の頃すでに姿を消したあとは

神代星(かうしろぼし)或いは瑣珠星(くしろぼし)と

昔の面影を恋ひ慕はれていたときく。

 

蜜柑の原種は枳殻(からたち)である。

中の実の数は七である。

・・・実の中の袋の数は、柚子は九、柑橘は十一~十三

朱欒(ざぼん)は十五~十九と進化の度を示す。

人類が園芸育種によって三千年の間に植物の形態をここまで変化させたのであるが、宇宙の彼方から天降る光が突然変異をおこすことによって、思はぬ近い未来に神品新種を期待していた歴史があった。

柑子星は、その本源と信ぜられていた。

 

真鍋大覚著 「儺の国の星」 柑子星 p103

 

 

 

新約聖書マタイ伝第六章

ソロモンの栄華の極みの時だにも

その装ひ 野の百合の花の一つにしかざりき

 

漢人はすでに槿花一朝の夢の名諺を完成した。

ここに槿とは白鳥座の原名なるCygnusの漢訳である。

 

万葉集にはないが、香椎宮踏歌には

許能登能波 牟倍毛登美計里 佐岐久佐能

(このとのは むへもとみけり さきくさの)

美都婆余都婆爾 等能豆久理勢里

(みつはよつはに とのつくりせり)

 

この”さきくさ”が聖書の百合であり、

天文学でいう星座の白鳥Cygnus (チグナス)であった。

英国童謡のMother Gooseに出る黄金の卵を産む鵞鳥ではあったが、

今は赤い巨星はもうみえなくなっている。

かつては雌蕊(めしべ)の子房(しぼ)に見立てられた変光星雲でもあったが

これが天平の頃の色匂うがごとき景観であった。

 

真鍋大覚著 「儺の国の星」 聖母星 p188

 

 

 

 

 

赤い卵は

星を生む胎。母体。

 

 

朱卵星(みかのほし)とは、

伝承のなかにしか存在できない幻影・・・でしょうか

 

それともいつか

この口伝が天文学で証明されるときがくるのでしょうか

 

 

 

 

 

 

 

きょうが節分、あすは立春。

 

立春にちなんで、最後に

星の話 白鳥座の話をもうひとつ

 

 

歳差は 

Nikaia(ニケーア)のHypparchos(ヒッパルコスBC190~125)が

古代の近東の星座図を比較して発見し、

 

晋の虞喜(269~345)が、

立春の暮天に沈む白鳥Cygnusと、上空に達する参星Orionの

黄道春分点よりの東漸を観察して暦法に採用した。

 

真鍋大覚著 「儺の国の星」 千早星 p81

 

 

 

本日2020年2月3日 20:45ごろ 水星が魚座入り。

空気感が変わります

 

 

 

春の氣と、

 

天地の巡りに思いをはせるとき。

 

 

 

 

LOVEJOY