旅の記憶~チャコ | Wind Walker

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ネイティブアメリカンフルート奏者、Mark Akixaの日常と非日常

世界遺産、チャコキャニオン。


ここに来るのは何年振りなのだろうか。

南のギャラップ、北のファーミントン、そのどちらから来るにせよ、ハイウェイを外れてダートロードを1時間ほど走らなければ辿り着けない辺鄙な土地にあるのです。

前回同様ギャラップから入りましたが、恐ろしくデコボコ道です。

帰りはファーミントン方面に初めて抜けましたが、こっちの道のほうが断然フラットで運転が楽でした。最初からこっちから来ればよかった・・・。


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しかしアクセスに苦労した分、到着した時の感動もひとしお。


プエブロやホピの祖先といわれるアナサジ族の遺跡なので、タオスやアコマで見てきた建物の構造と似ています。ただし、規模の大きさは桁違い!

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最大級の集落跡であるプエブロ・ボニートでは建物の中にも入れます。800以上の部屋があったらしい。

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そしてホピで使っているようなキヴァ(地下に作る円形の祭祀の場)の跡も巨大。キヴァはクラン(氏族)ごとに造るので、キヴァの数から当時の人口を推定するのだそうです。

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チャコキャニオンは当時の物流や祭祀の一大センターであったようで、常にここに暮らす人口は2,000人程度ですが、最大で10,000人程度宿泊できるほどの施設が存在していたといいます。


物質的な文明をほとんど発達させてこなかったアメリカ先住民。これほど大規模な遺跡も全国的に珍しく、北米に文明があったこと自体あまり知られていないかもしれません。


しかしここへ来ると、彼らに物質的な発展をする技術やノウハウがなかったわけではないことがよく分かります。敢えて発展させない、という大いなる知恵を有していたということでしょうか。


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現在のチャコの住民。いい笑顔。







翌日はコロラド州まで北上し、やはりアナサジ族の遺跡で世界遺産のメサ・ヴェルデに向かいます。

ここはアクセスが良いためか観光客が比較的多いです。


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オキーフを髣髴とさせる素敵なおばあちゃんレンジャーがガイドしてくれました。


ここにも以前来たことがあるのですが、なぜかというとインディアンフルートの作り方を習うためにホームステイした家がこのすぐ近くだったのです。教えてくれたジムさんはもう亡くなってしまいましたが・・・。




・・・うーむ、どうもここはアナサジ族に思いを馳せる場所というよりも、ジムや当時のことを思い出す場所になってしまったなぁ。