【技能実習】ベトナム人実習生の失踪を防ぐためには | 続・奥様はベトナム人

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ベトナム人の妻と協力しながら、外国人技能実習生や特定技能などの外国人労働者受入に関して、監理団体や送出し機関、それから技人国などの情報を提供していきます。

 

 

 まずはこちらの記事から

 

 

 ジャーナリストの出井康博氏は留学生や実習生の問題に詳しい方で、今回の記事もなかなか核心を突いている記事だと思っております。

 

 しかし、今時100万を越える手数料が取れるのかどうか?ハノイの状況はよくわかりませんが、少なくともホーチミンの私の知っている送出し機関の間では、そんな高い手数料を取るのは無理です。大体皆さんコロナで手持ちのタンス預金をほぼ使い切っているので、本当にお金がない。コロナ前なら寮費として、面接合格後いくらかのお金を徴収するのですが、それすらなく、ビザが下りて銀行から借り入れをしてから、ようやく支払うケースが多く、家族の借金が多い場合、銀行から借り入れたお金を家族に残し、私たちへ支払う手数料は日本で働き出してから少しずつ分割で支払うケースもあるほどです。

 

 100万を越える手数料ならば、最低でも給料で25万以上なければ、日本へ行こうとはしないでしょう。SNSで日本ですでに働いている実習生たちからも情報が取れるのに、あえてそんな手数料を支払うとは私には到底思えないのです。少し誇張されているような感じがしますが、どうでしょうか?まだコロナ前の馬鹿な営業をしている送出し機関があるのかもしれませんがね。

 

 海外へ労働力を派遣することは、外貨獲得のための有力な事業であり、間違いなく「既得権益」です。ですから、この既得権益に日本側が口を挟むことはほとんど不可能に近く、民間主導の場合日本としてはできるだけ手数料を安くお願いしますねと頼むことしかできないのが現状です。手数料をいくら取ろうが、それが賄賂として政府に流れようが、内政干渉です。それが嫌ならベトナムから実習生を取らなければ良い。そうなると、日本もベトナムも双方に大きな影響がありますから、無理でしょう。となれば、個々に対応していくしかありません。

 

 さて、今度の新しい「育成就労」ですが、失踪に大きく影響があるとされている転籍もあり、手数料を安くするために日本側が一部手数料を負担するような提案もされているようですが、これこそタイトルにあるとおり「日本人が考えるほど甘くはない」と思います。私なら失踪防止をするとして、下記のようにします。

  • 失踪目的で実習生になりたいベトナム人はできるだけ面接前に排除する。
 これはようやく最近になってできるようになりました。今はベトナムが不景気であり、国内で良い仕事がなかなかありつけない状況になりましたので、求人に対してある程度の人数が集まるようになったのです。面接前に本人とよくヒアリングをすることで、ある程度の状況がつかめるようになりました。日本側が例えば人数を3倍集めろとかそういう話を強制しなければ、絞り込んで面接を受けさせるようにしています。
  • 途中帰国をした場合、手数料を一部返金する。
 私は来日して、仕事とのマッチングがうまくいかず、職場においても人間関係がうまくいかない場合は転籍ではなく、帰国させた方が良いと思っています。リセットをかけるべきだと思います。本人の考えの甘さもありますし、送出し機関として説明が足りなかったところもあるでしょう。ならば、最終的に送出し機関が責任を持って帰国するよう説得するのがスジかなと思います。
  • 実習生の家族との連絡は密として、信頼を勝ち取るようにする。
 問題が発生した場合、実習生を説得するにはどうしても家族の協力が必要です。日頃から家族と連絡を取り合い、信頼されるように努力しています。
  • 面接合格後、入国までに実習生の問題を把握できるようにする。
 現在当送出し機関で面接合格した実習生に対して、受入会社には問題が発生し、日本での実習に問題が起きそうな実習生は入替を行うと面接時に話してあります。日本に入国してからでは、問題解決にかなりの時間と費用がかかるので、多少入国時期がずれる可能性はありますが、入替の方が監理団体も送出し機関も楽です。もちろん、受入会社からクレームは出ますが、仕方ありません。費用も余分にかかりますし、私たちも知らんぷりして送り出した方が良いのですが、失踪を防ぎ、途中帰国させる労力を考えると、怒られようが入替を選択いたします。それほど一度入国した実習生を帰すことは、至難の業だと思ってください。
  • 手数料は適正な金額で。
 もちろんベトナムの法律で決まっているので、その金額で調整します。ですから過剰な接待もキックバックもありません。もちろん海外で遊びたい方はいますので、ご紹介はしますが、すべて自腹でお願いしております。普通どの受入会社様も自腹で楽しんでいます。まあ当たり前といえば、当たり前のことですが。今時過剰な接待を要求する受入会社はあるのでしょうか?
  • 実習生の給料はできるだけ高く。
 正直給料が高ければ、実習生の失踪は発生しません。仕事の量と質にあった給料を出しているかどうか、最低賃金でも残業がしっかりあれば、そんなに不満は出ません。手取りをできるだけ多く取れるようにすれば、実習生の間は失踪しないでしょう。但し、特定技能になった後は、少しでも高いところへ転籍しようとしますので、日本人従業員との兼ね合いもありますから、しっかりとした賃金体制を構築しておくことが必要かと思います。
  • 老舗の送出し機関よりも新規の送出し機関と組む。
 これはなぜかというと、日本に送り出した実習生の5%が失踪した場合、ライセンスが停止になるからです。新規の送出し機関はまだ日本へ行った実習生の数が少ないので、失踪させないために必死で対応しています。弊社も同じです。ですから、実習生の募集にしても教育にしても全力で対応していると言えましょう。老舗の送出し機関は2つのパターンに分かれます。一つはすでに優良な受入会社や監理団体と繋がっており、あえてこれ以上受入先を増やす必要がないところと、もう一つは名義貸しをして多数のブローカーが受入れを行っているところ。今、必死に営業をかけているところは大体後者の方ですから、こんなところから受入れを行ってはいけません。記事に出ている送出し機関もたぶん後者でしょうね。技能実習法で厳しく取り締まりが行われ、キックバックに関しては問題視されているのに、それでも平気にメールで送ってくるところなど、私から言わせれば呆れてモノが言えません。どうぞ機構へチクってください。また、メールを送った送出し機関から実習生を受け入れている監理団体や受入会社は機構の監査のときに根掘り葉掘り追求されるので、覚悟してくださいね。
 
 今、インドネシアにシフトが始まっているのに、私たちベトナムの送出し機関は真摯に反省をして、優良な人材を日本へ送る努力をしない限り、生き残る道はありません。果たしてベトナム人経営者がそこまで考えているかどうかはわかりませんが、少なくとも弊社つばきは頑張って生き残っていきたいと考えています。真面目にやると儲からないですね 笑
 

 

 

 

 

 

 

 

 

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