3年に一度の監理責任者講習を先日受けてきました。
「外国人技能実習制度の手引き」なる分厚いテキストを久しぶりに読んでみると、技能実習法ができてから、技能実習制度はだいぶまともになったと思いますよ。せっかくここまで練り上げてきた制度を廃止して、新たな制度を作るのは、あまり建設的ではないように感じます。
奴隷制度と言われている所以はそもそも3年間の技能実習期間中は、原則転籍が認められていないこと。これが職業選択の自由を侵しているので、問題であるということ。この部分が誰もが引っかかっているところですね。
ただね。技能実習法第6条には技能実習生の責務というのがあって、あくまでも技能等の修得等を行い、本国への技能等の移転に努めなければならないと明確に定められており、そのために監理団体や実習実施者が適正に技能実習が行われるようにしっかりチェックをされているのなら、技能実習生も実習に専念しろと書かれています。労働者ではなく、技能実習生であるという建前がはっきり記されており、これを労働者として労基法を援用しているのが、今の技能実習なのでしょう。
制度のベースがそもそも違うので、転籍などありえないというのが、技能実習なんです。
ならば新制度は単純に外国から労働者を受け入れるための制度にすればいいのに、どうもそうではない。特定技能の延長線上で制度を構築すればいいのですが、となると、大きく問題になるのが転籍要件です。特定技能も転籍及び転職が簡単にできるかといえば、そうではないのですが、一応自由になっております。それを技能実習生までに広げてしまうと、最低賃金の格差から地方に人材がいなくなってしまう懸念は大いにあるのです。
全国一律最低賃金にしなければ、地方から都市への集中はやむなしですが、それをすれば地方の経済は壊滅的になるでしょう。結局地方再生といっていたのに、何もしていなかったのが、今の自民党政治だったと思います。
私が当初から言っていた通り、有識者会議はだんだかトーンダウンして、一応表向きは廃止ということにしますが、中身は技能実習制度の焼き直しになるのは間違いないです。奴隷制度のイメージを変えるために「育成就労」なるものにして、現在3年間は転籍を認めないところを1年か2年でできるようにする。後は若干今までの不具合の部分を修正して、新制度として打ち出すのではないでしょうか?最終報告書はその後自民党の部会で完全に骨抜きにされ、名前の変更ぐらいで制度の骨格はほぼ技能実習制度の延長になるのではないかと思います。
あとは特定技能をどのようにしていくかです。技能実習とは違い、特定技能の方がこれから間違いなく人権侵害が発生してきます。労働者である以上、技能実習のように3年間の雇用が約束されているわけではなく、解雇することはできます。外国人の立場が弱い中で、日本人と同等の日本での生活水準が求められるとすれば、送金がある分決して生活は楽ではない。路頭に迷う外国人がふえるのではないでしょうか?登録支援機関は監理団体よりもずっと無責任ですから、やめればその後のサポートなどしませんよ。特定技能外国人が派遣できれば、派遣会社がある程度面倒見ることになると思いますが、現状そうではないので、会社から追い出された時の問題があるのではないでしょうか?
私は当初から移民について議論を交わすべきだと訴えてきました。私は決して移民政策を推進したいとは思っておりません。ただもうこれだけ技能実習生が日本の各地に入り込み、彼らがいなければ日本の産業自体が成り立たないところまでになってしまった今、そろそろ日本人の覚悟を決めなければならない時期にきていると思っています。先送りにすればするほど、後で大変な思いをすることになると思いますが、それも今生きている日本人が決めること。警告は発しますが、ダメなら落ちるところまで落ちればいいと思っています。とことんダメにならないと、この国の人たちは目覚めないでしょう。最近あきらめが出てきました。
まあ日本だけではなく、世界どこの国もなんか末期的症状になってきましたね。ベトナムがいいかといえばそうでもありません。この国にはこの国特有の問題があり、決してこのまま成長を続けるかといえば楽観することはできません。どこも手詰まり感が半端ないのですよ。
話がずれてしまいましたが、ベトナムではハノイの実習生の評判が悪いので、ベトナム人を使いたい方は南部のホーチミンの送り出し機関を使うようになっているようです。別に自分の送り出し機関を宣伝するわけではありませんが、インドネシアを使う前に一度南部ベトナム人を試用してみるのもありかなと思いますよ。同じベトナム人ですが、気質などは結構違います。


