らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -99ページ目

第254話 オリジナルな構想

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悪いことに

数日後、私は再び京都公演に旅立った。


京都に行っている間

静香のことが心配でたまらなかった。

「私が帰ってくるまで

なるべくNEOには行かないようにね。

リュウヤとは絶対にSEXしてね!」


家を出る前に

いろいろと言い聞かせてはきたのだけど

静香はやはりNEOに入り浸っている。


一度はリュウヤを信じてみようと決意したものの

店で金を落とさせている時点でそれは無理な話になった。


二人の仲は

あいかわらずキス止まり。


どうせそのキスだって

営業のお愛想に違いない

と私は思っている。


だけど

本人はすっかり彼女気分でいるし

静香が満足しているのならば

私の出る幕はないのかもしれない。


静香は毎日電話をかけてきて

うれしそうにリュウヤのことを報告してくる。


私はやるせない気持ちでいっぱいになりながら

相槌を打つだけだった。



その日も

酔っ払った静香からの電話で起された。


「瑠菜って最低ー! おわってる!」


「おはよ…… 今度は何よ……」


「店が終わってからさー

あいも変わらず瑠菜が大酔っ払いになっててー

周ちゃんがね、瑠菜のパンツ脱がせて毛を燃やして遊んだのー!」


私は何のことかわからず

布団からモソモソと起き上がり暖房のスイッチを入れた。


早朝の楽屋はとても冷える。


「どういうこと?」


寝ぼけた頭を整理しながら
煙草に火をつけた。


「だからー、周ちゃんがね

まんげファイヤー!! って 

ライターで火をつけて遊んだんだよー!」


信じられない……


NEOのホスト達も

私がいないとやりたい放題なんだな、と思った。


「はぁ…… それで瑠菜は?」


「ゲラゲラ笑ってたよー! 最悪でしょー?」


どういうノリでそういうことになったのかわからないけれど

私は自分の連れていった子が醜態を晒しているとわかり

顔から火が出るくらい恥ずかしくなった。


面汚しもいいところだ。


静香がリュウヤにハマっているように

瑠菜もトオルにハマっている。


だけど

トオルはたいした色営業はかけていない。


瑠菜がトオルを気にいって勝手に通っているだけだ。


どうして好きな男の前で格好よく振舞えないのか

私は不思議でしかたない。


笑いものにされるような女に

カリスマホストが振り向くわけがないのに。


「瑠菜って本当バカ女だよねー」


静香は散々瑠菜のことを悪く言う。


そんなに陰口ばかり叩くなら

静香も誘わなければいいのに、と思う。


私からしたら

どっちもどっちだった。


「瑠菜の話はもういいよ……

それよりさ

静香、せっかくうちで一人なんだしリュウヤを連れ込んだら?

NEOに行ってるなら一緒に帰ってくればいいじゃない?

どうせラストまで飲んでるんでしょ? とにかくさっさとSEXしちゃってよ」


私は言った。


「なんか忙しいみたいでさー。 

しょうがないよね、大学あるしー。

他のお客さんに我侭言われて大変みたいだし

彼女の私くらいは物分りいい女でいてあげないとねー」


物分りのいい女ではなくて

都合のいい女の間違いだろ、と私は思った。


「静香! 頼むからSEXしてくれ!」


奇妙な懇願をして電話を切った。



それから

営業後のNEOに電話を入れて

トモに繋いでもらった。


「おつかれさま。

静香から電話で今日のこと聞いたけど……

二人、ハメはずしすぎるみたいだからさ

私が戻るまでトモに頼んでもいい?

あんまりおかしなことさせないでよ。 ごめんね。」


私は謝った。


「ははは、 わかったよー。

しかし瑠菜ちゃんはかなりおもしろいね。 みんな大笑いだった。

それより静香ちゃん大丈夫かな? 

売り掛け50万くらいいってるみたいだよ」


トモが心配して教えてくれた。


私は大きな溜息をついた。


静香は

そういうことを隠すようになっている。


きっと怒られるのが分かっているからだろう。


隠し事をするのは良くない傾向だ。

帰ったらきちんと話しあおうと思った。



東京に戻ると

静香は思いつめた顔で

私の帰りを待っていた。


私が荷物も解かないうちに

溜まっていたものを一気に吐き出すように

静香は話し始めた。


その話の内容に驚愕し

私の中で怒りがぐつぐつと沸き上がった。


話の内訳はこうだった。


リュウヤには一緒の頃に入店した

弟分のホストがいる。


ケイスケだ。


高橋克典にそっくりで

すでにランキングの上位に顔を出している。


ホストらしくないリュウヤとは違って

ケイスケは新人の頃から場慣れしている雰囲気があった。


私と話していても

全く気後れしていなかったし

狡猾で水商売に向いているという印象を持った。


ケイスケは

静香が店に来ると

リュウヤのヘルプでつき

いつも優しく気をつかってくれるそうだ。


そして

さりげなくリュウヤのことを吹き込む。


「先輩はね、静香ちゃんのことすごく好きなんだよ。

俺にだけは正直に話してくれるんだ。 ゾッコンってやつ?」
という具合に静香を喜ばせる役を引き受けている。


仲の良いホストが二人組みで客をハメるというのは

よくある話だ。


客は

担当ホスト本人から聞くことよりも

直接利害関係のない友達づてに聞いたことを信じたりする。


裏で手を組んで

絵を描いているのに

みんなそれに気が付かない。


昨晩も

いつもどおりケイスケがヘルプについた。


そして

いよいよあと一月後に迫った

リュウヤの誕生日について提案を持ちかけてきたと言う。


リュウヤがブルガリの時計を欲しがっていると。


「それでね…… 時計って毎日身に着けるものじゃない?

だから彼女からプレゼントされたいと思うよって言われたの……

ケイスケ君のお客さんで時計のブローカーしている人がいて

明日会ってみたらって言われてさ。 なんかもうアポも取ってあるみたいで……」


静香は神妙は顔つきでそう言った。


「はぁ? ブルガリの時計ってどのレベルのやつよ?」


「それが…… スリーゴールドのやつで…… 120万くらいするみたいなの……」


私は完全に堪忍袋の緒が切れた。


静香はさらに続けた。


「それとね……

店内を飾りつけするのに、バルーンの業者を入れようって。

風船でいろいろアーチとかオーナメントを作ってくれるらしいの……

それとね……

一万円札で作った首飾りと扇子もって……

それから…… シャンパンでタワーを作ろうよって……」


全く意味がわからなかった。


そんなことはヒカルですらやっていない。


この話は

ホストの誕生日の風習などではなく

完全にオリジナルな構想だった。



信じられんだろ?!

いやね、今でこそホストクラブのドンペリタワーとか定番じゃん?

リュウヤこそがドンペリタワーの考案者だったんですよ!

綺麗な顔してえげつないこと考えたよなぁー、と思うねw

この頃はね、ドンペリコールとかもなかったんだよー。

今のホストの風習は全部この頃に作られたものなんだよ。

てか誰だかバレそうだなw まぁ過去のことだからね☆


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