らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -360ページ目

第004話 臨界点

「二度と戻ってこないからな!」


大きな声と音を立てて
私は思い切り家のドアを閉めた。


ほんの少しばかりの荷物を持って
急いでバス停に向った。


叩かれた頬に血が上り
心臓はドキドキと高鳴って
体は小刻みに震えていた。


駅までの道のりを
沸騰しきった頭で
いろいろな事を考えた。


子供というのは親の権力の前では
どこまでも無力なものだと。


部屋に入られ日記や手紙を盗み読まれても
「あんたが心配だから」
「あんたのためを想って」
そのお決まりのお母さんの台詞は
全ての事を正当化するのに充分過ぎるものだった。


夜な夜な繰り広げられる親子喧嘩も
私の事が原因ではじまる夫婦喧嘩も
もうたくさんだった。


臨界点を超えた私の決意は固いものだった。


全てをコントロールしようとするお母さんと
お母さんの言いなりに私を責めるお父さんに
もう我慢が出来なくなったのだ。


家族の中には居場所も逃げ場所もなく
ただ親の権力の下全ての自由を奪われていた。


怒鳴り声と喧騒で溢れるあの家にはもう戻らない。


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