第010話 憧れ
その店は歌舞伎町では老舗で
大箱の有名店だった。
スカウトに力を入れているからか
ホステスの数がとにかく多く
早い時間からお客さんが切れずに
閉店までずっと満卓になる。
一日に2回のショータイムがあり
指名トップクラスのお姉さん達が8人程
華やかで煌びやかなショウを披露した。
スポットライトを浴びながら
時には可憐な笑顔で跳び跳ね
時には妖艶な仕草で腰をくねらせてみせる。
その姿はお客さんだけではなく
若いホステス達をも魅了していた。
幾千もの光と眼差しを浴びて
夜の華達は咲き誇っていた。
『なんて綺麗なんだろう!
超かわいい!うらやましぃなぁ~』
私はショウタイムがはじまると
毎日見ているのにもかかわらず
憧れと羨望の眼差しで食い入るように
ステージに魅入ってしまう。
『いつかは私もあちら側に立ちたい。』
漠然とした憧れではあったが
私の中に小さな炎が灯った瞬間だったのかもしれない。
この時はまだ
自分とその場所には距離がありすぎて
あそこはきっと「夢のような場所」なのだと
幻想的に思い込んでるだけだった。
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