第017話 給料日
お給料日がきた。
私ははじめて30万円というお金を手にしていた。
今まで親からもらっていたお小遣いは
月に1万円だった。
その金額には大いに不満であり
よく親の財布からお金を抜いていた。
バレても涙を流しながら
シラを切った事を思い出して
自分自身にうんざりする。
今、目の前にあるのは
厚みを持つ一万円札の束だった。
『私が稼いだお金』
自分のした事に
この金額の価値があるとは
到底思えなかったので
不思議な気持ちになる。
親からは
「自立するのがどれだけ大変な事か」
「みんな生活のために必死でお金を稼いでいる」
などと刷り込まれていたのに。
『なぁーんだ。余裕じゃんか!』
私はさっそく新宿に買い物に行った。
気分が良かった。
西口のモザイクモールで
ディズニーの7人の小人のぬいぐるみを買った。
高校生の頃から
一人暮らしをする自分を空想していた私は
7人のぬいぐるみとの生活を夢みていた。
寮の窓際に綺麗に並べてみる。
殺風景だった部屋に彩りが与えられて
ようやく女の子らしい部屋になったなと思い
しばらく眺めては少しばかりの幸福感を味わった。
まさか7人の小人達に孤独が癒されるはずもなかったが
それでも彼らは私の大事な同居人になってくれたのだった。
「ただいま」が言える事がうれしかった。
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