第019話 ディスコ
私と美咲は店が終わると
毎晩ディスコに通うようになった。
夜遊びを覚えた私達は
水を得た魚のように
キラキラとしていた。
お店でエンディングの音楽がかかりはじめると
一秒でも早くタクシーに乗りたくて
お客さんについていても
トイレに化粧直しをしに行く。
そして必ず美咲と出くわすのだった。
私達は時代を象徴する
典型的なイケイケギャルに変貌を遂げていた。
ワンレン
ボディコン
とさかの前髪に
9cmのピンヒール
そしてディスコの黒服が大好物だった。
「今の店の聡君って子、超イケてなぁ~い?」
「うんうん!めちゃくちゃかっこいいね!」
「まりも的にすごくタイプなんですけどぉ・・・あぁ~ん」
「あぁ~、まりもが好きそうだよねぇ。」
思いだして身悶える私を見て
美咲はクスクスと笑った。
「でもさ・・・ウェイターだしなぁ~」
「うんうん。つかえなぃね!」
「おしいなぁ・・・早く出世しないかなぁ~?」
「だよねぇ・・・。うぅ~ん・・・じゃ、やっぱり主任の子か専務?」
「専務はありえないって。デブすぎでしょ!無理!」
「あははははは。しゃーないって」
「美咲!専務いってよ!おねがぁーい。」
「むり!私が主任いくからまりもが専務で!!」
「えぇーーー。きついっす」
「きゃはははは」
ディスコで遊び歩いている女にとっては
どこの店でどれだけ顔が利くかというのが
最重要ステータスなのだ。
私達はあからさまに
役職の高い黒服にだけ
媚びまくった。
男を選ぶモノサシは
『使えるか使えないか』
ディスコで特別待遇されるために
私も美咲も
その『役職』と寝たのだった。
それがディスコで幅を利かせている女達の
当たり前のルールであり
新参者だった私達も
そのルールに倣って
急ピッチで階段を駆け上がっていった。
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