らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -344ページ目

第020話 バブル

どこのディスコでも
最高級の接待が受けられるようになるまで
そう時間はかからなかった。


お店の入り口で
お金を払うためにできる
長蛇の列をすり抜け


すぐ横を『顔パス』で
通り抜けていくという優越感は
17歳の私達にとっては
とびきりの快楽だった。


ビップルームには

私達専用の席が用意された。


食事も飲み物も煙草も

全てが無料で

頼みもしないのに

毎回フルーツの盛り合わせが運ばれてくる。


黒服達からかしずかれ
女達からは嫉妬の混ざった

眼差しを向けられた。


私と美咲はお姫様を通り越して
完全なる女王様の地位を手に入れていた。


その居心地の良さは
喩えようがない程甘美なもので
私はウットリと溜め息を吐く。


「タバコ買ってきて」
「かしこまりました。お嬢様」


素でこのような会話が成り立っているのだから
イカレているとしか思えない。


バブルの波に
身も心も飲み込まれ
すっかり溺れきっていた。


見栄と虚像でギラギラな混沌。


底なしの闇に足を捕られている事に
気がつくには私達はまだ幼すぎたのだ。


夜の歓楽街は
大歓迎で迎え入れてくれた。


『若くてかわいいお嬢さん。どうぞお入りなさい。』


そう大口を開けて待ち構えている街。


それが歌舞伎町だったのだ。


狂った時代の夜の街に
少女が呑み込まれていくのは
いとも簡単であっけないものだった。


ディスコ



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