第018話 夜遊び
「美咲、給料も入った事だしたまには遊びに行ってみない?」
「いいけど、どこ行くのぉ?」
「うーん・・・どうしようか?」
「たるぃのは嫌だよ?」
「うん。とりあえず渋谷のセンター街でも歩こうよ。
歌舞伎町飽きたと思わなぁい?」
「まぁ店と寮の往復しかしてないもんねぇ。」
「なんかさ、もったいないじゃん?せっかくの青春を!」
「あはは、青春かぁ。そういえばうちらってそういう歳だったね。」
行く当てがあったわけではなかったが
私達は店が明けてから渋谷に繰り出した。
ファーストキッチンで
ポテトとコカコーラを頼む。
「まりもぉ~。これからどうするよ?」
「適当にナンパでもされてみる?」
「えぇ~。たるぃってば。あははは」
「もぉ!美咲はなんでも『たるぃ』なんだからぁ。
若さがないね!若さが。」
「あはははは。ねね、ちょっとゲーセンで遊ぼうよ」
「テトリスでもやる?」
「勝負だぁ!」
私達はファーストキッチンを出て
センター街を東急ハンズ方面に歩いていった。
夜のセンター街は歌舞伎町とは少し雰囲気が違う。
健全とはとても言えそうもないが
歌舞伎町にあるような胡散臭さが感じられない。
どこを見ても
道端には若者達が並んで座っていて
街自体が若いという印象を受ける。
いつもと違う景色を見ながら歩いていると
それだけでも軽くワクワクしてきた。
「おねーさん達、これからどこ行くの?」
男に声をかけられ
私と美咲は目を合わせた。
ズバ抜けて格好良いその男の前で
私達は足をピタリと止めた。
ジャニーズ系の顔に黒のスーツ
背が高くて程よく日焼けしている。
『うわー!めちゃかっこぃぃな。この人』
ロマンスに飢えていた私は
媚びた声と得意の上目遣いで男に返事をする。
「特に決めてないんだけどね。ねぇ~美咲」
「うんうん。ゲーセンでも行こうかって話してたとこぉ」
「じゃ、うちのディスコに遊びに来ませんか?
無料招待券あげるので。是非」
「あぁ、ディスコの黒服さんなんですねぇ。美咲どうする?」
「ん~。暇だし行ってみよっかぁ?」
美咲がまた『たるぃ』と
言い出すんじゃないかと少し心配したが
どうやら美咲も乗り気の様で
男に愛想を振りまいていた。
「あ、じゃ俺が案内するので。どうぞ」
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