らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -310ページ目

第052話 誠実

「まじっすか?」

彼はじょーだんだろ?

という顔で聞き返した。


初対面でいきなり

一緒に帰らない?

はさすがに驚くか…。


私は腕を組んで胸を寄せ上げ

上目遣いに彼をジッと見つめ

唇を舐めた。


「ラストまで待ってるからさ、一緒に帰ろぉよ。」

「うーん。まじっすか?」

「うん。超マジだよ。」

私は甘えた声で追い討ちをかける。


「うんと…明日学校っすよ!俺。」

「ホテルからそのまま行けば?」

そう言いながら彼に寄る。


「え!?」

「うん?嫌なの?」

ピッタリとくっついて耳元で囁く。


「てか・・・俺、彼女いるんですよ。」

彼は申し訳なさそうに頭を掻きながら

そう言った。


「わぁ!パーフェクト!」


「はい?」

「ううん。なんでもない。」


彼の完璧な答えに私は感動している。


彼は二度も私をふったのだ。

学校と彼女。

二つの理由で。


私は愛咲優弥に完全に落ちた。


「んじゃ、今日は諦める。電話番号だけ教えて。」

彼の電話番号を聞き

自分のポケベルの番号を教えた。


「店の寮だからさ。ベル鳴らしてよ。折り電するし。」

「うん。」

「約束だよ?ベルくれたら、必ず遊びに来るから。」

「まじっすか?」

「うん。超マジだよ。」

「うーん…なんで?」

「君の事好きになりそうだから。」

「まじっすか?!」

「それって口癖?あはは」


彼は困ったような

少しうれしそうな顔で照れ笑いをした。

その顔は私をとても満足させた。


目の前の餌に飛びつかないで

彼女がいるとはっきり言う男がいるなんて!


なんて誠実な人…。

彼女はさぞかし幸せだろうなぁ。


私はなんだかうれしくなって

うふふふと笑った。


ふられて喜ぶなんて

私って相当変わってる。


さて

どうやって彼を落とそう。


彼の『NO』によって

賽は振られた。


ゲームがはじまる。


なんだか楽しくなりそうだ。

こういう期待感が私は大好きだった。


やっぱり渋谷は何かが起こる街なんだ。


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