らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -307ページ目

第055話 ラブホテル

優弥の顔を見上げると

眉を八の字にして心配そうに私の顔を覗っていた。


私の涙は優弥にとって

かなり意外だったに違いない。


優弥の言葉とその表情に

私はうろたえた。


恋愛はいつでも

自分のルールとペースの内に

成り立っていたので

想定外の状況というのが

私は不慣れだった。


ずっと望んでいた事が現実になりそうな予感に

喜びと不安とが同時に心に押し寄せ

どちらも一歩も譲らずに

私をますます混乱させていく。


「ほんと?ほんとに一緒にいてくれるの?」

口から出た言葉は

頼りなく弱々しく聞こえて

自分が情けなる。


「うん。いいよ。」

優弥はそれ以上は何も言わずに

私の手をひいて喫茶店を出た。


肩のパックリとあいた

白のボディコンのワンピースを1枚だけしか着ていなくて

少し明るくなりはじめた秋の早朝は肌寒かった。


なんだか心もとなくて

優弥のジャケットの裾をギュっと握り締め

少し後ろをだまって歩く。


私達はセンター街を横切って

道玄坂を上った。


優弥は全然オシャレじゃないホテルを選び

「ここでもいい?」

と聞いたので

私はだまって頷いた。


頭の中は

ひたすら

『どうしよう!』

しか浮かんでこない。


そもそも

何が『どうしよう』なのかも

よくわかっていないから答えが出るはずもない。


優弥が選んだのは
安っぽいピンク色の壁紙で

小さなテレビと小さな冷蔵庫があり

後は大きなベットが置かれているだけの部屋だった。


私と優弥は今

ラブホテルの部屋に二人きりでいるんだ。

そう思うと急に体がカァーと熱くなり

恥ずかしさを感じた。


恥ずかしい?!

一番くだらなくて

つまらないと思っていた感情が

私の中にもあったなんて。


もう・・・。

一体どうなっちゃってるんだろう。

調子が狂うにも程がある。


私は完全に

いつもの自分ではなくなっていた。


いかにもラブホテルというこの部屋で

これから一体・・・


ああ。

どうしよう!


gfd


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