第057話 侵食
唇を重ねてきたのは
優弥の方だった。
ぅぁ。
優弥…。
好き。
くらくらしながら
優弥の首に腕を回す。
優弥のキスは少しぎこちなくて
そのキスを受け止めながら
優弥も緊張しているんだと解った。
ずっと自分の事でいっぱいいっぱいで
優弥の事まで考える余裕がなかった。
私の息遣いはすでに熱く
ずいぶん荒くてなっている。
早く優弥に抱いてほしくて涙ぐむ。
優弥の指が
あそこに触れた時
私は衝撃を受けた。
溢れてるの?
自分の身体の反応に
私は震えながら唇を噛む。
私の瞳と身体を
濡らせる男は
この人しかいない。
優弥のぎこちない指は決して
女を喜ばせる才能があるようには思えないけれど
優弥が愛しくて愛しくて私は潤んでいるのだ。
私は夢中で優弥の背中にしがみつく。
優弥がゴムをつけようとしたので
その手を静止した。
「優弥、生でして。」
「いいの?」
「うん。おなかにだして。」
このSEXは特別のものだと思いたい。
必ずゴムをつけさせる援助交際とは違うんだ。
「優弥、いっぱいキスして。」
援助交際では決してする事はない
キスをたくさんせがんでしまう。
優弥が私を突くたびに
もっと私に侵食して欲しいと思う。
体に口付けされると
きつく噛み痕をつけて欲しいと思う。
優弥に抱かれる私は
甘い幸せをかみ締めながら
少しだけ自虐的だった。
身体の欲望と心の衝動が
統合されていくかんじだ。
こんなSEXは本当にはじめてだったけれど
そういう時には
「こんなのはじめて」
なんて言葉は出てこないんだと知った。
終わってから
私が優弥に囁いた言葉は
「ありがとう。」
だった。
用意されていた
優弥の腕に頭をのせ
私は目を閉じた。
結局優弥も
普通の男なんだなぁ。
と思ったけれど
それは私が思っていた絶望ではなかった。
優弥の事を
もっと好きになっていたからだ。
優弥は今どんな気持ちなんだろう。
『やっちまった!』
って後悔してそうだな。
そう思うと
なんだかおかしくなって
私は微笑んだ。
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