らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -264ページ目

第096話 魔法の葉巻

仕事が終わり
本家の親分宅に行くと
私は若い衆のご飯を作らなければならない。


お味噌汁の作り方を教えてくれたのは
母親ではなく姐さんだった。


いつのまにか
私はパパの愛人という立場に加え
姐さんの舎弟の様な役割になっている。


ヤクザの世界に興味はあったけれど
自分自身が若い衆になりたかったわけではない。


確かにお金は驚くべき勢いで貯まっていく。

でも使う暇がないし

欲しいものがもう何もない。


欲しいものが何もないというのは
実は全然幸せな事ではないんだと私は知った。


すごく疲れているから
家に帰るとすぐに眠りたいのに
パパはカラオケをしたがるし
毎日SEXもしたがるから

ウンザリしてしまう。


お金をたくさんもらっているという負い目から
私は拒む事が出来ずにパパのものを受け入れる。


『元気なおっさんだなぁ・・・。』と、完全にしらけながら。


極道の世界にも飽きてしまった。


人間ってどんな事にも

慣れて麻痺していくんだと思う。


どんな刺激も長くは続かない。


ハァ…


楽しくないな…。
なんか疲れた…。


「パパ、ホテトルの電話番さぁ、疲れるから辞めていい?」

私は意を決してパパにそう切り出した。


「おまえが辞めたら、今は困るからもう少し頑張れよ。」


「うーん・・・。なんかさぁ、本当疲れちゃったの。」


「わがまま言うな。」


「じゃ、いいよ! 姐さんに言うもん。

私はヤクザじゃないんだから!
はじめはちょっと手伝うつもりだったのに・・・。
遊びに行く暇もないし、最近つまんないんだよ。」


疲労もストレスも限界まできていたのかもしれない。

私は半切れというかんじでパパにつっかかった。


「・・・疲れてるんだろ。」


おまえのせいで疲れんだよ!と言いたくなる。


「もう嫌だぁ! 3ヶ月も休んでないよ。しんどい・・・。」


パパは困ったなという顔をして
オーストリッチのセカンドバックから何かを取り出した。


「これでも吸って元気だせ。」

パパが取り出したのは1本の葉巻だ。


「なによ。これ…。」


「これは魔法の葉巻だ。今日は一緒に吸って楽しむか。」


「魔法の葉巻? なによそれ…。」


ふてくされる私に
パパは「まあ待て」となだめて火をつけた。


パパが葉巻を一口吸って

私に手渡す。


『ゴホゴホッ』


煙草と違い

煙が直接肺に入ってきて
私は激しくむせ込んだ。


「はっはっは、ゆっくり吸い込め。少しづつだぞ。」


「・・・うん。」


今度はゆっくり

ほんの少しだけ煙を吸い込む。


独特の香りがあり

美味しいと感じる。


何服か吸うと

急に酔っ払った様に頭がポワァ~とし始める。


「ん!? 何これ。なんかおもしろい! きゃはははは」


私は意味もなくおかしくなって笑い転げる。
それを見ながらパパも大笑いしている。


一気に酩酊状態まで持っていかれたかんじで
体がグニャグニャになる。


ソファーに体が沈んでいく。


「パパ! やばい! ヤバイ! お尻がソファーにくっついてる! あはははははは」


私はお腹を抱えてゲラゲラと笑った。


はまき


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