らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -262ページ目

第098話 深み

パパは
週の半分は
内縁の妻の元へ帰るようになった。


さすがに4ヶ月もほっておいたら
向こうの機嫌も少しは取らなきゃいけない様だ。


彼女がどういう人なのか
私はよく知らないのだけど
パパが捕まった時に保釈金を出した人だと
姐さんから聞いた事がある。


パパがいない日は
いつも美咲を家に呼んで
二人で葉巻を吸って遊んでいる。


「美咲、おなかすいたねぇ~。ピザ頼もうぜ」


「あはは、いいねいいね! アイスクリームも頼もう~」


「美咲、電話かけてよ。私注文できそうもないわ。きゃはは」


「OK。んじゃ適当に頼むねぇ~。」


美咲がピザ屋に電話をかけているのを横で見ていて
私は急に可笑しくなり

ゲラゲラ笑ってしまう。


「ちょっと、まりもいいかげんにしてよ。きゃはははは

あ! えっと配達をお願いしたいんですけど。」


「あーっはっはははは。うける~。美咲~~ あっははははは」


「ぶぅぅ~~~~~」


注文の途中で美咲は

こらえ切れずに吹き出してしまい
電話を切ってしまった。


美咲は自分の頬をパチパチ叩いて気合をいれ
他のピザ屋に電話をかけたけれど
私達はまた同じ事を繰り返した。


「てか、まじでピザ~~ あっははははは」


「無理! あはははは 絶対無理だよ~~~ あははははは」


私達はデリバリーピザを諦めて
コンビニに買い物に出かけた。


並んでいる商品がどれもこれもおいしそうに見えて
カゴに次から次と投げ入れていく。


ふと美咲の顔を見ると
目尻がぐんにゃりと下がり

情けない顔をしていて
私はまた吹き出してしまう。


「ぎゃはははははは」


「ちょ! まりも! まじでいいかげんにしてってば あはははは」


「だってさぁ。あっはははは 美咲の顔! あはははははは」


「おまえもだっつ~の! あははははは」


気が触れた私達を
他の買い物客達が何事かという顔で見ている。


それがまた可笑しくて
私達の笑いはいつまでもとまらない。


レジのおばちゃんに不審な目で見られながら
どうにか買い物を終え
笑い転げながら部屋に帰ってきた。


二人であるだけの食料をたいらげ
大音量でユーロビートをかけながら
パラパラを踊る。


「てかさ、うちらって相当イカレてるよね? きゃはは」


「うんうん。かなりやばいよね? あはははは」


「なんかさぁ、私ね、もうパパと別れたいんだけどさぁ~
でも葉巻なくなるのって困るじゃーん? きゃははははは」


「まりもは、あいかわらずひっどいねぇ~  あはははは
てか、葉巻なんて上野に行けばイラン人が売ってるじゃーん。」


「え~? そうなの? 知らないよ~~ きゃはははは」


「ほら、偽造テレカを束で売ってるイラン人いるの知らない?」


「上野なんて行かないしなぁ~」


「あー、そっか、まりもは貴金属は姐さん経由だもんね。
私は、御徒町あたりでよく買ってるから詳しいのよぉ。」


「へ~。じゃ、自分でも手に入るの?」


「入るんじゃないかな? 今度買いに行ってみる? きゃははは」


「あはっ いいね! じゃーパパはもう用なしだな!

次はイラン人の彼氏でも作るか! あっはっはははは」


「きゃはは うける! ヤクザと別れる時ってなんか大変そうじゃない?」


「ん? そっかな? どうにかなるべ きゃははははは」


何も可笑しい事がないのに
どうしてこんなに笑えるんだろう。


笑っている時って幸せだ。


不安なんてどこかに消えてなくなっちゃう。
これが現実逃避だとしても別にいいじゃん。
ずっと笑っていたいもん。


こうして私は

どんどん深みにはまっていった。


misaki


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