らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -261ページ目

第099話 上の空

「まりも、カナはどこで上がりだ?」


「ん? ああ・・・。 カナちゃん上がりだっけ。えっと『アムール』だ。」


「しっかりしろよ。最近ちょっと上の空なんじゃないか?
さっきも客から催促の電話きたぞ!」


「ごめんなさぃ・・・」


私は仕事中に

ボーっとしてしまう事が多くなっている。


他の電話番から

注意を受けるのも今がはじめてではない。


葉巻のやり過ぎのせいか
頭がスッキリせずに
集中力がなくなっている。


日常的に倦怠感を感じるようになっていて

なんとなくヤバイかも、と自分でも思うようになっていた。


『なきゃないでいつでも辞めれる。』


そう思っていたのに

完全に依存してしまっている。


「パパ、今日から少し抜くわ!

さすがに毎日はやばいと思わない?

最近さ~、ぼんやりしちゃうのよ。」


「ん? そうか。じゃ今日はやめとけよ。」


「ねぇ、これって中毒になるの?」


「ならんだろ。」


「そっか・・・。」


パパはそう言うけれど

私はとても不安だった。


ヤクザの女になると

怪しいものの中毒にされて

そこから抜け出せなくなるなんて

よくある話だ。


そんなの当たり前すぎて

全然つまらない。


そんな目にあうのはまっぴらごめんだ!


とにかく

辞めてみよう。



そう決めてから

私はしばらく葉巻を吸っていない。


なんの刺激もない毎日で

気分が滅入ってしまう。


あいかわらず忙しいばかりで

ストレスは溜まる一方だ。

昨日と今日と明日が変わらない人生なんて

生きていたって意味がない。


永遠のループみたいな生活は

私には絶対に耐えられない。


「ハァ・・・なんか退屈だなぁ~。」

私は大きなため息をつく。


「おまえは本当に我侭で気まぐれ子猫ちゃんだな。はっはっは」

パパが笑う。


「子猫ちゃんとか・・・ウザイよ・・。

ハァ・・・気分転換したいなぁ。」


「おまえね、誰にウザイとか言ってんだ?調子に乗るな。」

パパはカチンときたみたいだけど

私はそれすら気にならない。


「ハァ・・・。なんか楽しい事ないの?」


「しょうがないな・・・。買い物でも行くか?」

パパは私の機嫌を取る。


「・・・欲しいもんなぃからいいや・・・。」

私はますますふてくされる。


「おまえ、水商売に戻るか?」


「え?」


「姐さんがスナックの方を手伝って欲しいみたいだぞ。」


「何? そんな話あるの? 聞いてないよぉ~!」


「・・・ちょっと訳ありで俺の方から断ったんだけどな・・・。」


「ん? 何? どういう事?」


「まぁ、いい。

今日からスナックの手伝いしてみろ。

気分転換になるだろ。

おまえが煮詰まってると俺もつまらんしな・・・。」


「うん! 電話番よりホステスの方が私は性にあってるよ!

だいたい、この年でやり手ババアみたいな事したくないんだよ!

やったー! やっと開放されるぅ~♪」


「やるからにはちゃんと真面目にやれよ。」


「もっちろ~ん。ん~。ちゅ!」


とりあえず

今の状況から抜け出せる事がうれしい。

このままじゃ私は本当に腐ってしまう。


久しぶりの水商売だ。

私はとたんにワクワクしはじめた。


うわのそら


続き気になる人はクリックしてね♪

rankm