らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -255ページ目

第104話 缶コーヒー

藤田と直樹は結局閉店まで飲み
会計は二人合わせて1万5千円だった。


スナックってこんな値段で飲めちゃうんだ!
とかなり驚いてしまう。


帰り際
私は迷ったあげく

姐さんに正直に打ち明ける事にした。


「姐さん、私・・・もうパパとはダメだと思います…。」


神妙な顔もちでそれだけ伝えると

姐さんは別に驚いた様子もなく
「そうか 自分できっちり話しつけるんやで」
と簡素に言い、私の目を見て
「おつかれさん。」
と優しく微笑んだ。


「姐さん、ありがとうございました。」


この後

パパとどうなるかは解らないけれど
もしかしたら姐さんとはこれで最後なのかもしれないと思い
きちんとお礼を言うと

急にさみしくなって泣いてしまいそうだった。




姐さんは私の母親代わりだったからね。


でもいつまでもこうしてはいられないよ。


私の居場所はここじゃない。


そうでしょう? 姐さん・・・




最後に私は

洗い物をしている春子さんを露骨に睨み付けた。


春子さんはそれに気がつき
不思議そうな顔をして私を見たけれど
私は目を逸らさずに

そのまましばらく睨み続けた。


『あんたはこれからもずっと組の飼い犬よ!』


心の中でそう吐き捨て
私は店を後にした。


お門違いな逆恨みなのはわかっていたけれど
自分の感情を抑える事が出来なかった。


店の外に出ると
直樹が缶コーヒーを買って待っていてくれた。


「藤田さん、大丈夫だった?」


「かなり酔ってたけどね。もう1軒行こうなんて誘われたけど
強引にタクシーに乗せて帰したよ。」


「そっか。けっこう飲んだもんね。」


私は直樹の腕に自分の腕を絡めて
タクシーを拾う。


自宅に向う道のり

私はとても無口だ。


ただ直樹が買ってくれた暖かい缶コーヒーを握り締め

何も考えずに窓から流れる景色を見ている。


「いつもこんな風に男を連れ込むの?」



コーヒー


続き気になる人はクリックしてね♪

rankm