第132話 ホストのヒカル
直樹と別れた私は仕事のスタンスを変えた。
最初は
ビデオと業界誌のグラビアのみだったのを
一般紙や週刊誌、TVまで全てのパブリシティのNGを解いたのだ。
それは
まともな恋愛や結婚は望めないのだと
自分を追い込むためだった。
AVは月1本のペースで撮り
グラビアやインタビューの仕事は毎日のようにある。
イベントやサイン会、TVの深夜番組やラジオまで
幅広くいろいろな仕事をこなす。
仕事が終わるとそのまま六本木に遊びに行き
仕事もプライベートも
これ以上は出来ないというくらい
忙しい日々を過ごしている。
AV女優まりもが有名になる程
私はカラッポのバカ女になり
いい気になって遊び呆けている。
お金はザクザク入ってくるし
何も守るべきものがないというのは
楽ちんで怖いものなしなのだ。
ただ
私がAV女優になった事で
周りの視線は一変していた。
女からは
「所詮AV女優でしょ!」
という蔑視の目で見られ
男からは
もっと露骨な好奇の目を向けられる。
そんな事にもすぐに慣れたし
私が開き直るのは早かった。
その晩は
友達のAV女優と一緒に
六本木のディスコで遊んでいた。
「まりもちゃ~ん、おはよ~!」
ルナマティーノのスーツで颯爽と登場したのは
歌舞伎町のホスト、ヒカルだ。
「あー、ヒカル、 おはよぉ。」
「まりもちゃん今日も輝いてるね! エレガントだなぁ~♪」
「ありがと♪ ヒカルも白いスーツが誰よりも似合うわね。きゃはは」
ヒカルとは
いろいろな店で顔を合わせていて
どちらともなく挨拶をする仲になっていた。
私は普段は
男といえば店の黒服以外はシカトなのだが
何人か例外がいて
ヒカルはその中の一人だった。
ヒカルはすごく格好良いし
目力があり一際目立つ存在だ。
男のくせにお立ち台で踊りたがる
目立ちたがり屋で
踊り方に独特のクセがあり
いつも女の子の注目の的だった。
「ヒカル、ディスコでは男なんて脇役以下の存在なんだからさぁ~
ちょっと遠慮してくんなぃ? きゃはは」
私がお立ち台で踊っていると
隣にヒカルが乗ってきたので
そんな嫌味を言った。
「ははは、 そうだ! まりもちゃん、こないだTV出てたね。 見たよ~!」
「ふ~ん。 綺麗なおっぱいだったでしょ? ふふふ」
「うん! まりもちゃんの事もっと知りたいな~」
「はいはい。 ホストの営業は他の女にしてくれる? きゃははは」
「俺さぁ、ホストだからすぐそういう目で見られちゃうんだよなぁ・・・やっぱ警戒する?」
「警戒するってか・・・何? 同伴でもして欲しいの?」
「だから違うって・・・。 まりもちゃん! お願い! 電話番号教えてくれない?」
「別にいいけどぉ~、店には行かないから無駄だと思うよ~?」
私はケラケラ笑いながら適当にあしらった。
ようやくホスト登場! ここから一気に華やかなお話になっていきます~。
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