らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -224ページ目

第134話 トラウマ系

「私って酷い女だと思わない?」


その質問に

ヒカルは少しも時間をかけずにこう答えた。


「それは元彼にとってはかなりきつい状況だね。 まりもちゃんは大胆だなぁ~、それで?」


ヒカルはさすがに聞き上手だ。

的を絞った質問はあえてしないで

私に自主的に話しをさせるように仕向ける。


私は直樹との事を

ずいぶんいろいろと話して聞かせた。


あの別れの後

実は直樹から2度、電話があった。


「俺、なんで電話しちゃうんだろうな・・・」

と溜息まじりの声で電話をしてきて

何かを話したそうにしていたけれど

話の趣旨はよく解らないまま世間話で終わった。


直樹との事は

私の中では完全に終わった事として片付けられていた。


恋愛の終末は

それがどれほど燃え上がった恋だとしても

パチンとスイッチを落としたように暗転になり

途端に過去の出来事としてカテゴライズされ

心の奥底に仕舞い込まれる。


進むしかないのだ。

私はもう選択をしてしまったのだから。


私はどんどん突き進む。

『生き急ぐ』という言葉を知るのはもっとずっと後の事だった。


直樹が電話をかけてくる理由が私には解らなかった。


あれだけ酷い仕打ちをされて

なぜ私とまだ関わろうとするのか・・・

どうしたって理解はできない。


「・・・おまえには女心ってもんを教わったよ。」


最後の電話でポツリと言った直樹の言葉も

その真意が読み取れずに私は首を捻るだけだった。


「だからね、ヒカルも私と関わるとろくな目にあわなぃわよ! あはは」


直樹の事を思い出しながら

私はヒカルにこう言って話を締めくくった。


「なるほどね~。 おもしろいじゃない!

普通、ホストと女では痛い目にあうのはいつでも女だと相場は決まってるんだよ。

まりもちゃんと付き合うと俺が泣かされちゃうわけ? ははは」


ヒカルは明るく笑いながらも

全てを射抜く瞳で私を見詰めている。


その瞳を見ていると

私は暗示にかかったように次から次と心の内を吐露してしまう。


「私と一緒にいる男はみんな不幸になるんじゃないかって思うのよ。

好きな男を振り回すだけ振り回して結局人生狂わせちゃうのかな・・・ってね。」


「これから先も・・・なんだかそういう事を繰り返していく気がしてならないの。

私ってきっとそういう女なのよ・・・。そういう予感が心の中に根付いちゃったんだ。


ときどきね、自分でも自分の行動に説明がつかない時があるの。

そういうの・・・わかる?」


「う~ん、まりもちゃんって、生まれ持った運命とかそういうの信じてるの?」


「運命とか・・・よくわかんないけど、持って生まれた素因みたいなのはあると思うわ。

私、自分がどうしてこんなになっちゃったのかよく考えてみるのね。

いつからこんなに悪い子になったんだろう、何か原因があるのかな?って。

でもそれはよくわからないままなんだ。」


「わかった! まりもちゃんってトラウマ系なんじゃない? ははは」

ヒカルは底抜けに明るい声で意味深な事を言う。


「トラウマ系って何よ・・・。」


「そのへんは、これから俺がゆっくり教えてあげるよ。

俺はね、トラウマ系の女の子は得意分野なんだ!

それに今日これだけの事を話してくれたって事は

もう俺に心を開いてる証拠だぜ? そう思うだろ?」


ヒカルは

意識してか無意識かはわからないけれど

話の切り替えしや、すり替えが天才的に上手だった。


「ヒカルって、人の気持ちを誘導するのが上手なのね。あはは」

私は皮肉を言って笑った。


天性のホストのヤリクチ。これからどんどん出てきます。水商売してる人は必見かもです!

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