第135話 ホストの話術
ヒカルは
自分の魅力をアピールするのが上手だ。
話せば話すほど
ヒカルってすごいな~と
思わずにはいられなかった。
でも
この嫉妬深くて独占欲の塊の私が
ホストと付き合うなんてとても無理な話だと思う。
それに今の私には
どうしたって彼氏は作れないという理由があるのだ。
その事について
ヒカルがどう答えるのか聞いてみたくて
私は大事な質問をした。
「ヒカルはAV女優と付き合うってどういう事だかちゃんとわかってる?
本当なら彼女の裸って当然彼氏だけのものでしょう。
でもビデオ屋やコンビニに行けば誰でも私の裸を見れちゃぅんだよ!
自分の彼女がズリネタにされてるなんて・・・普通は耐えられないと思うんだけど?」
「うーん、でもそれは発想の転換だな。
みんなはビデオとかグラビアを見て想像力を掻き立てて自己処理するわけだろ。
そういう女を俺だけが抱けるんだ!みたいに思うよ。
他の男達がおまえの裸をいくら見たって生身じゃないからさ。
俺だけの特権だ!って優越感さえ感じるかもな。」
上手い切り替えしだなぁと
つくづく関心してしまう。
あやうく納得してしまいそうになったけれど
やはりそれは違うと思い少し質問を変えてみた。
「ヒカル、それはちょっと違うんじゃない?
だって、私は男優と絡むんだよ。
いくら本番はしてないとはいえ
キスしたり他にもいろいろするんだからね?
好きな女が他の男と絡むなんて絶対に嫌に決まってるわ。」
「うーん、でもそれは仕事だろ?ホストだって同じようなもんだ。
お互い仕事は理解しあわないといけないと思うよ。
それにAV女優って売春婦とは違うぜ。体を使った商売だけど体を売ってるわけじゃないだろ?
SEXの行為そのものでお金をもらうんじゃない。作品として自分自身を媒体として使ってるだけだ。
それに仕事っていうのは誰もが自分の何かと引き換えに金を手に入れてるんだ。
時間だったり能力だったり労働力だったり、人それぞれなんだよ。
自分自身がそのまま売りになるっていのはホストも同じだけど
誰にでも出来るものじゃないって事。そういう誇りみたいなのはちゃんと持ってる?」
「はぁ? AV女優が誇りを持って仕事してるなんて言ったらお笑い種だよ!
奇麗事ばっかり言っちゃって・・・バカバカしいったら・・・。」
私はヒカルのあまりの口の上手さに
逆に辟易してしまう。
「まりもちゃん、男は誰でもAVを見るんだよ。世の中の男達はAV女優に救われてるんだぞ!」
ヒカルは例の瞳で私を見据え
口元だけで微笑んで私を丸め込もうとする。
きっと素直な女の子なら一発で落ちてしまうだろう、と思いながら
自分はそんなに純情ではない事に少しだけガッカリした。
「・・・ばかばかしい・・・。本当、あーいえばこーいうんだから。 私はただのAV女優で底辺の女よ。」
「まりもちゃんの問題はそのへんだな。 自己評価が低いんだよ。
いい? 女の子は自己評価が低いと絶対に幸せにはなれないんだ。 わかる?」
「自己評価? 私は自分の事ちゃんと良い女だって思ってるけど?」
「それは外見とかだけでしょ? そういう事じゃないんだよ。」
ヒカルは真剣な顔になり
話をクライマックスに導いていく。
「とにかく、俺と付き合おうよ。
言葉だけじゃ説得力ないのは俺だってわかってる。
付き合ってみて、まりもちゃんが嫌になったらいつだってそこでやめればいい。
俺にチャンスをちょうだい。」
「なんで・・・? そこまでヒカルが熱心になる理由が解らないわ。」
「久しぶりにやる気になれる女だからさ。
骨の折れる女の方が達成感を感じられるからね。」
その言葉を聞いて
私とヒカルは似ているかもしれないと思った。
付き合うという方向に気持ちは傾き始めているが
もう一つだけ確認しておきたい事がある。
私はホストという職業をまだあまりよく分かっていないのだ。
どんな回り道の話合いをしても最後は自分の望む結論に導く話術を持っている人でした☆
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