第187話 茫然自失
ジイヤが場内に入ってきて
私の肩をそっと抱く。
寄り添うようにして
入ってきた扉から二人は出る。
事務所に戻った私は
茫然自失の状態だった。
完全に想定外だった
今見たショッキングな光景が
脳裏に焼きついて離れない。
「ジイヤ、遅いのよ!」
感情の行き場がなくて
私はヒステリーをおこす。
「おまえさんが見たいって言ったんだろうよ・・・。
とめたのに飛び出していくから・・・。」
ジイヤは白髪交じりの頭を
ポリポリと掻きながら面食らっている。
いつものように
気丈な態度でいたかったけれど
だめだった。
涙がぽろぽろと溢れてきた。
「うぅ・・・ぅううぅ・・・」
有ちゃんが
慌ててフォローに入る。
「白黒ショーは特殊な企画やから!
年に1度あるかないかなんやで! たまたま今週だっただけや!」
「それにあの二人は夫婦もんなんやで!」
「なつきのショーは全然違うんやて!
そりゃー綺麗なもんや。 アイドルのショーみたいやからなー
ほんまやで!」
有ちゃんは
早口の関西弁でまくしたてる。
こっちが申し訳なくなるくらい
必死だ。
「もぅ いいよ・・・。 だいじょぶ。 」
自分でもなんで泣いているのか
よくわからなかった。
私は泣いた自分が恥ずかしくて・・・
3人を困らせてしまったことが気まずくて・・・
何より自分らしくないようなきがして・・・
ブスっと下を向いたまま
不貞腐れた態度を崩せないでいる。
梅ちゃんは
私が泣いたことに驚いて
「これでも食べて元気だせ!」
と差し入れのために買ってきたシュウクリームの箱を開けてしまい
私は可笑しくて少しだけ笑った。
ジイヤは
あいかわらず私の側で
手のかかる子供を見守るような
そんな目で見ていてくれる。
有ちゃんは
ペットボトルのお茶を買ってきてくれた。
「ふぇ~・・・いやぁ、なんっーか・・・ビックリしたわぁ。
ぷっ・・・あはははは」
私がようやく落ち着いて
笑顔を取り戻すと
3人は安堵のため息をついた。
それからしばらく世間話をして過ごした。
ストリップ劇場は昔に比べると
ずいぶん景気が悪くなってきているそうだ。
有ちゃんは
京都にあるDX伏見劇場の社長さんなのだと教えられた。
「そろそろ、なつきの出番やで。
安心して見ておいで。はっはっは」
有ちゃんにそう言われ
私とジイヤと梅ちゃんは
3人揃って劇場内に入った。
暗幕が上がり
なつきちゃんが登場した。
風邪ひいちゃぃました;更新遅れ&本文短めでごめんなさぃ。
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