第190話 異変
本文は小説です。
ここに書いてあることは全て私の過去の体験に基づいたもので、現在のことではありません。
ドラッグは法律で禁止されていますし、人生に悲惨な影響を及ぼすものであることを先にお伝えしておきます
「これ・・・どうやるんだろう? やっぱ口の中に入れるんだよね?」
私は得体の知れない小さな紙を
親指と人差し指でつまんでじっくりと眺める。
よく見ると
真ん中に細かいミシン目が入っているのに気がつく。
「どういう種類のドラッグなの? トミーから聞かなかったの? 効き目とかさ。」
怪訝な表情でユウは私に尋ねる。
「わかんなぃけど・・・
白い粉じゃないってことはシャブではないわけよね。
ってことはさ、ノープロブレムなんじゃなぃのぉ?
とりあえず、やってみよ~よぉ!」
はじめてのドラッグを目の前にして
私は好奇心を抑えることが出来ない。
ミシン目に沿って慎重に半分に切り取り
片方をユウに渡す。
「どうなるかわからないんでしょ? やばいって・・・。
それにゴミ臭いし・・・俺は嫌だよ・・・。 ばい菌ついてそうだもん・・・。」
ユウは
ドラッグの使用をためらう。
「ぶっ さすがA型ね。 慎重だなぁ~。
ゴミを食べるわけじゃないんだから気にすることないわよ!」
「血液型の問題じゃないと思うけど・・・。」
ユウは唇と尖らせる。
「まぁいいわ。 とりあえず私やってみるね!
私が実験台になるから、ユウはそれから考えればいいわよ!」
ユウの制止を無視して
私は一思いに口の中に放り込む。
「ふんふんふ~ん♪」
紙を舌の上にのせて
唾液を染み込ませる。
そのまま1分が経過した。
「うーん・・・ ・・・何もおこらないんだけど・・・。」
私は首をかしげる。
今度は紙を
何度もしつこいくらい咀嚼してから
舌の下に入れてみる。
30分ほど経過した。
「えー・・・ 何これ・・・。 もしかしてやり方間違ってるのかなぁ?
全然これっぽっちも効き目なしよ? ユウも食べてみてよ。」
私に変化がないのを見て安心したのか
ユウは鼻をつまみながら紙を口の中にゆっくりと運んだ。
「どう?」
「なんかキタ?」
互いに何度も確認しあいながら
とうとう1時間が過ぎてしまった。
「ハァ? 超肩透かしってかんじぃー! チョコみたいにすぐ効果が現れるんじゃないみたいだね。」
「うんうん、 俺もなんともないな。」
「なーんだ・・・ つまんなぃの~。」
私はガッカリする。
それから私たちは
音楽を聴いたりビデオを見たり体を重ね合わせたりと
一通りのことをしてみたけれど
シラフの時となんら変わったことは起こらなかった。
「期待はずれもいいとこね・・・。 あとでチョコ吸って遊ぼ!」
「うんうん、 チョコだったら俺もやりたい。」
私はユウの返事を意外に感じる。
「あら、昨日は『一度だけやってみる』なーんて言ってたくせに。
ユウみたいな真面目な子でも一度手を出しちゃうと全く抵抗感なくなっちゃぅのねぇ。
悪い子ね。 あはは」
ユウをからかいながら
私はなんとなく複雑な気分になっていた。
私たちはベッドに寝転んだまま
他愛ない会話を楽しんでいる。
ユウと話しているうちに
何かがいつもと違うような気がしてくる。
たしかに
異変はおこりはじめていた。
うーん・・・悩ましい・・・。若い頃は好奇心を抑えることが出来なかった。
この時の体験がターニングポイントになったんだなぁ・・・今ではそう思う。
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