らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -165ページ目

第191話 覚醒

本文は小説です。

ここに書いてあることは全て私の過去の体験に基づいたもので、現在のことではありません。

ドラッグは法律で禁止されていますし、人生に悲惨な影響を及ぼすものであることを先にお伝えしておきます





「あれ? 時計狂ってる?」


ベッド脇に置いてある

目覚まし時計を見た時に

私はその異変に気がついた。


「ん? 本当だ、 いや、おかしいな・・・ 俺の腕時計も同じ時間だよ?」


ユウは目を丸くする。


「えぇ? じゃぁ、あれからもうそんなに? 嘘?! まさか・・・」


私たちはベッドに寝転んだままの状態で

実に4時間以上も話し続けていたことになる。


確かに

会話は途切れることなく

かなり饒舌に語り合っていた事に気がつく。


知らず知らずのうちに

夢中で話し続けていたのだ。


「あれ? うわぁ! もしかしてキテる?」


時間の感覚が狂うというのは

チョコの時も同じだった。


しかし

マリファナやチョコの場合は

時間は粘土のように引き伸ばされて

平常時よりもゆっくりと流れる。


「時計の時間が現実なのかしら?

それとも私達の時間が現実なのかしら?」


客体的現実と

主観的現実のズレに
そんな疑問をふと抱く。


「そもそも

私とユウの時間だって・・・本当に同じなのかな?」


一点の疑問は展開され

立体的な包括を含むものへと発展していく。


「人によって時間軸は違うって考えたことはない?

つまり・・・体感してる時間・・・だって比べようがないじゃない?」


二人の会話は

論理的、かつ知的な内容で

普段とはあきらかに違っていた。


私達はひたすら話し続ける。


「世界って

合わせ鏡みたいにさぁ

幾重にも無限に存在しているのよ。

私たちは何かを選択するごとに

そのたくさんある世界を、つまり時空間をワープしてるんだと思うの。」


「可能性の数だけ世界はあるのよ! わかる?」


抽象的な言葉でしか説明できないことを

私はもどかしく感じる。


「それってパラレルワールドってやつなんじゃないの?」


ユウは聞きなれない言葉を使う。


「パラレルワールド? 何よそれ。 どういう意味?」


私は尋ねる。


「実は俺もよくわかんないんだけどさ・・・ たしか並行宇宙だかなんだか・・・。」


ユウは自信なさそうに頭をかく。


「並行宇宙! そういう考え方があるのね! やっぱり! それよ! 間違いないわ!」


自分のイメージにピタリと重なる言葉を知り

私は興奮して身を起こす。


「現実って

結局は自分の精神の延長でしかないんじゃないかな。

世界は意識の延長? うーん、 そうよ! だんだん解ってきたわ!」


頭の回転が恐ろしく速くなっていくのを感じる。


哲学的な観念が

次から次と浮かんではきちんと像を結び

一つのまとまった思想になっていく。


それらは

ぽっと出た思いつきではなく

完全なリアリティを持って知覚される。


あらゆる発見

驚くべき閃き

圧倒的な直感

それらはどんどん加速していく。


哲学的な観念の束によって出来上がった思想は

やがて神秘的な秩序を持ちはじめる。



ブレーカーのスイッチが

自動的に次から次と入っていくように

脳の機能がスキルアップしていく。


眠っていた潜在能力が目を覚まし

抑制もフィードバックも行われない状態だ。


ダイナミックな体験に

私の身は打ち震える。


この瞬間に

すべてが整然と意味を持って並んでいることを知る。


隠されていた世界の仕組みを

一瞬で理解したかのようだった。


明瞭な真実を理解したという感激。
難解なパズルをクリアしたときのような達成感。


経験の圧倒的な目覚め。

強力で原初的なエネルギーの解放。


この確信の力はあまりに完璧で

疑いの余地はなかった。



驚異的なスピードで私は覚醒していった。





奇跡的に初回は良トリップだったのですが、このドラッグはかなり個人差があり

しかも一貫性のない利き方をする。バッドに入ると恐ろしく危険。

この時の体験は私の人生を変えてしまう。 次回にも続きます。



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