らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -149ページ目

第206話 置手紙

喫茶店で待っていたユウは

私の話しを聞き

声を荒げて怒り始めた。


「なんだよ! それ!」


私は両手でこめかみを押さえる。

疲れが一気に押し寄せてきて

頭が痛くなりそうだった。


「だってさぁ、断れなかったのよ。 マジで怖いんだから・・・」


私はアイスココアをがぶ飲みして

煙草に火をつける。


「関係ないだろ? 断ればいいじゃないか。

中学校じゃあるまいし上下関係があるなんて信じられないよ。

プライベートまで付き合う必要あるのかよ!

そんなのシカトしろよ!」


当然ユウはおもしろくないだろう。


しかし
私はとても疲れていて

ユウの子供っぽい講釈に付き合うつもりはなかった。


「ユウの言ってることはもっともなんだけどさぁ

こればっかは現場の判断ってやつよ。

悪いけど納得してちょうだい。」


楽屋内の独特な雰囲気や

姐さん達の威圧感は

その場にいた人間にしかわからない。

理屈で説明しても伝わるものではないから

私はとても面倒だと感じていた。

「納得できるかよ! 

まりもが店に行ったらそれこそヒカルさんの思う壺だろ?」


「あのねぇ・・・

ヒカルが花を贈ってきたのは一切関係ないの。

蘭華姐さんに付き合うだけなのよ。 

私だって気は進まないけどしょうがないの!

心配しないでちょうだい。 ねっ!」


でも! とユウは憤然と話し続けるので

私は会話を遮った。


「ユウ、 悪いけど今日は本当に疲れてるの。

明日一日、蘭華姐さんに付き合うだけだってば。

店から1時間おきに電話いれるから、それでいいでしょ?

この話しはもうおしまいよ。」


私はユウの返事を待たずに

伝票を持ってレジに向かった。


もちろん

飲みに行くのはキャンセルだ。


そのままタクシーを拾い

家路についた。



翌朝私が起きると

ユウはもう簿記の学校に出かけた後で

テーブルに置手紙がしてあった。


『まりもへ

昨日は本当にごめん。

事情がいろいろあるの、わかってあげられなくて。

やっぱり心配で文句言ってしまった。

今日も仕事頑張ってね。

俺は信じて待っているから。』


手紙を読んで私は反省した。


ユウの気持ちを考えれば

怒るのも心配になるのも当然のことだろうな

と思った。


19歳のユウが

学業と両立しながら

私のような職業の彼女と付き合うというのは

きっとなかなか難しいことに違いない。


ユウはユウなりに

自分の感情と折り合いをつけながら

出来ることをきちんとやってくれている。


ユウは充分

おりこうさんだ。


私はもっと

ユウに感謝するべきだろう。





その日のステージが全て終り

私と蘭華姐さんは一度化粧を落としてから

遊びに行くためのメイクをしなおす。


メイクをしながら

ワクワクしていることに気がつき

私ははっとする。


ユウと付き合いだして10ヶ月

その間ずっとユウだけを見てきた。


ユウ抜きで夜遊びをするのは

本当に久しぶりで

それは私に女であることを意識させる。


おかしな下心があるわけではないし

もちろんヒカルに気持ちが残っているなんてことは

これっぽっちもないけれど

何か刺激的なことを求めている自分がいることは否めなかった。


今晩は楽しいことがおこるといいな。

そんな期待感を胸に

私は精一杯のお洒落をして蘭華姐さんと楽屋を出ていく。


「蘭華姐さん、私、ヒカルに電話いれておきますね。」


私は一人で先に歩き

蘭華姐さんに話しが聞こえないところから

ヒカルに電話をかける。


「ヒカルぅ~、ひさしぶりねぇ

蘭華姐さんの付き合いでそっち行くけど

余計なことはお互い言わないようにってことで!

得意のアドリブでいろいろよろしくねぇ♪」


甘ったるい声を出し

すっかり気持ちが浮ついている自分に驚いてしまう。


「了解、 早く顔みせろよ! 待ちきれないぜ。」


「そーぃぅ営業トークいいからっ! あはは」


私は早くも楽しい気分になっている。


ユウの顔がちらついて

軽い罪悪感を覚える。


電話を切った私は
浮ついた気持ちにブレーキをかけようと

当初の目的を思い出す。


そうだ!

蘭華姐さんになついて

気に入られなくては!


「蘭華姐さぁーん

私ホストクラブ行くの超久しぶりなんですよぉー!

今日は楽しみましょうねっ!

蘭華姐さんと飲めるなんて幸せです♪」


私の媚びた態度に
蘭華姐さんは機嫌良さそうに

にっこりと笑い返してくれた。


二人は

おそろいのきんもくせいの香りを漂わせ

深夜の歌舞伎町を歩いていった。






アクセキ解析見て驚いたぞ!

「CLUB NEO ヒカル」 「カリスマホスト NEO ヒカル」 「ホスト ヒカル 正体」

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