らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -103ページ目

第250話 月末のホストクラブ

宝石ブルー携帯からの目次を作りました


今日出てくる登場人物のおさらい記事^^

 


「で、ヒカルの後釜は誰なの?」


華やかで賑やかながらも

どこか殺気立った店内を眺めながら

私は聞いた。


「今のところ、リュウヤがトップで次点がトオル」


トモが水割りを作りながら教えてくれた。


「えっ! トオルってヒカルと一緒にパクられたんじゃないの?」


トモが人差し指を口元に持っていき

静かに、という目配せをしながら

「トオルは執行猶予ついたから」

と耳元で囁く。


トモの香水の匂いに

私はポォっとなる。


月末のホストクラブは魔力が強い。


静香と瑠菜の席には

私も顔見知りのホストがそれぞれつき

みんなでグラスを重ねあった。


「リュウヤってどの子だっけ?」

「グレイのスーツ着てる子」

とトモが目線をおくる。


「あーーーぁ! あの子かぁ。

ヒカルの紹介で入った子でしょう?

前に来た時は、入りたての新人だったけど

もうそんなに客ついてるんだ? すごぃわねぇ・・・」


たしかにリュウヤはすごく男前だ。


顔のパーツには欠点が一つも見当たらない。


少女漫画の主人公みたいな王子様フェイスで

色黒でもなければ茶髪でもない正統派美男子だった。


私はなるほどと頷いた。


だけどあまり印象に残っていなかったのも事実で

たしか会話の内容がいまいち垢抜けなかった記憶がある。


「トモが一番いい男に見えるけどな」


私の牽制球にトモは

「ははは」と愛想笑いを返すだけだった。


そういうところが好き!

なんて思わないでもなかったが

それ以上突っ込んでくどくつもりはなかった。


私がトモとの会話を楽しんでいるあいだに

瑠菜と静香の前には名刺の山が出来ていた。


瑠菜が言った。


「入れ替わり立ち代り男の子変わるから

名前と顔がもう一致しないよー」


静香もウンウンと相槌を打つ。


「そうだよね。

ねぇ、トモ。 リュウヤとトオルをつけてあげてよ」


私がリクエストすると

トモはすぐに二人を他のテーブルから呼んできてくれた。


リュウヤが静香の隣に

トオルが瑠菜の隣についた。


「トオル、久しぶりね!」


私は不適な笑みを浮かべる。


「最近はおりこうさんにしてるの?」


私の牽制球にトオルは

「全然余裕っすよ! マジで悪いことはしてないっす」

と照れ笑いをした。


少し頬のあたりがふっくらとしているから

きっとシャブは止めたんだな、と思った。


トモが席を離れると

入れ替わりで太一君が私の隣についた。


太一君からヒカルの逮捕劇に纏わる話をいろいろと聞かされ

私達は「ヤバかったよねぇ」と身を寄せ合った。


その頃のNEOは

ヒカルの影響でホストの半数がシャブ中だったらしい。


そのうちの半分が

ヒカルの逮捕以来、行方知れずだそうだ。


「オーナーが一番大変だっただろうな。

よくここまで立て直したもんだよ」


太一君がしみじみと言った。



入店してから2時間ほどが過ぎ

店内は満員御礼のご盛況で

あちこちからシャンパンを抜く音が聞こえてくるようになった。


「ポン」 「ポン」 「ポン」


惚れた弱みか女の見栄か

月末のホストクラブでは

自分の担当ホストの順位を押し上げるために

女達は競ってドンペリを抜きあう。


客は私達と同年代の子がほとんどなのに

みんな景気がいいんだなぁと感心してしまう。



「まりもー。 私、リュウヤ君を指名してもいい?」


静香の問いかけに

驚いて身を乗り出した。


「えっ? 今日?

今日は初日だし指名することないよ。

指名すると伝票わけられるから、高くつくよ。

なぁに? リュウヤのこと気にいったんだぁ?」


私は静香の思惑を確かめる。


「うん、私リュウヤ君と話したいの。

指名すればまた戻ってきてくれるんでしょ?」


静香の目はトロリと潤んで

完全に女の顔になっている。


「静香ぁ・・・。 あの子は無理だって! 絶対落とせないから!

もうちょっと手ごろなところにしておきなよ」


静香の隣にいた30分で

一体リュウヤはどんなテクニックを使ったんだ!

と忌々しく思った。


静香は私の妹分だ!

騙すつもりなら私が許さない!


おかしな正義感で

つい鼻息が荒くなる。


「あはは、私はまりもじゃないんだからー!

ホストクラブで男を落とそうなんて思わないもん。

店で楽しめればいいだけだからさ。 ね、指名ってどうすればいいの?」


静香はもう指名することを決めているようだった。


「・・・・てかさ、リュウヤに指名してくれって言われたの?」


「ううん。まっさかぁ~。 今度ドライブでも行きましょう!って言われただけ」


静香は心の底からうれしそうに笑う。


免疫がないというのは全く恐ろしい。


「まぁ、静香がいいなら・・・」


私はヘルプの男の子にリュウヤの指名をつけるように頼んだ。


リュウヤはすぐに静香の隣に戻ってきた。


「ありがとう」


粒の揃った前歯を覗かせ

目はキラキラと輝き

これ以上爽やかな登場はないといった風に

静香と私の間に座る。


た・・・たしかに美しい。


私はリュウヤのことを値踏みするべく

静香とリュウヤの会話に混ざってみることにした。


ホストに対する鑑識眼には自信がある。


「リュウヤ君は昼間は何してるの?」


「大学生なんですよ。僕はまりもさんより1歳下なんですよ」


声と話し方はやっぱりイマイチだ。


間の取り方とか話のテンポが独特で

一言で言えば「ダサイ」かんじがするのだ。


「趣味は?」 「特技は?」 「スポーツはやるの?」 「女の子のタイプは?」


私の質問攻めに

彼はソツなく当たり障りのない答えばかりをよこす。


どの答えもホストらしくない一般回答で

気取らずシンプルなものだった。


マニュアルを読んでいるみたいで

私はやっぱり気にくわない。


表面的で
心を感じ取れない。


なんというか・・・

うさんくさい男だ・・・


私はリュウヤに好印象を持てずにいた。



nn


かなりデフォルメされてますが、こんなイメージですw

けっこう似てると思う。リュウヤ君は本当に格好いいです。

今は相当成功していて、ホストクラブ経営に加え青年実業家。

彼が成功したのは頷ける。 理由は先のストーリーで^^



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