息子の脳はクリエイティブです。

デザイン系の専門学校でしたが、ウエブデザイン、グラフィックデザインは苦手でした。

 

当時カバーアートの仕事がしたくて、入学のときの自己紹介でロックのカバーアートをしたいと話したら、CGデザイン科の息子は教員からはいるとこ間違えていない?

(多分、グラフィックデザイン科と言いたかったと思う)と言われました。

 

こんなこともできないようじゃ、仕事はこないようなことも言われました。

 

しかし、数年後、メタルのミュージシャンから何のコネもなしで仕事が来ます。ヨーロッパ、アメリカにもツアーできるような超絶技巧の20年もキャリアがあるバンドからです。

 

息子は、資料を全く見なくて、頭の中の絵を描いています。音楽、コンセプトから浮かぶ絵を描きます。自分でも何ができるのかわかりません。ラフを何枚か見せて、その中で気に入ったものを描き進めます。何度か途中経過をミュージシャンに見せ最高のものを創ろうと描きます。しかし、労力とお金は合わないんです。妥協ができないから、お金以上の仕事はしています。でもミュージシャンからは素晴らしいイラストありがとうと言ってもらえます。

 

ミュージシャンも収益を上げるの大変で、専業で食べていける人って少ないです。絵描きもそうですが、良いものを創りたいという気持ちが強く、適当にすることができません。

 

でも頑張ってきたことが報われつつあります。

 

アパレルでコラボをした服がミュージシャンから好まれて、ライブで着て下さったり、写真集に使ってくれたりしています。おかげで服の売れ行きも良くて、予定枚数は完売しました。

 

この服の売れない時代にバーゲンしなくてですよ。凄くないですか。

 

 

安定した収入源が確保できて、制作に余裕ができ、じっくり絵を描くことができます。

 

まだまだ、収益は満足できるものではありませんが、この道で良かったと思います。

 

今の時代、似たような商品が多いから、独自の世界観があるって強みです。良いものを創ろうと努力すれば道は開けます。

発達障害の問題って、多分、少数派であることで、多数派が生きやすいシステムだから、教育にしても脳の構造を考えるとみんなと同じように、同じ方法で出来なくても仕方がないと思うんだよね。

 

自分のやり方で答えを出せばいいんじゃない?

 

ダニエル・タメットさんの方法は凄くて、とても定型発達ではできないよ。

 

数字を見ていると溶け合って数字が浮かびそれが答らしい。ありえんでしょ。どういう脳の構造しているのか?

 

学校で、適応できなくてもそれは、その子が悪いわけではなくて、脳の神経回路が違うから同じ方法ではできないんだよ。

 

社会でもそう。同じ方法で仕事をすると、こいつ使えないな、と思われるんだよ。

神経症だから、仕事は丁寧だけど遅かったり。いろいろ考えすぎてできなかったり。息子は専門学校で、みんなと同じ方法ではできないと思ったみたい。

 

会社に入ったら、多分、また自尊心がなくなり、自分がダメな人間と思うことになりそうだから、自分の道を進むしかなかったんだよ。

 

「変身」で有名なカフカは、人ができることが出来なくて随分悩んでいたみたい。専業小説家になりたかったけど、一般の人が喜ぶようなものが書けないから、働きながら書いていたんだね。

それが、今では評価されている。

 

「絶望名人カフカの人生論」読んでいるけど、カフカの苦しみが何となく息子の抱えいる悩みと似ているなあと思うよ。

カフカは、苦しみながらもがいて生きていたんだあと悲しくなる。

 

自分の優位なものが仕事、収入に繋がればいいけどそれは、簡単なことではない。

 

でも、本当に子どもが望んでいる支援って、定型発達のようになることでなくて、自分らしく生きてその才能を支援し、社会に繋いでくれることではないかなあ?

 

わたしは、娘から、ぬいぐるみと言われていいる。ぬいぐるみは、怖がりの娘がたくさんの人のいる場所で緊張するから、身に着けている。社会と自分を繋げる存在だって。

思春期から青年期にかけて脳の構造が変わります。生まれたときは遺伝子の地図のようなもので神経回路は作られるのですが、思春期にかけてから経験で神経回路が変わるんです。

分かりやすく言うと、道路工事のようなもので古いあまり使われない道はなくし、新しい道を作るのです。

 

この時期、何故子どもが暴れたり、攻撃的になったり、また精神疾患になりやすいのか?

 

この時期は、辺縁系の脳の興奮が起こりやすく、抑制するには前頭葉の発達を待たなければなりません。特にGABAニューロンが上手く働いていない発達障害の子どもはイライラしやすいです。また、社会的にも受験、進学がありストレスを感じやすいです。

 

GABAニューロンはシナプスの形成、神経回路の再編成にとても大切なのですが、これがうまく機能しないので神経回路の再編成の時期問題行動が多くなります。

 

自分の脳科学の知識、そして子どもの様子などを照らし合わせるとこんなことが起こっているんじゃないかと考えられます。

 

シナプスの再編成のとき、神経回路は切断されます。そして、また新しくできるのですが、これが発達障害では何度も起こるんです。作っては壊れる。そのとき、繋がりが悪いため、認知が歪んでしまうのではないかと?

 

息子が最近、被害妄想が酷いのは、絵柄が変わってきていて、脳の構造ががらりと変わり、一時的に繋がりが悪いのではないだろうか?

 

脳の構造が変わるとき、問題行動が増えると思います。

 

この問題行動に対して何が効果的か?

 

漢方薬の抑肝散は効くと思います。娘も飲んでいました。

 

他はウォーキング、ジョギングかな?

 

ウォーキングではBDNFが増えて、脳の繋がりがよくなると思います。繋がりがよくなることで情報の伝達がスムーズになり認知が正常になるのでは?

 

息子の場合、絵を描くとよくなります。

 

これは、好きなことをすると脳の繋がりがよくなるからではないかと。

 

これは、あくまでもわたしの知識と経験から仮説なので参考までに。

 

 

 

 

この数か月、息子の神経症、被害妄想が酷く大変でした。

 

ときどき、発達障害の子どもが親に対して、恨みつらみを言い、暴言や暴力があることを記事にしている方がいますが、認知がゆがんでいると修正するのに苦労します。

 

息子の場合、絵を描いていれば神経症はプラスになるけど、口内炎が酷くて体調も良くないのでしばらく絵のほうをお休みしています。こうなると、衝動性、強迫観念を向けるところがなくて、わたしのほうに来るんです。朝から、恨みつらみの終わらない話を何度もするので精神的に疲れました。朝からジョギングをしていい気分になっても息子のイライラで台無しです。

 

 

 

大変な日々ではありますが、いいこともたくさんありました。

 

 

詳しくは書けないですが、息子が新しく始めたビジネス上手くいっています。

 

ファッションのコラボなんですが、服に関しては全くど素人なのに、売れているんです。相手がよかったのかな?

とにかく、この仕事に関わっている方が一流なんです。服を作る人、コーディネイトする人。

今、アパレルって服が売れなくて大変だと思うのですが、今回感じたのは、結局は良いものを創れば評価されるってことじゃないかな?

服の場合、トレンドを作り、一年前の服やコーディネイトをダサく感じさせて、新しいものを買わせようっとしている魂胆が見え見えで、嫌なんだけど、そういうビジネスモデルも上手くいかないと思います。新しい服のコーディとかみても格好いいといえないから。イメージで売ろうとしても駄目なんじゃないかしら。服も普遍的な美を感じるようなものが好まれるような気がします。

少なくとも息子が手掛けた服には美を感じるから。

 

やっぱり芸術って普遍的なんだ。

 

息子は、普通のことが出来なくて苦労したけど、少しずつ評価されて、アンダーグランドからメジャーになれるんじゃないかと思えるようになりました。

 

息子の絵が仕事に繋がるか10年前は予想できなかったけど、頑張った結果、仕事になってきています。

 

息子の夢が現実になるようにサポートします。だから、がんの再発もしないように走ります。