町の本屋さん -33ページ目

幸せのありか

今日は目覚ましがなる前に目が覚めた。
カーテンが黄色く光っていた。朝から天気がいいようだ。
今日は調子がいい。
こんな日は、目が覚めて横に拓実がいたりするとすごく幸せな気分になれるのに。
拓実に会いたかったり、会いたくなかったり、面倒な性格だと自分で思う。
昨日の憂鬱をすべて洗い流した。朝のシャワーは頭の奥から目覚めさせる。
シャワーの粒が朝日に光って気持ちがいい。
石鹸の匂いが私の心の中までも洗い流してくれる。優しい石鹸の匂いがほのかに香ればいい。朝食の合間、仕事の合間、休憩時間、デートの時間、そして拓実の腕の中で。
今は無性に彼に会いたい。

幸せのありか

拓実
7つも年下の気まぐれ男。
都合のいい時だけやってくる。
彼との間にあるのは愛ではなく金だ。
金のかからない女。
都合よくやらせてくれる女。
どう思ってるかは本人じゃないとわからないけど、こんなところだろう。
この憂鬱な精神の時にあのガキから連絡がなくてよかったと思う。

幸せのありか

ほろ酔いでそのまま寝たらまだ気分がいい。
まずいビールを無理矢理飲み干す。
いらつく苦さだ。
それでも、もったいないから、残さず飲んだ。
頭がズンと重くなる。
そのくせ、体はふわぁっと浮いてくるようだ。
私はそのまま吸い込まれるようにベッドの上で横になった。
テレビの笑い声や話し声が、誰もいない部屋をにぎやかにする。これで私の淋しさもかなり紛れるのだ。
他人の話し声がこんなにも私を落ち着かせるなんて、つくづく孤独なんだと思う。