このブログは当時の日記をたどりながら

ダウン症をもった希(マレ)を妊娠、出産、現在までを

詩と物語で綴っています



【60話】一滴のおっぱい


それからは眠れない日々が続いた



それでもおっぱいがでるようにと
3時間おきにマッサージを続けた



今母としてマレにできることは
これしかなかった



本当なら直接あげられるおっぱいを
マレが飲む3時間おきにマッサージをした



けれどまだ出ない



“このままずっと出ないんじゃないかな”



そんな気持ちになってまた悲しくなった



午前3時のマッサージタイム
涙で目はぱんぱんに腫れていた



状況を知ってか
看護師さんが優しく手伝ってくれた



何をしても



何も考えてなくても



涙が出てくる



こんなことは人生ではじめてだった



悲しいとか辛いとかとも違う



なんだかよく分からない
この気持ちもはじめてだった



おっぱいを見つめながらマッサージをする



マレを想って泣いた



夫を想って泣いた



母たちを想って



父たちを想って



泣いた



たくさん想って泣いた涙が
一滴のおっぱいに変わった

 

その瞬間から一気にあふれ出した



どんどん



どんどんとあふれ出す



『うれしかった。なんだか想いが通じたような気がした。』




つづく



明けない夜

明けない夜はない


はずなのに


でも


きっと


かならず



星空



おしゃぶり

色々あるね〜


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