川崎、 | ざっかん記

川崎、




矢崎彦太郎氏の棒、ザ・シムフォニカなる団体の公演、済む、演目はラヴェル《メヌエット・アンティーク》、菅野潤氏を招いて同《両手コンチェルト》《左手コンチェルト》、っそして同編のムソルグスキー《展覧会の画》である、

月火と博多行で休んでしまうので、っきょうは仕事をせむかとおもうが、新宅で睡馴れない起き馴れないのか、っけさ起きて、っどうも出掛ける気力を奮えず、休んでしまう、起きてしばらく福田恆存など読み、洗濯機を回し、引越し時の埃へ掃除機を掛けて、洗濯機の停まらないうちにまた寝室へすっ込んで午睡に暮れ、起きて洗濯物を干し、着替えて出掛く、っいろいろと調べて、っきょうはポゴレリチ氏のリサイタルもあったのだが、君津といやに遠く、川崎で妥協した、妥協と云っては矢崎氏とオケとに済まないが、っほかには、我が青春の棲家、橋本にて河地良智氏の公演もあり、川崎よりずっと近場でもあり、興味を惹かれはしたが、っなんとなくの気分で川崎を撰んだ、

矢崎氏の棒へ接するのはいつ以来だろう、ったしか上京後にはいちども聴いていないはずで、っそうすると田舎へいた往時、名古屋フィルの定期で金山のそのころ市民会館といったあの器で聴いて爾来であり、っじつに20年以上振りである、っそのときも《ボレロ》等を含むフレンチ・プロであったが、彼氏の風采はあのころとさしてお変わりなく、振り方はもとよりやや不細工でいられるが、っお歳を召してより仙人然とされたか、っそのおおらかな振りこそはむしろ快い、平素より、っさいきんの指揮者の1から10まで指揮法指揮法した振り、っいつまでもどこまでもかっちりした音が出ます、っかっちりした音っきり出ませんという奏楽の手応えに大の不満を懐くぼくとして、っあのくらい点が曖昧で、っほどよくザッツの解れているアンサムブルというのはうれしい、っただし、オケは、アマチュアとして劣等ではぜんぜんないが、近代フレンチをファンクショナルに聴かせるにはまるで腕が足りていなんだ、ソリストもそうで、っよってコンチェルト2曲は、残酷に云えば、微苦笑とともに聴くべき学芸会レヴェルではあった、

っもちろん、っそこは大権威、矢崎氏の棒であり、っよくピントが合わないなりに、マーキナーなひびきと詩情との両立はまずまず叶っており、《メヌエット、、、》から浸らせる、

《両手コンチェルト》は1楽章から、年配のソリストはふたつのテーマ間で目立ってテムポも音色も表情も変えられる気がなく、っぼくはその表現力を無闇に誇示しない態度をかえってこのもしく聴いた、

2楽章の主題もそうで、淡々としてデリカシーを押売りしないタッチは、っじつはフレンチを得意とする有名ピアニストにほど望み難い感触なのである、連符による高潮あたりは、っもうひと声、高音の打鍵をきつめに来てくれたかったが、リズムを変えてコール・アングレによる主題の再現を伴奏してゆく部分の煌めきには、っこちとらあらためてうっとりと現を抜かす、

《左手コンチェルト》は、WW1で右手を喪ったピアニスト、パウル・ウィトゲンシュタインの求めに応じて書かれているが、彼氏はじつに哲人ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインの実兄である、

っぼくにすればこの曲を聴く機会もまったく稀で、実演では舘野泉氏が半身不隨となられて以降の復帰公演で弾かれるのを聴いて爾来かとおもわれ、っそれはたしか桜木町でであり、サポートはコバケンさんと日本フィルとであった、

っきょう聴いていると、並行して作曲せられているだけはあり、っときおり《両手、、、》2楽章とおなじ感触の音がしているし、っぼくの聴き間違いでなければ、ピアノがさいしょに登場する部分には、っすこしくオリエンタルな音階が採用せられているようである、

ソリスト・アンコールに同《逝ける王女のためのパヴァーヌ》、っやはり繊細自慢とまるで無縁の、フレンチらしからぬざっくばらんなピアニズムである、

《展覧会、、、》は、っあまりにも有名曲で、っかえって実演を聴くこともすくないが、っちかぢかカーチュン・ウォン氏と日フィルとの演奏を聴くこととなる、っそこでは伊福部昭《日本組曲》も披瀝せられるという贅沢な1日である、

トロムペット1番は髪を派手な色に染めたあんちゃんだったが、っかすかな吹き損じこそあれ、太いゆたかな音色がすばらしい、

、、、っあ、っえ、登戸乗り換えなんぞ馴れないもので、間違って新宿方面へ乗ってしまっていた、っこれから代々木上原から引っ返す、っやれやれ、

矢崎氏の造形にはなんらの衒いもないが、冒頭の〈プロムナード〉からつづく〈侏儒〉への遷移にしてからがそうだし、っその後、〈、、、市場〉から〈カタコムベ〉へも、〈バーバ・ヤガー、、、〉から〈キエフ大門〉へも、っいつも間髪を入れざるアタッカ、諾なる哉、個所によっては、なるほどっ、その声部を大事にかんがえていられるのかっ、っと唸らせるのもとうぜんで、っそれがかちこちしすぎない自然体の合奏の裡に行なわる、



っさて、っあすは王子にて、石﨑真弥奈女史の公演で、っこちらも伊福部を含み、《交響譚詩》である、っじつはぼくも同曲の実演はあまり聴いていない、、、っえ、初めてか、っそんなことないか、っどこかでは聴いているはずだが、



みずの自作アルヒーフ

 

《襷  ータスキー》(全4回)

 

https://ameblo.jp/marche-dt-cs4/entry-12351779591.html(㐧1回配本)

 

《ぶきっちょ》(全4回)

 

https://ameblo.jp/marche-dt-cs4/entry-12351806009.html(㐧1回配本)